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【ONE88】エブ・ティンと対戦、ライト級ワールドGP対抗馬?!=アサラナリエフ「ダゲスタンは戦闘国家」

Arslanaliev【写真】ロシアのダゲスタン共和国出身で、トルコ在住。民族的にはカフカース山脈の山の民であるアヴァール人でパスポートはロシアというフセイン。なかなか単民族国家の日本人にはわかり辛いバックボーンを持つ(C)ONE

本日22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE88「Call to Greatness」で、ザイード・フセイン・アサラナリエフがエブ・ティンとライト級ワールドGPトーナメント準決勝で戦う。

キャリア5勝1敗、その一つの負けも完全に試合を支配するなかで勢いづきサッカーボールキックで反則負けだ。回転系の打撃も含めパワフルな攻撃は、テイクダウンと融合しており、そこからポジション&サブミッションにも秀でている。

Arslanaliev vs Timofy日本の山田哲也を腕十字で破り、ワールドGP出場のティモフィ―・ナシューヒンを2分に満たない時間で殴り倒した

24歳の名前を覚えるのも大変な未知強アサラナリエフに、これまでの格闘技キャリアとティン戦への自信のほどを尋ねた。


──エブ・ティン戦が明日に迫ってきました。今の気持ちを教えてください。

「良い感じだよ。もう準備はできている。プーケットのタイガームエタイとAKAで十分に練習してきたし、僕はいつだって自分に自信を持っている」

──過去5勝1敗、その黒星も反則のサッカーボールキックを入れてしまった敗北で、これまで恐るべきパフォーマンスをONEで見せてきました。ただ、フセイン選手のことはまだ日本のファンはあまり知りません。これまで格闘キャリアについて教えてもらえないでしょうか。

「もちろん、僕はダゲスタンで生まれ、ファイトが文化である土地柄もあり6歳の時にフリースタイル・レスリングとボクシングを始めた。9歳や10歳の時から、試合に出るようになり、ボクシングではロシアの北カフカース連邦区(ダゲスタン、北オセチア、チェチェンなど)の大会でチャンピオンになっている。そして中学、高校と体育専門学校に進学し、カリキュラムにあった散打を学ぶようになった」

──ダゲスタンでは散打が授業の一環になっているのですね!!

「そうだよ。僕も卒業するために散打を習得したんだ。散打ではロシアのナショナル・チャンピオンになり、それとイースト・ウェスト・オリンピックという国際大会がって、そこでも優勝したよ」

──そんなフセイン選手が、なぜMMAに転じたのでしょうか。

「MMAを戦うことは、ダゲスタンの男にとっては当然のことだよ。戦闘国家だからね。僕らはどうMMAを戦うのかを、子供のころから身につけている。ただ両親の仕事の都合でトルコのイスタンブールに移り住んだ時に、MMAジムを探したけど見つからなくて、ブラジリアン柔術のアカデミーに入門したんだ。

イスタンブールには格闘技のジム自体が少なくて。散打のジムはあったけど、学ぶべきモノはなかった。レスリングはフリースタイルもグレコも練習できたけど、どっちも経験済みだし。だからブラジリアン柔術の道場に入ることにしたんだ。ダゲスタンでは皆がレスリングを好むから、逆に柔術のことはそれほど分かっていなかったけど、それだけ覚えることが多くて楽しかったよ」

──トルコの柔術というモノはあまり想像し難いのですが、普及しているのでしょうか。

「柔術自体、トルコでは決して人気のあるモノではなく新しい格闘技だった。レベルもそれほど高くないし、黒帯もほとんどいない。そんな成長過程にある状況でも、柔術の技術はよりストリートファイトやMMAに適していると感じた。

レスリングは倒すまでで、そこから先は柔術ほどテクニカルじゃない。チョーク、アームロックなど仕留める術が柔術には多くて、そこが僕には向いていたように思う。その後、トルコの柔術トーナメントで優勝し、MMAに転向し2戦目でONEと契約した。ONEで戦うには東南アジアの気候に慣れる必要があると思い、プーケットで練習するようになったんだ」

──そしてサークルケージで確かな結果を残し、今回のGPへの出場を決めました。

「僕の力をこのトーナメントで世界に見せたい。出場選手は皆、タイトルに挑戦する力を持っている。エディ・アルバレスのような有名なファイターに勝って、タイトルに挑戦できるようになりたい」

──その一歩が明日になるわけですね。

「作戦を話すことはできないけど、ファンが楽しめる試合をするよ。格闘技の文化が根付き、MMAへの理解が深い日本のファンにも僕の試合を楽しんでほしい」

■ONE88対戦カード

<Super Seriesムエタイ世界女子アトム級選手権試合/3分5R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
ジャネット・トッド(米国)

<ライト級(※77.1キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
アリエル・セクストン(コスタリカ)

<ライト級(※77.1キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
エブ・ティン(ニュージーランド)
ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)

<キック・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
ムスタファ・ハイダ(イタリア)

<ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

<キック・フライ級/3分3R>
工藤政英(日本)
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)

<キック・バンタム級/3分3R>
コン・サンボ(カンボジア)
ジャン・チェンルン(中国)

<キック・ライト級/3分3R>
レジアン・アーセンス(オランダ)
アンソニー・ンジョグアニ(ナイジェリア)

<女子ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
ラウラ・バリン(アルゼンチン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
今成正和(日本)
クォン・ウォンイル(韓国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ルーディ・アグスティアン(インドネシア)
コン・シチャン(カンボジア)

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