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【ONE85】ブルーノ・プッチと対戦、ドリアン仙人・朴光哲─01─「試合とドリアンはセットなんで」

No Face【写真】とにかく笑顔が絶えない朴だった (C)TSP

19日(土・現地時間)にインドネシアはジャカルタのイストラ・セナヤンで開催されるONE85「Eternal Glory」に朴光哲が出場し、ブルーノ・プッチと対戦する。

一昨年12月にクリスチャン・リーのスラム気味のテイクダウンで敗れて以来、41才となった朴が左ヒザの前十字靭帯断絶という負傷を乗り越えてサークルケージに職場復帰する。

ヒザの負傷、リー・ファミリーの一員との再起戦前の心境を尋ねにKrazybeeを訪れたところ、朴の心は既にジャカルタ、ドリアンに飛んでいた。


──一昨年の12月以来、実に1年1カ月振りの試合となります。5月にハファエル・ヌネス戦を負傷欠場しました。どのような状況だったのでしょうか。

「試合の3週間ほど前、リオン武とのスパーリングでローキックをカットした時に、左の前十字靭帯が切れました。ただ、本当に薄皮1枚つながっているような状態で、いつ切れてもおかしくないという状況が5、6年続いていて、そのトドメをリオンに刺してもらった感じです。

あの時は試合前だったので、気持ちも落ちましたけど、手術をすればより良い状態になるのは分かっていたので、これもアップグレードに必要だったんだと思っています」

──41才で靭帯をやった。もう終わりではないかという声も実は届いていました。

「いやいやいや(笑)、今は医療も発達していますから。10年ぐらい前も8カ月ぐらいで競技ができるぐらいに戻って、今回は半年で競技復帰し、8カ月で試合ができますからね」

──あのGSPですら、ACLの手術前と手術後で動きが変わっていました。本当に大丈夫なのでしょうか。

「GSPのような人はきっと完璧な状態からケガをしたんですよ。自分の場合はもうユルユルだったので、本当にジャンプをしただけでグリっとなって腫れるとか。もう、それの繰り返しだったので、一度切れて手術でガッチリとくっつけてくれたので、相当調子が良いです。

再建手術って切れるまでできないのか、MMAファイターは切れるの待ちの人多いっスよ(笑)。今は高性能のサポーターをつけているような感じで、若返っています(笑)。

でも強くなるためにもう少し時間が欲しいです。若い時に怠けていた分、終わりが近づくと焦るタイプなので」

──練習はいつ頃から戻ることができていたのですか。

「2、3カ月はリハビリをして……それからですね。去年は郁さん(山本KID徳郁)が亡くなったり、色々なことが起こりましたけど、気持ちを切り替えてモチベーションも高いです」

──欠場している間、日本におけるONEの受け入れられ方が全く変わったように思われます。

「日本人のトップファイターがいっぱい集まって来て、『俺のポジション、なくねぇ?』みたいな(笑)。そういうのはありますね。もう日本大会も半分諦めたから、この1月のオファーも受けたし。

自分は試合とドリアンがセットなので、やっぱり南国で試合がしたいですよね。東南アジアで試合をして、ドリアンを食べて。それがライフスタイルになってきているんで(笑)」

──……。

「クリスチャン・リーに負けた後、高島さんから『ドリアンを食べて、満足しているから負けるんだ』って言われて(笑)。でも、俺から言わせてもらうと……これだけ禁欲生活をしているんだから、死ぬかもしれない前にドリアンぐらいは食べさせてよっていうのはあります」

──なら100歩譲って、ホテルの外で食べてください。朴選手がドリアンの虜になって以来、ホテルで『禁煙』並みに『禁ドリアン』というお達しがあるのを知りました。

「あの時、罰金くらいましたからね(笑)。ハウスキーピングの人が掃除中にゴミ箱にあったドリアンの種を見つけ、写真を撮って証拠にされて」

──フロア全体に充満にする臭気を思い出すと、当然ですよ(笑)。

「いや、もう今からジャカルタでドリアンが食べられることにワクワクしています(笑)。ジャカルタではこれまで1勝1敗で、悪いイメージはないです。問題は渋滞だけですね」

──確かにジャカルタの渋滞は酷いですが、対戦相手ブルーノ・プッチに関してはどのようなイメージを持っていますか。前回の負けはアンジェラ弟のクリスチャンで、今回はアンジェラ旦那のプッチとなりました。

「凄い因縁ですよね(笑)」

──クリスチャンとプッチ、タイプは違いますが朴選手と戦うために彼ら陣営は一度、研究をしているということがあります。

「まぁ、負けられない相手なのでかましたいです」

──打の朴選手、寝技のプッチという対戦ですが。

「テイクダウンは絶対にされたくないですが、されても流れのなかなのでしょうがない。しのいでスクランブルで粘ります。もう、そこに自信があるのかないのかとか分からないですけどね(苦笑)」

<この項、続く

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