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【Special】月刊、青木真也のこの一番:番外編─ヤキャエフ戦を振り返る。「良くない試合。信念を曲げた」

ONE72【写真】引き込み、上を取ってからの三角絞め&腕固めで一本勝ちした青木 (C)ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画──の番外編。

5月18日、ONE72ラスル・ヤキャエフ戦で青木はMMAのライト級マッチで3年振りに勝利した。組み伏せて勝つことを信条とし、ジョン・フィッチを希望とする彼にとって、引き込みからの勝利について尋ねた。


──ではここからは恒例となっている番外編です。

「ハイ。何かありますか?」

──いや、青木選手の試合ではないですか。

「あぁ……俺の試合かぁ……」

──ジョン・フィッチが希望、組み伏せることを信条としている青木選手としては、先日の試合の自己評価は決して高くないのではないかと。

「ダメでしたよ。それはもう試合直後から言っていたし。良くなかったです」

──引き込みからの動きはハマっているように見えましたが。

「アレは閃きですよね。あれだけ腰を引いている相手は、引き込んだら取れちゃうなって」

──そこがスクランブルMMAの対極にある判断ですけど、やれてしまったわけですね。

「めくった形になって、取れるなと思って体が勝手に動きました。でもコントロールして抑えて、マウントを取ってから首を絞めたかったです」

──下になってパウンドを受けるという展開もありましたが。

「効かなかったけど、殴られましたしね。あれが違う相手なら、効かされるパウンドを打たれることもある。最後の三角という結果はOKなんです。あれはパスしてマウントからなので、流れができている攻防なので」

──フィニッシュの前は完全に流れですし、スパーリングでも見せている攻防でした。

「そうなんです。ただ、あの前の引き込みは自分からしても閃きとかいっているけど、謎なんです。立ち合い方もあまり良くなかった」

──閃きでは戦いたくないということでしょうか。

「う~ん、信念を曲げたということですね。ああいうことはあんまりやりたくなかった(苦笑)。アレを関係者や選手たちから『凄い』とか『良かった』って言っているけど、分かってねぇなぁと」

──それはですね、最近の青木選手の言動で憎まれキャラから、弱冠愛されキャラに変わりつつあるってことですよ(笑)。青木真也が勝って良かったという反応が、負けちまえよりやや目立ってきたという。

「アハハハハハ。それは困る(笑)。それは不味いです」

──何、照れ笑いしているのですか(爆)。

「いやぁ……まぁ、話を試合に戻すと……皆は立ち合いが悪かったことが分かっていない」

──フィニッシュですがアレは三角絞めなのか、腕ひしぎ腕固めなのか、どちらでタップしたのか分かり辛かったです。腕はクラッチの外側の方だったので。

「僕も分からない(笑)」

──絞めとしては、どうなのでしょうか。余りにも相手と直角になり過ぎて、縦にヒザを畳めない形かという風にも見えました。

「僕は横の方が極めやすいんですよ。正面系よりも」

──そうなのですか!!

「だから絞めも入るけど、搾った腕なのか……。これね、俺も分からない(笑)。試合後に長南さんが『腕だよぉ!!』って言っているから、『腕ですッ』って感じで(爆)。頭も下がっていたし、絞めも入る。でも、長南さんが腕と言ったら、腕なんです(笑)。

あの三角は察知することができる相手はいるでしょうね。それでも、暫くMMAで勝てていなかったし、まだ作り直している段階ではあります。自分自身でそれは思っています。間とか形のようなものを」

──流れが分かっていても極まる。つまりは技の完成度が高いということに通じませんか。

「そりゃあ、10年も15年もやっているんだから、やっぱり精度は上がりますよ(笑)。サブミッションでいえば、僕は技に偏りがあるタイプじゃない。だからこそ、取れるというのはあると思います」

──ヒール、三角、バックチョーク、フロントチョーク系と。そのなかで今回は下になってもハマって、思い切り仕掛けることができたのかと。

「そうですね、あのフィニッシュはなかなかないですし。実際、DREAMの時のマウントから三角を2度しくっていますからね」

──あの当時は失敗して、やや焦りが感じられました。

「ハイ。結果論というか、後からの自己採点になりますけど、昔から色々と試行錯誤し続けてきたことが今回の勝利につながったと思います。積み上げてきたもので勝てたというか……。

次、久しぶりに短いスパンで試合をすることになりそうですが、それも良いかなと思っています」

Shinya Aoki──正式発表を待ちたいです。改めてライト級で3年振りの勝利、どのように捉えていますか。

「まだ何かできるなと思うことができました。相手とか試合内容以上に……勝っていない状態で戦うというのは怖かったですから。このまま契約満了まで、突き進みたいですね。その辺り、チャトリとは信頼関係ができていると思います」

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