【DEEP89】腹を効かされた水垣、気迫の打撃&組みでスクランブルで立ち続けた昇侍から判定勝ち取る
<バンタム級/5分3R>
水垣偉弥(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
昇侍(日本)
右ローを空振りした水垣、続く右ローはしっかりと当てていく。昇侍の前進に組みついた水垣がボディロックテイクダウンを奪い、バックでワンフックに。立ち上がった昇侍を後方から殴り、水垣はケージに詰めて再びボディロックテイクダウンを決める。ここも立った昇侍を正面からケージに押し込む水垣は、離れ際に連打を入れる。昇侍がパンチで応えるとダブルレッグへ。離れた水垣は打撃を見せ、組みついた水垣がテイクダウンに成功する。
三角かスイープ狙いか一度、足を振り上げた昇侍に勢いのあるパウンドを連打した水垣は、足を一本に抜いてパンチを落とす。フルガードに戻すが、スクランブルに持ち込めなかった昇侍は、しがみついてブレイク待ちか。水垣は残り10秒でパンチをまとめ、初回を取った。
2R、左右のパンチを放った水垣は、フックを受けてふらつく。昇侍は飛びヒザを繰り出すも、足をキャッチした水垣がテイクダウンを決める。ハーフで抑える水垣は左ヒジ、バックをとってスラム気味に叩きつける。昇侍はすぐに立ち上がるとも、またもボディロックテイクダウンを許してしまう。
この組みで疲れが見える水垣に対し、昇侍が中間距離で打撃戦へ。左ボディの昇侍、水垣は左フックを返す。さらに右を当てられた水垣は、左に回りながら左ジャブ、昇侍がヒザを狙うが姿勢を崩し、水垣がバックに回る。昇侍は立ち上がって胸を合わし、ケージを背にしながらヒザ蹴りを繰り出す。左ワキを差し上げ、バックに回った水垣は昇侍が胸を合わせると、小外刈りでテイクダウンを決める。
スクランブルでバックに回り、チョークを狙った水垣だがRNCクラッチを組みに行ったときに前方に落とされそうになり、スタンドを選択し背中から離れる。口を開いて打撃戦に応じた水垣は、最後の5分間に臨むこととなった。
最終回、前に出てくる昇侍に水垣が右ストレートを伸ばす。ショートフックをまとめた水垣はボディを受けてなお、前に出て左を打ち込む。ここから組んだ水垣に、ヒザを狙いたい昇侍だが、またもテイクダウンを取られる。もうポイントは関係ない、投げられて立つという選択をする昇侍が左ボディを入れ、さらに前蹴りを入れる。
それでも水垣は左を振るって前に出ると、組んで両足を差す。ケージを背負った昇侍、残り1分45秒でブレイクが掛かる。パンチを入れてシングルの水垣、離れた昇侍に水垣は右ストレートを当て、アッパーにも距離を詰めてケージに押し込む。さすがに昇侍もスタミナをロスしてきたが、水垣のパンチを打って組むという展開をケージを背にして耐える。
最後の最後にリフトアップから倒した水垣は、ヒザ蹴りを突き上げられてもケージに押し込み続けタイムアップを迎えた。15分間の激闘は、ジャッジ3者とも29-28で水垣に凱歌が挙がった。
ここで昇侍が「世界の英雄と戦えて、光栄です。日本の強い選手は皆、UFCやONEに行きます。今日、僕が完全に負けちゃうと日本のリングが弱いと思われるので、今日は死ぬ気で水垣さんに向かっていきました。今日は叶いませんでしたが、日本のリングを守って戦っています」と涙で話す。
続いてマイクを取った水垣は「勝ってマイクで話すことがほとんどなくて。昇侍選手ありがとうございました。試合って良いですね。1年間、体も悪くないのに試合ができなくて。佐伯さん、ありがとうございました。まだUFCに挑戦したいという気持ちあるので、時間があれば応援してください」と水垣は話した。