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【Grachan36】岸本泰昭を破り、ライト級王者となった山本琢也「その場その場で対応するのが格闘技」

Takusya Yamamoto【写真】愛する家族の下へ戻るのを遅らせてしまってすみませんでした (C)MMAPLAET

9日(日)に東京都大田区の大田区総合体育館で開催されたGRACHAN36で、グラジエイター・ライト級チャンピオン岸本泰昭を破り、山本琢也がとGrachanライト級王者に輝いた。

そのパフォーマンスからも、練習仲間や指導者の言葉からも強いという評価はなされていた。しかし、どのレベルで強いのかという物差しがなかった山本が岸本に勝利したこと、日本ライト級の上位にあることは間違いないことが分かった。

評価を絶対にしたタイトル奪取後に、山本にインタビューを試みた。そして家族>格闘技という考えが、再び明らかとなった。


──この選手は強いのではないか。でも確証が持てない。そんな山本選手が岸本選手に勝利することで、確証が持てるようになりました。

「ありがとうございます。組みでももっと差があるかと思っていたのですが、戦ってみて……前回の長岡(弘樹)選手との試合と同じように自信がつきました。片足を持ち上げられた時とか、怖い部分はあったのですが、でもバランスに関しては自分の持ち味なので。

その持ち味を出せたかと思います。何より皆に面白と言ってもらえたので、それが一番幸せなことです(微笑)」

──初回はテイクダウンを許しましたが、結果的にスクランブルで疲弊したのは岸本選手だった。そして2Rからは力対力ではなく、すかしたり、一気の投げを見せるなど岸本選手の組んでくる力を利用したように見えました。

「やっぱり、そこもバランスなので。岸本選手がこう組んで来たら、こうしようとかという対策は何も立てていなかったです。戦ってみて直感ではないですが、その場その場で対応するのが格闘技だと思います。

下にならない。下になってもすぐに立つというのは考えていて、それは出せたかと思います」

──打撃に関しては如何でしたか。

「それほど怖いモノはなかったです。ケージ際で殴られた時も効いた攻撃はなかったです。でも、岸本選手の気持ちが凄く伝わって来て、リスペクトの気持ちで戦いました」

──ここまで戦えることが分かったのですが、格闘技に対するスタンスは変わりませんか(笑)。もっと上を目指してほしいと思ってしまいます。

「ありがとうございます。でも、自分はキャリアがどうのこうのではなく家族が一番、その次が格闘技という形でないと戦えないです。その時、受けた試合に全力で臨むだけです。そうですね……家族が一番大切です」

──この試合結果から、他のプロモーションなどからオファーが届いたらどうしますか。

「目立てる場所なら、それは目立ちたいです。ただ、その時々によって自分も試合をするという返事はできないので、タイミングがあえば全力でその試合に臨ませて頂くだけです」

──MMAが好きなら、一度は山本琢也の試合をみようと書かせてもらいます。

「ありがとうございます。お客さんが少しでも試合を見て、僕の名前を覚えて家に帰ってくれると嬉しいです。今日は子供の誕生日にこんな良いプレゼントができたことが一番嬉しかったです。娘の3歳の誕生日に試合をすることが決まった瞬間、本当にドラマかと思いました。やってやるぞと気持ちに入りました。本当にめちゃくちゃ可愛くて」

──ケージのなかで、奥様のことも『ちゃん』付けで呼ばれていましたね。

「ハイ、結衣ちゃんです」

──ラブラブで素晴らしいです(笑)。

「仲良くやらせてもらっています。今日は2人の前で勝てて本当に良かったです」

──では一方的に希望してもしょうがないのですが、より強い相手、大きな舞台で戦うMMAファイター山本琢也にも期待し続けさせてもらいます。

「タイミングが合えば、全力で戦わせてもらいます」

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