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【Special】月刊、青木真也のこの一番:7月─その弐─エドゥアルド・フォラヤン×アジズ・パフルディノフ

Eduard Folayang【写真】再び、サークルケージのなかで相対することはあるのか。エドゥアルド・フォラヤン (C)TAKASHI IGA

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ7月の一番、第二弾は7月27日に自らが出場したONE76からエドゥアルド・フォラヤン×アジス・パフルディノフの一戦を語らおう。


──7月の青木真也が選ぶ、この一番。では2試合目は?

「エドゥアルド・フォラヤンとアジズ・パフルディノフの試合です」

──おお青木選手自らが出場した大会で組まれていたライト級の一戦です。

「フォラヤンは、あぁ強えなぁと思いました。あのロシア人も無敗で、しっかりしている選手だし。それとカラクリも少し見えましたし。究極のカウンターでした。手数が少ない。ディフェンスありきの試合をして、距離をとって『来るなよ』という戦い。ディフェンスを堅くして、ローを効かせてもいかない」

──テイクダウンができる選手相手にローを効かせる戦法もなかなかではないでしょうか。

「だからこそ、スネへのローだったんですよ」

──なるほどぉ!!

「ロジックとしては……飯村(健一)さんにミットを持ってもらった時に話したのですが、パンチで攻めるパフルディノフはクラウチング気味で前足が内側に入っているから、奥足のローのカットができなということだったんです。

アップライトで構えていれば、カットできるものが。あれは今のMMAのボクシング&レスリングのスタンスという主流を穴を衝いた攻撃でした。ロジックとして、前足を潰すという部分で良くできていましたよね」

──テイクダウンをされても、攻め込まれなかったのも多きかったです。

「僕と戦った時……、コンディションというものもあったけど、そこの部分でも強かったです。対して今回の試合では、ガードで落ち着ている。つまりONEのルールに特化した戦い方で、ガードで足を越えられなければ良いというものではありました。

ラウンドマストではないので、下になってのマイナス点というものを仕切り直されて打撃でカバーできる。ネヴァダ・ルールじゃないから、クローズドガードで守るという判断をしていました」

──それも打撃で明確にリードできるから、採れる選択ではあるのでしょうね。結果、そうなりましたし。

「ONEルールでの戦術、戦略を変えていかないといけないというのは僕自身感じていることです」

──フォラヤンとすれば、地元で救いようのない敗北を喫する可能性のある相手と戦い、乗り切った試合でした。

「シビアなマッチメイクでした。ただ、あのロシア人がどうなのか。本当にスバ抜けて強ければ、冨樫健一郎を爆殺していただろうし。冨樫と判定ということを考えると、それなりの強さということかというのもあります」

──パフルディノフはRoad FCのライト級トーナメントに出て決勝まで残っているシャミール・ザフロフばりに手堅い試合をします。その相手に勝つ分だけの戦いをさせなかった点は評価されるのではないでしょうか。

「そうですね、負ける可能性は十分にあった試合です。実際にテイクダウンも取られていますし。彼もベルトを失っても続けている。フォラヤンの立ち位置だったら、もう辞めても良いぐらいの存在だと思うんです。それを続けて、工夫して強くなろうとしている。単に格闘技が好きで、ちゃんとやっているということなんですよね。

もう一度、どこかで戦うこともあるだろうし。それは楽しみになってきます」

──一つ、自分も煽るという部分でフィリピンが強いという書き方を選択している身なのですが、実はフィリピンではなくて、まだチーム・ラカイだけ。チーム・ラカイが強いということだと思っています。

(C)MMAPLANET

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「正確にいえばフォラヤンとケビン・ベリンゴン、あとジェへ・ユースタキオがついてきている。ただ、そういう選手がいるから若い選手が育つ」

──確かにチーム・ラカイを取材したのですが、10代の選手たちの気合の入り方は……。あの人数で、あれだけのレベルというのは正直、日本のMMAジムにはない光景でした。

「そっちの方が怖いですよね。ただね、なんだろうなぁ……ロシアにしても、ラカイや東南アジアにしても来るって僕らは随分前から言っているのに……何かね、ここ最近の流れでフィリピンは強いとか突然溢れだした。フィリピンは強い、強くなっているし、強くなる……そんなの前から分かっているよ。もっと勉強しようよと」

──青木選手とともに、もっとMMAを好きになりましょうということですね(笑)。

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