【ONE70】のび太が挑戦、ONE世界ストロー級王者アレックス・シウバ─02─「一番得意な寝技で、僕が上」
【写真】王座奪取時、笑顔の先にはアレックス・シウバの家族がいた(C)MMAPLANET
12日(土・現地時間)、インドネシアはジャカルタのジャカルタ・コンベンションセンターでONE70「Grit and Glory」が開催される。同大会で内藤のび太の挑戦を受けるONE世界ストロー級王者アレックス・シウバ・インタビュー後編。
ブラジル、サンパウロ州ウバツバ出身。シンガポールから一度は香港へ、再びイヴォルブMMAに戻ってきた。訪れた機会を逃さず挑戦し続けた彼の人生はチャレンジ、そのものだった。そんなシウバの挑戦を支えてきたのは、自分を信じる力とブラジリアン柔術だ。
<アレックス・シウバ・インタビューPart.01はコチラから>
──つまりどの局面でも臨機応変に戦えるということですね。
「その通り。スズキ(鈴木隼人)と戦った時も彼がグッドレスラーなのは分かっていた。彼のテイクダウンを防ぎながら戦う必要があったけど、防御に徹してスタミナを失うよりも、僕にはボトムで戦うという選択肢があった。そして、ガードからの仕掛けで彼を仕留めることができたんだ。
さっきも言ったようにずっと柔術の練習をしてきた。下になってからの練習も、人生を通してしてやってきたんだ。だからMMAの試合でもガードからの仕掛けは、トップからの仕掛けと同様にいくらでもある。
ナイトウは僕と同様にグラップリングが一番の武器だ。前の試合で僕は打撃ができることを見せたけど、グラップリングだって成長している。常に先へ進むために考えて練習をしてきたからね。
ナイトウが一番の得意な寝技でも、僕の方が上回っている。全ての対戦相手を尊敬しているけど、そこだけは譲れない」
──前回の試合は1カ月しか準備期間がなかったですが、今回は2、3カ月前から試合が決まっていました。この違いは大きいですか。
「スズキに勝ったら、ナイトウに挑戦することは明白だったから、そうでもないよ。そして、ナイトウもそうなることを知らされていたはずだ。もちろん、それが12月になることまでは分かっていなかったけどね(笑)。
そういうチャンスっていうのは、神様が与えてくれたものだから、準備期間云々でなく1カ月の準備期間だろうが関係なかったよ。
本当に強いファイターが、トップの舞台で戦うには1週間の準備期間だろうが戦わなければならない。準備期間というものは試合が決まってからじゃないからね」
──どういうことでしょうか。
「僕らは毎日、ジムで汗を流している。人生を通して、経験をしてきたことをぶつけるのが試合の場だ。いや、試合だけじゃない。僕らのチャレンジはケージやマットの外にも存在しているから」
──う~ん、ブラジルからシンガポール、香港、そして再びシンガポールで生きて来たアレックスならではの言葉です。
「強い気持ちがあれば、体をリードできる。体は言うことを聞いてくれるんだ。だから、僕は絶対に自分を信じている。巡ってきた機会を放棄することはない」
──アレックス、試合前の大変な時にありがとうございました。最後に日本のファンに一言、お願いします。
「日本のファン、メディアは僕とって特別なんだ。そして、ナイトウがこれまでMMAで成し遂げて来た全ての業績を尊敬している。人間として、彼の礼儀正しいところも大好きだ。ファイターによって、色んなことを話して試合を盛り上げるということもあるけど、僕らにはそんな必要はない。
僕は彼の姿勢が好きだし、僕自身がそうありたいと思っている。そうそう僕らのチームには今、日本からやってきたリュートがいるんだ」
──澤田龍人選手ですね。
「リュートがナイトウと戦った試合もチェックしたよ(笑)。リュートはナイス・キッドで、日本の人たちへの尊敬心を確固たるものにしてくれたよ。僕はまだ日本に行ったことがないから、いつの日か日本で戦いたいと思っている」
──ONEが日本にやってくるという話も現実味を帯びています。
「そうなれば、僕も日本で戦うチャンスが訪れるだろうね。夢が叶うよ。ブラジルにいたころ、PCでPRIDEやDREAMの映像をチェックしていた。日本で戦うなんてこと、当時は本当に夢の話で、現実として考えることはできなかった。
そして、僕はいまシンガポールにいて、その夢が現実化してきた。人生って、そういうものなんだ。シンガポールに来た。ずっと試合を見て来たシンヤ・アオキに出会え、一緒に練習もできた。チャンピオンにもなった。
人生は素晴らしいものだよ。だから巡ってきたチャンスは逃しちゃいけない。トライ、チャレンジしないと。日本の皆に神の御加護を」
■ ONE70対戦カード
<ONE世界ストロー級選手権試合(※56.7キロ)/5分5R>
[王者]アレックス・シウバ(ブラジル)
[挑戦者]内藤のび太(日本)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ステファー・ラハディアン(インドネシア)
ヒマンシュ・コシィキ(インド)
<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
ヴィタリー・ビグダシュ(ロシア)
レアンドロ・アタイジ(ブラジル)
<キックボクシング95キロ/3分3R>
セルゲイ・マスラボジェフ(リトアニア)
アントニオ・プラジバット(クロアチア)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
プリシーラ・ガオール(インドネシア)
ローム・トリニダッド(フィリピン)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ヴィクトリオ・センダック(インドネシア)
ソー・サイ(カンボジア)
<72キロ契約/5分3R>
エリック・ケリー(フィリピン)
山田哲也(日本)
<ムエタイ65.8キロ/3分3R>
オグニン・トピッチ(セルビア)
ステルゴ・ミキオス(ギリシャ)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ラディム・レイマン(シンガポール)
タン・ダフェン(中国)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エルピトゥア・セレガル(インドネシア)
トディ・マルディアン(インドネシア)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ドゥアン・ビラワ(インドネシア)
リスキ・ウマー(インドネシア)