【Arzalet04】韓国で13カ月振りのMMAを戦うホベルト・サトシ・ソウザ─01─「凄く緊張している」
【写真】色々なことがあったキルギスだが、現地のキルギスタン・トップチームで大歓迎を受け、僅かな時間だが指導をも行ったサトシ。柔術ワールドでの知名度は抜群だ(C)MMAPLANET
11月24日(土・現地時間)に韓国ソウルのクラブ・オクタゴン開催されるArzalet 04で、ホベルト・サトシ・ソウザが1年1カ月振りのMMAを戦う。
17日のWEF Globalのメインで実兄マルキーニョス・ソウザのTKO負けを目の当たりに、改めてMMAに潜む危険性に気付いたというサトシ。ただの黒帯ではなく、スーパー黒帯の1人であるサトシにとってのMMAはどういうモノなのかも尋ねた。
──土曜日に昨年10月以来、1年1カ月振りのMMAを戦います。今の気持ちはいかがでしょうか。
「凄く緊張しています(笑)。僕は柔術の試合の時も緊張するけど、MMAを戦う時はもっと緊張してしまって……」
──サトシ選手が柔術の時も緊張するというのは意外でした。
「緊張するよ。でも、たくさん練習したし……それに緊張感は少しぐらいあった方が良いと思っている。緊張感もなくて、戦うとそっちの方が危ないから」
──この間、肩の負傷もありましたし、そういう部分でもナーバスにならざるを得ないということでしょうか。
「柔術の場合は肩が痛くても、攻めることも守ることもできる。MMAはちょっと違うかな。そこはやっぱり不安はあるよ」
──2週間前にキルギスにいて、日本には10日ほどしか滞在せずにまた韓国です。
「キルギスの試合の後は色々考えたよ。マルキーニョスが負けるなんて思いもしなかった。レフェリーの問題や色々なことがあったから、少し考え方が変わったかな。あの試合を見て、MMAは危険だと改めて感じたし、僕自身がMMAの準備をどれだけできているのか。甘く見ている部分があったんじゃないかと考えるようになったんだ。
マルキーニョスがKOで負けたというのは、やっぱり柔術での負けとかとは違うし……うん、肩のこともあるし色々と考えさせられる試合になったね」
──土曜日の相手はペク・スンデとなりました。
「そこも問題で……。アルゼルトの試合は対戦相手がいつもギリギリになって変わってしまうから、相手の研究ができないんだよね。最初の相手は10試合ぐらいある選手で、映像とかチェックすることができたんだけど。
一度相手が代わり、その選手は4試合ぐらいのキャリアの持ち主だったのが、また最後に今回の相手になってしまって……。なんかキャリア2戦ということだけど、Youtubeだけでなくフェイスブックやインスタグラムまでチェックしたけど、サウスポーかオーソドックスかも分からないんだ(笑)。
まぁ、でも僕のやることは変わらないから。相手を研究しても、自分の動きは同じ。そう思って戦うよ」
──テイクダウンをして仕留めると。
「う~ん、そういう試合にいつもなるんだけど、僕ももう5年以上打撃の練習もしてきたし、ストライキングも試したいんだ。せっかく、トレーニングを続けて来たから」
──Quintetでは素晴らしいグラップリングを披露してくれましたが、同じノーギでもMMAは違ってきますか。
「違うね。全然違うよ。MMAは相手が守りを固めても、殴ったり蹴ることができるからね」
──そこも攻めの思考なのですね(笑)。
「アハハハ。MMAと柔術やグラップリングは違う。でもQuintetに出て凄く良い経験になった。本当の世界のトップと戦うことができたからね。次の相手は未知だけど、ゴードン・ライアンのレベルにないことは絶対だから」
──今、サトシ選手のなかで、MMAで戦う意義とは何なのでしょうか。
「本音を言うとMMAはお金のため。柔術はね、練習をしていても楽しいし、試合に出るのも減量以外は凄く好きだから。でも、MMAを戦う時はファイトマネーのことを考えるよ(笑)」
──青木選手などは、柔術家は競技柔術だけでなくMMAを戦えという意見を持っていますが、サトシ選手はお金を稼ぐためにMMAを戦うのですね。
「う~ん、アオキの言っていることはちょっと分かる。柔術のトップ選手がMMAで戦って、何もできないことがある。パンチがあると、柔術での動きができなくなる選手がいる。柔術はセルフディフェンスだということを忘れてはいけないよ。
今の柔術大会はベリンボロや50/50だけ使ってポイントを取るための試合になっているけど、柔術は護身術だってことを僕は常に考えているよ。皆、それぞれの考えがあるけど、柔術とは何かを考えると1度だけでも良いから、MMAを戦ってほしいというのはあるかな」
──サトシ選手はムンジアルの色帯を全て制して、黒帯でも決勝進出まで果たしているのにそういう考えなのですね。
「柔術家はパンチを打たれても、柔術で身を守ることができないといけないんじゃないかな」
<この項、続く>