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【UFN141】イェン・シャオナンと対戦、近藤朱里─02─「自分のことを一番に考えたい」

Syuri【写真】終始穏やかな空気を纏っていた朱里。逆にすぐに臨戦態勢に入る覚悟のようにも感じられた (C) MMAPLANET

24日(土・現地時間)に中国・北京のキャデラック・アリーナで行われるUFC Fight Night141「Blaydes vs N’Gannou2」で、イェン・シャオナンと対戦する近藤朱里インタビュー後編。

UFCという世界最高峰で戦う自分と、自身が全てを賭けて挑むスポーツの現状。女子MMAを取り巻く現状を飲み込んで、ただ勝利を目指す姿勢が感じられた。

<近藤朱里インタビューPart.01はコチラから>


──そういう意味でも、前回の初黒星から何か自分のなかで気を付けてトライしてきたことなどありますか。

「あの試合はすぐに終わっちゃったので(苦笑)。だから、ほんと出会い頭に気を付けないといけないとか……ですね。やるべきことはしっかりとやっているので。もう追い込みの時期は『やりたくない』って思うほどですし」

──ポリアナ・ボテーリョが、土曜日(※現地時間)のアルゼンチン大会でシンシア・カルヴィーロにRNCで一本負けをしました。

「あぁ、そうみたいですね。試合結果はチェックしたのですが、試合を見ることもなかったです。勝ってほしかったですけど、UFCですから誰もが強いので。自分は彼女に負けた事実を受け止めて、土曜日に勝つだけなので」

──その前夜のInvicta FCでの魅津希選手の試合は視聴されましたか。

「いえ、そこも試合結果を知っているだけです。自分の試合が近くなると、他の試合は見ないですね。ただ、試合のことだけを考えていると、ずっと緊張してしまうので格闘技以外のことでリラックスするようにしています」

──9月からabema TVの格闘代理戦争が女子MMAとなり、盛り上がっています。気になりますか。

「格闘技に興味を持ってもらえるのはありがたいです。ああいう風にスポットライトを浴びる人が出て来て、そこに憧れて格闘技を始める人が出てきてほしいですね。ただ、やはり試合前ですし、今は視聴できていないんですけどね(苦笑)」

──レジェンドは私だろうという気持ちは?

「いえ、試合のこと……自分のことで手一杯なので(笑)。コーチとなると責任が掛かってきますし、指導している子が戦うとなると、そちらに力が入り過ぎてしまうので。思い入れが強すぎると、逆に空回りしてしまいますよね。以前、そういうことがあって色々と経験したことがあって……なんか、自分で大丈夫なことは、指導している子も大丈夫だろうとか思ってしまって。

頑張りたいという子がいても、見過ぎるのも良くないですし。見守るぐらいでないと……やる人は、自分でやるんですよね。思い入れが強いと、自分が受ける精神的なダメージも大きくなってしまいますし。指導って、実はサラっとやるほうが良いのかなとか……って。

そうですね、選手のことだけを考えることができる精神状態であればそういう風にシフトもしていけますが、現役として自分のことを一番に考えたいので、今は……難しいですね」

──UFCを見て、朱里選手に憧れてMMAを始める人も出てきてほしいですね。

「そういう人が出てきてくれて、ジムに入会してくれると嬉しいですね。ただ、思い入れが強くなり過ぎないよう上手く一緒にやっていきたいです。そういう場合は」

──朱里選手は一つのことを考えると、そこに没頭しそうな感じがします。

「ホント、そうなんです(笑)。一直線に行ってしまう……でも、色々と経験して勉強することもあったので、なり過ぎてはいけないということも分かっています」

──ところでUFCという世界最高峰で戦うことで、見られる風景や実生活がもっと変化するという期待はなかったですか。

「認知されるとか、知名度とかは仕方ないと思っています。格闘技自体が一般層に届いていないのもあるし、TVで中継がないと名前を知ってもらうことは難しいです。でもUFCは世界一です。そこで自分がどれだけできるのか。この厳しい世界で戦うチャンスを手にしたので、そこで結果を出すだけです。

だから、前の試合は何もできなかったから精神的に厳しかったです。なかなか気持ちを切り替えることも難しかったので、次は頑張りたいです……結果を残したい」

──では土曜日に試合に向けて、最後にファンへ一言お願いします。

「チリでは凄く悔しい想いをしました。だからこそ、次の中国の試合では絶対に勝たないといけないです。何が何でも勝ちをもぎ取って日本に帰ってきたいと思います」

──イェン・シャオナンという気の強い選手が相手だからこそ、朱里選手の良い部分が出ることを期待しています。

「ありがとうございます。前の試合で学んだことを、しっかりと出せるように戦ってきます」

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