【ONE78】初陣でマラット・ガフロフと戦う松嶋こよみ─01─「こういう選手と戦えるのでONEを選んだ」
【写真】4月のISAO戦があったから、さらに強くなれた──と思えるようになるためにも、松嶋はONEを選択した (C)MMAPLAET
22日(土・現地時間)にインドネシアはジャカルタのジャカルタ・コンベンションセンターで開催されるONE78「Conquest of Heroes」には日本からONE世界ストロー級王者の内藤のび太と共に、サークルケージ初戦となる若松佑弥と松嶋こよみが出場する。
パンクラスでベルトを獲り、UFCという青写真を描いていた点において、若松と松嶋には共通点が多い。そんな日本のMMAの将来を担うファイターのONE出場。ここでは松嶋に4月の暫定フェザー級KOP暫定王座決定戦の反則負けからのONEとの契約、そして初戦となるマラット・ガフロフ戦について話を訊いた。
──ONEデビュー戦となるマラット・ガフロフ戦まで1週間ほどです。今の体調は?
「結構、疲れています(苦笑)。明日(※取材は14日に行われた)ぐらいで試合用の練習も最後なので、それまでしっかりと追い込めていると思います」
──試合に向けてのインタビューですが、まず4月のISAO選手との暫定フェザー級KOP決定戦でのグラウンド状態でのヒザ蹴りによる反則負けに関して、話を伺わせてください。
「ハイ。本当にISAO選手に申し訳ないという気持ちです。試合の時は初めてのタイトルマッチということが影響していたのか、自分で分かっていない程あがっていました。結果、僕の悪いところが全部出た試合でした。あの試合で勝つと負けるとでは将来が変わってくる。そんな状況で、成長しきっていない自分がいました」
──反則負けになった直後はどのような気持ちだったのですか。
「正直なところ、そんなに入っていると思っていなかったです。少しヒザを上げた時に当たったかと……でも、映像を見ていると完全に入っていますし、全て僕の責任です。ISAO選手にケガをさせてしまったことは本当に申し訳なかったです。
お詫びの挨拶は試合後にさせてもらい、その後もパンクラスの会場でお会いしているのですが、ISAO選手が凄く大人の対応をしてくれるので、それがまた自分のやってしまったことを思い起こさせて……」
──ISAO選手が復帰して勝利する姿を見るまで、懺悔の念にかられるかもしれないですね。
「そうですね……自分のやってしまったことなので。もう取り返しがつかないことなので、勝手なことですが自分が如何にそれを糧にできるのか。反則負けだけでなく、ISAO選手にケガをさせてしまったことで、本当に2度とあんな風になってはダメだと心から思っています。
試合後……初めてでした、1週間以上ジムから足が遠のいたのも。僕の練習は当然として、ISAO選手の日々の努力も無駄にしてしまったことは凄く深く受け止めています。自分だけでなく、対戦相手に迷惑をかけてしまったことで、なかなか気持ちを元に戻すことはできなかったです」
──……。
「でも、さっきも言いましたけど、もうやってしまったこと。だからこそ、これからしっかりと戦うためにという気持ちで練習に戻りました。とにかく、体を動かそうと……」
──試合で考え過ぎるようにならないのかも、心配になってきます。
「そこは自分も色々と考えました。冷静に戦う必要がある一方で、自分の良さをなくさないように戦わないといけないですし」
──あの反則負けの後で、ONEを選択しました。
「日本のフェザー級で一番強いであろうISAO選手と戦って、またパンクラスの王座を目指すよりも、海外で戦う方が強くなれる。そう思ってONEからのオファーを受けさせてもらいました。ほぼ即決でした。
パンクラスからUFCへ行くというのは、かなり難しくなり時間もかかる。それならば、その時間を違うように使うべき。より強くなる方向を考えるとONEで戦うことだと思ったんです」
──今、UFCという場所に関してはどのように思っていますか。
「諦めたわけでじゃないです。少しでも強くなるためのONEなので」
──ONEの条件の方が、日々の生活から強くなれることに集中できるということは判断理由になりましたか。
「目指しているところにいかなければ、格闘技をしている意味はない。お金や生活面よりも、そこを考えての結論です。もちろん、これまでより練習に集中できる環境を手にできることはありがたいですが。そこも含めて自分が強くなれる最善の選択だと思っています。
で、初戦の相手も相手ですし。こういう選手と戦えるからこそのONEでした」
──その相手マラット・ガフロフですが、16勝1敗の前ONE世界フェザー級チャンピオンです。もうその強さは十分に知れ渡っています。
「もちろん強いですし、怖いです。ただ……僕がいつも通りの試合をしていれば勝てる相手だと思っています」
<この項、続く>