【Special】月刊、青木真也のこの一番:4月─その参─粕谷優介×菊入正行「評価すべき試合」
【写真】青木が注目していた菊入に圧勝した粕谷 (C)KEISUKE TAKAZAWA / MMAPLAET
過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。
背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ4月の一番、第3弾は14日に行われたPancrase304から粕谷優介×菊入正行の一戦を語らおう。
──4月の青木真也が選ぶ、この一番。3試合目はどの試合で青木アワード受賞は誰になるのでしょうか。
「粕谷優介✖菊入正行戦です」
──おお、ここで粕谷選手ですか。年齢的には……。
「29歳、ギリなんです」
──粕谷選手、随分とキャリアを重ねてきたような気がしていたのですが、まだ20代だったのですね。この試合を選ばれた理由というのは?
「僕ね、菊入を買っていたというのがあります。デカいんですよね。異常にデカい。それと指導者としての安藤を買っていて……情熱もあるし、コーチングも良いので。で、体重の戻り幅も相当ありそうで、試合の時は80キロはあると思います。
要は安藤のクオリティを菊入はそのまま出せるんじゃないかと。それもあって菊入を粕谷が一方的にやっつけたということは、やっぱり評価すべき試合だと思ったんです」
──菊入選手を注目しているからこそ──の粕谷選手になったと。
「粕谷はあそこで上を取って、殴るのは良かったですね。菊入上げのマッチアップにあって。それをさせなかった」
──粕谷選手と青木選手の顔合わせは楽しみです。
「えっ? どうしてですか?」
──粕谷選手が家族愛に満ち満ちた選手だからです!!
「複雑な家庭環境で育ち、高校の時の彼女と結婚したというのは、何かで読んでことがあります」
──青木選手とは対照的ですよね。
「そこですか(笑)。でも、そういうところは子供さんをケージにあげたりしていることで分かりますよね」
──奥様の手作りのお守りと一緒にケージインしてします。
「あぁ、それは凄い。人のために頑張れるんですね、全く僕とは違う。そういう家庭第一の人って、仕事も持っているだろうし、試合が全てじゃない。だから試合間隔も空くし、コンペティションのなかで上がっていく世界観を持っていないかもしれない。
そこが希薄な選手って、グッドファイターだけどどこまでトップに絡んでいけるのか分からない。そういうところも興味はあります。UFCとも契約して、ミドルが強くて、でもアンクルとか取ったりする。分からない部分も含めて、楽しみな選手です。
ライト級のスパイスになりそうですね。フェザー級の時より、確実に動きは良いですよね」
──ということで、4月の青木アワードは粕谷選手の選出となりました。