【DEEP85】坂巻に判定勝ちも納得できない釜谷真「ヘンリーは今日負けて、修斗に行くべきやったんやって」
【写真】判定勝ちにも笑顔は見られなかった釜谷(C)MMAPLANET
26日(日)に文京区後楽園ホールで開催されたDeep85から、3回戦を中心にリポートしたい。ここでは坂巻魁斗を相手に3-0の判定勝ちながら、納得がいかないという釜谷真の戦いと、試合後の質疑応答の模様をお送りしたい。(※要約)
<バンタム級/5分3R>
釜谷真(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
坂巻魁斗(日本)
ローの蹴り合い、釜谷の高い位置の蹴りを捌いた坂巻が左ジャブの差し合いで、より強いパンチを当てる。さらに釜谷のジャブを避けて左ミドルを見せた坂巻がソバットをボディに蹴り込む。釜谷は右ストレートから左を振るって飛びこむと、ダブルレッグへ。
一度は体を入れ替えられるが、再び押し込んでボディロック&小外掛けでテイクダウンを奪う。
大きなパンチを入れ、そのスペースをついて坂巻が立ち上がろうとしたところで釜谷はサッカーボールキック狙いへ。軸足をキャッチした坂巻のシングルレッグにも首に手を巻き付け、肩ブリッジでテッポウを決めてトップをキープする。
ここで起き上がってきた坂巻に得意のギロチンを仕掛けた釜谷は、そのままジャンピンガードを取って引き込む。かなりタイトに入ったように見えたが、坂巻は釜谷をケージに押し込んでクラッチをルーズにさせ、頭を抜いてトップへ。
釜谷はすぐに立ち上がり、2度に渡り内股を耐えて離れた。直後のハイキックでバランスを崩した釜谷だったが、すぐに初回終了を迎えることに。
2R、ローや飛びヒザを見せる坂巻が組むと、釜谷が腿の裏をすくってテイクダウンへ。ここでもスペースを与え起き上がってくるところで、サッカーボールキックを繰り出す。
もう一度ガードを取った坂巻はヒールを狙い、体を捩じって離れようとする釜谷のバックを取る。向き合った釜谷にテイクダウンを仕掛ける坂巻だが、釜谷は一旦ケージに体を預けて耐えると、続いてスプロールからバックに回り込もうとする。
坂巻も反応して、胸を合わせると離れた釜谷に左を打っていく。組み直した坂巻が、内股から前転してヒザ十字→アキレス腱を仕掛けたところでタイムアップとなった。
最終回、佐山タイガーばりのローリングソバットでボディを蹴り抜いた坂巻。下がった釜谷に飛びヒザから左フックを打っていく。
パンチの応酬となると、釜谷はダブルレッグを決めスクランブルでバックへ。スクランブルの途中、立ち上がり際に釜谷の太腿を抱えてヒザ十字を取りに行った坂巻だったが、これも潰されて肩固め&マウントを許す。
釜谷は抑えず、立ち上がってサッカーボールキックを蹴り、この機に坂巻が立ち上がる。直後に試合終了となり、判定勝ちを収めた釜谷に笑顔は見られなかった。
■試合後の釜谷真の質疑応答
──まずはおめでとうございます。
「いやぁ、まぁ……ありがとうございます。ここ数年で一番ダメな試合でした。負けた試合も含めて……。アキレスを切ってからでは一番ダメな試合だったと思います。打撃を作ってきたつもりだったのに、その段階でもうちょい試合で出せるかと……最後のスパーリングでは結構形になっていたので。結構、自信もあってフィニッシュするつもりだったけど、最初のコンタクトでやり難いなっていう感覚はありました。
でも組みでも勿論勝負するつもりもあったし、四つの展開でもテイクダウンの攻防は大丈夫だと思いました。そのなかで1Rにギロチンのチャンスがあって感触も良かったけど、あとチョイでいけなかったです。あれでスタミナをロスしましたね。それでも2Rと3Rと繰り返していると、打撃でも寝技でもフィニッシュできると思っていたのにできなくて、打撃もアカンくなっていく一方でした。ポイントだけ取ったという試合でしたね」
──納得いかないようですが、以前は打撃がダメだとそのままジリ貧だったところ、組みで勝てた。それは釜谷選手が積み上げてきた成果が出たということではないでしょうか。
「おじさんですからね、僕も(笑)。そらやってきた積み重ねはあります。ただ、そこで勝っても意味がない試合でした。負けたら、本当に終わりでしたけど……負けなかったというのは救いで。こういう試合でダメだったら負けたことが多かったので、勝ちが拾えるようになったので地力は多少ついてきているのかっていうのはあります。けど、それで満足できるかというと、時の経過と自分の成長を照らし合わすと納得できないです」
──下からの突き上げを跳ね返した試合です。
「最近の彼の戦績はそんなに良くないし、伸びてきている選手でなくて僕がつき抜けないと……もう一歩上のステージに行くための試合だと思っていたので、本当にショックでした」
──現バンタム級王者のソン・ジンスがUFCと契約をし、前王者の大塚隆史選手がビクター・ヘンリーに今夜敗れました。
「う~ん、ビクター勝つなよって思いました。お前が勝ったら話がややこしなんねんって。お前は今日負けて、修斗に行くべきやったんやって」
──複数契約のようです。
「マジですか。もう、止めてくださいよ。おじさんの希望を打ち砕くような話(苦笑)。若い強いのが出て行ったと思ったら、また強いのが入ってきて……ふざけんなよ。ビクター・ヘンリー、複数契約ですか……マジで嫌なんですけど。なら、ソン・ジンスとやれよ……勝手に。嫌やなぁ……俺、次、元谷君とタイトルマッチやりたかったんです。で、勝った方がビクター・ヘンリーにボコられると。それで良いじゃないですか? ビクターはもう1試合挟まなアカン。そんなタイトルマッチとかしたら、強いの分かっているんですから。
元谷君だってめっちゃ強いから、なんでフライ級にせぇへんねんって。今、この国はフライ級やろ、と。狭間の階級でソロッとベルトを獲りたいのに……なんで、おじさんの細やかな願いを叶えてくれへんのかな、この団体は。10年やってるんやぞ、頼むわ!!」