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【UFC232】JJ狂騒曲に巻き込まれた今大会、BJ・ペン✖ライアン・ホールの新旧柔術家対決に要注目ッ!!

BJ vs Hall【写真】ミ盟友バットエルディンが社交性のある人物なのとは対照的に、バットムンクは朴訥さに溢れているファイターだ (C)Zuffa LLC/Getty Images & KEITH MILLS

29日(土・現地時間)、カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラムでUFC 232「Jones vs Gustafsson 2」が開催される。


今大会は当初の予定ではラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されはずだった。ところが、今月初めに行われたステロイドチェックで、メインの世界ライトヘビー級王座決定戦でアレキサンダー・グスタフソンと戦うジョン・ジョーンズから微量の禁止薬物が検出される。USADAでは、今回の禁止薬物が2017年のチェックで陽性となり15カ月の出場停止処分となった時の検査で検出されたトゥリナボールだったため、その時の残りと判断し処分を課すことはないことを決めた。

その後23日(日・同)にUFCではネヴァダ州アスレチック・コミッションからジョーンズにライセンスが下りない可能性があることを考慮し、ライセンスを出すと確約したカリフォルニア州アスレチック・コミッションの管轄下である、LA郊外のイングルウッドで大会を開くことを決定した。

なんともお騒がせなばかりか、きな臭さも残るイベント直前の開催地の移動。2012年9月にはダン・ヘンダーソンの負傷欠場により、代役出場のチェール・ソネンとの対戦を拒否しPPVイベントが中止になったこともあったジョーンズ。影響力の大きさは今も変わりない、いや出場停止処分が重なってなお当時以上の存在になっているのかもしれない。

そんなケージ外の話題が尽きない同大会では、JJ✖グスタフソンの世界ライトヘビー級王座決定戦&クリス・サイボーグが女子バンタム級王者アマンダ・ヌネスの挑戦を受ける女子フェザー級タイトルマッチと2つの世界戦が組まれている他、プレリミにも注目すべきカードが見られる。

その1つがBJ・ペン✖ライアン・ホールのライト級戦だ。天才、元UFC世界ライト&ウェルター級BJにとって、昨年6月のデニス・シバー戦以来となる実戦で2010年11月以来──7年1カ月振りの勝利を目指す。

2012年にニック・ディアズ、ローリー・マクドナルドという若い世代のファイターにウェルター級で敗れたBJは一時期オクタゴンから離れていたが、2014年7月のフランキー・エドガー戦からフェザー級として現役復帰を果たした。しかし、この試合を含めジャイー・ロドリゲス&シバー戦と連続して敗れ、現在は5連敗中だ。

かつての天才もフィジカル全盛の現代MMAの流れについていけなかったわけだが、40歳になって再びオクタゴンに足を踏み入れることとなった。

今回の対戦相手ライアン・ホールはフィジカル&ボクシング・スクランブラーではない。ばかりか50/50が代名詞の柔術家だ。下攻め、バックを取れば逃さない──そんな戦いで奇跡のようなTUF22優勝から3年、2年前の12月にゲイリー・メイナードに判定勝ちした以外はホールもオクタゴンで戦っていない。

BJが殴って、テイクダウンし、極めるという正統派テクニシャンなのに対し、ホールはMMAファイターとしてより変則的だ。打撃は間合いを取るもの、テイクダウンではなく引き込む。ばかりか、イマナリ・ロールを駆使し相手に自分の戦いをさせない。

BJがMMAファイトのなかで、寝技に徹した柔術ファイトを受け入れるのか。それができてこそBJ・ペンたる所以だが、ホールの柔術はBJに劣ることはない。寝技勝負、そこにBJの穴が見つかるも知れない。進化する競技柔術=ホールと、バーリトゥードありきの柔術=BJの戦いはMMAにおける柔術家のイデオロギー闘争といえる。両者の寝技の違い、特に本来はフェザー級のホールが、BJを相手に殴られないスポーツ柔術のガードワークを有しているのか──が、最大の見どころだ。

■ UFC232対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
ジョン・ジョーンズ(米国)
アレキサンダー・グスタフソン(スウェーデン)

<UFC女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]クリス・サイボーグ(ブラジル)
[挑戦者]アマンダ・ヌネス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
カーロス・コンディット(米国)
マイク・キエーサ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリル・ラティフィ(スウェーデン)
コーリー・アンダーソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
チャド・メンデス(米国)
アレキサンダー・ヴォルカノフスキー(豪州)

<ヘビー級/5分3R>
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)
ウォルト・ハリス(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
ミーガン・アンダーソン(豪州)
キャット・ジンガーノ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
ドゥグラス・アンドレージ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
BJ・ペン(米国)
ライアン・ホール(米国)

<バンタム級/5分3R>
ナサニエル・ウッド(英国)
アンドレ・イーウェル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ユライア・ホール(ジャマイカ)
ベヴォン・ルイス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
カーティス・ミランダー(米国)
シアー・バハドゥルサダ(オランダ)

<バンタム級/5分3R>
ブライアン・ケレハー(米国)
モンテル・ジャクソン(米国)

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