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【KNOCK OUT60】REDライト級王者ゴンナパーに挑戦。久井大夢「みんな僕に期待してほしい」

30日(火)東京都渋谷区の国立代々木競技場第二体育館で開催されるKNOCK OUT60「K.O CLIMAX 2025」で、KNOCK OUT-REDライト級(※62.5キロ)選手権試合で、久井大夢が王者ゴンナパー・ウィラサクレックと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

KNOCK OUTアマチュアで3階級制覇し、プロデビュー後もREDスーパーフェザー級(※60キロ)、BLACKスーパーフェザー級&ライト級のベルトを巻いた久井。KNOCK OUTの2025年を締める代々木大会のメインイベントでゴンナパーが持つREDライト級のベルトに挑戦する。

ゴンナパーはK-1からKNOCK OUTに参戦し、KNOCK OUTの日本人ファイターたちを次々と撃破しており、いよいよ久井が打倒ゴンナパーに臨む試合でもある。この大一番を控える久井に話を訊いた。


強くなるためには試合経験を積むことが一番いい

――10月の古村匡平戦は1Rにダウンを奪われたあと、2Rにダウンを奪い返して3Rに逆転KO勝利した試合でした。まずはあの試合から振り返っていただけますか。

「先に自分がダウンしてしまって、動きが雑だったかなと思います。最後に倒しきれたのでよかったですが、試合内容としてそんなに良くはなかったと思っています」

――古村選手のパンチは警戒していたと思いますが、その一発をもらってしまったという感覚でしょうか。

「蹴りにパンチを合わされたので、そこは狙われていたのかなと思いました」

――ダウンを取られた後に焦りはなかったですか。

「ダウンを奪われた時は『やってもうたな』と思いましたけど、相手は顔も腫れていて、目を見てもダメージがあるのは分かったので、インターバル中にセコンドのお父さんからも『必ず取り返せるから』と言われていました。だからそこまで焦りみたいなものはなかったですね」

――試合前はどういう作戦・イメージで戦おうと思っていたのですか。

「古村選手は普段ゆっくり戦うタイプだと思っていたのですが、事前に『1Rから行く』みたいなことを言っていて、そういう戦い方は慣れていないはずだから、後半になるにつれて体力が削れていくだろうなと思っていました。上手くそこを突くことが出来ましたね」

――試合映像や動いている映像を見るだけでなく、本人のインタビューやコメントも確認して作戦を練るんですね。

「お父さんが相手の試合映像から発言まで細かく見ているので、そういう指示を受けてました」

――久井選手自身の話をすると、7月にロムイーサン・TIGER REONに敗れていて、あの敗戦以降、どんな部分を修正してきたのですか。

「ロムイーサンとやった時、ハイキックはいらんという指示やったのに、自分がハイキックを蹴っちゃったんですね。で、その戻しが遅くなって(パンチを合わされた)というのがあったので、そこは良くなかったです。今回も蹴りに対してパンチもらってしまったので、そういう細かい部分は修正しなあかんなという感じでやってます」

――言い方を変えれば、自分の何がダメでパンチをもらったのかまで、ちゃんと理解できてるわけですよね。

「試合の時は『これがこうして、こうなって…』みたいなところまでは分からなかったですが、試合が終わってからは、そういったところまで修正しています」

――そういった取り組みを続けていれば、試合を重ねるごとに「ここをこうした方がいい」や勝った試合でも「もっとこう出来たんじゃないか」など、自分の反省・修正点が見つかって、常にアップデートされていくのではないですか。

「そうですね。試合をすることで僕は強くなれると思っているので、どんどん試合をやっていきたいです」

――久井選手は試合数が多く、様々なルールで試合をしていますが、試合経験が強さにつながるという考えもあるのですか。

「はい。僕は強くなるためには試合経験を積むことが一番いいと思っています」

――9月にはONE Friday Fightsにも出場してチャン・チンタオに判定勝利していますが、あの試合ではどんなことがプラスになりましたか。

「会場の雰囲気がやっぱりすごかったですね。めちゃめちゃ盛り上がっていて、試合をしていて気持ちよかったです。試合的にはハイドレーションも問題なかったですし、結構組み(首相撲)で行ったのもあったんですけど、初めて行った場所でやった試合はいい経験になりました」

これから自分がKNOCK OUTや格闘技界を背負っていきたい

――そして今大会ではゴンナパーと対戦することとなりました。もともと年末の大会でゴンナパーに挑戦したいと思っていたのですか。

「古村戦後のマイクでも言ったのですが、チンタオ戦の前日に古村戦が決まって、その時点でONEと古村戦に勝って年末までやろうと決めていたので、年末にゴンナパーと戦うことも想定していましたね。古村戦が終わって、山口(元気)代表からも『ゴンナパー戦は決定でいい』みたいな感じで言われていたので、僕としても『よっしゃ!』という感じでした」

――久井選手にとってゴンナパーはどんな存在ですか。

「ホンマに無敵というか、KNOCK OUTの選手たちがみんな負けている相手なので、ここで自分が勝ちたいなと思っています」

――ゴンナパーは長くK-1ルールで試合をしてきて、今年からKNOCK OUTに参戦してMMAグローブのムエタイルール=REDルールで試合するようになりました。REDルールの方がより強さを発揮しているという印象はありますか。

「K-1ルールでも強いと思うんですけど、やはりヒジあり・首相撲ありだったらもっと強さが上がるのかなと思いますし、そういうゴンナパー選手を自分が倒したいです」

――久井選手自身、REDルールはやりやすいですか。

「自分はMMAグローブの方がやりやすいのかなと思いますね。MMAグローブはガードの間を抜けるし、パンチが当たりやすくていいなと思いました。自分はディフェンスでガードを固めるのではなくて距離で外すタイプなので、そこも自分に向いてるのかなと思いました」

――KNOCK OUTのファイターたちが軒並みゴンナパーに敗れていて、そういった相手と戦うという意味で普段とは違う感情やモチベーションもありますか。

「僕自身の試合そのものに対する気持ちはいつもと変わらないですが、僕がゴンナパーを止めたいという気持ちがあるので、みなさんにはそこに期待してほしいです」

――今回カード発表記者会見で久井選手が自らメインイベントでやりたいということをアピールしていました。今までそういった発言がなかったと思うのですが、どういった想いであの言葉が出てきたのですか。

「これから自分がKNOCK OUTや格闘技界を背負っていきたいという意味での発言ですね」

――「久井は他の選手と違う」や「久井はモノが違う」と思わせるような試合にしたいですか。

「今の自分だったらそういう試合を見せられるという自信もありますし、自分が一番強いというところを試合で見てもらいたいです」

――KNOCK OUTの一年を締めくくる試合、そして立ち技格闘技ファン注目の一戦で、どんな試合を見せたいですか。

「最高の勝ち方で、倒して勝ちたいと思っています。圧倒的に勝ちます」

■視聴方法(予定)
12月30日(火)
午後1時15分~U-NEXT

■KNOCK OUT60対戦カード

<KNOCK OUT-REDライト級(※62.5キロ)選手権試合/3分3R>
[王者] ゴンナパー・ウィラサクレック(タイ)
[挑戦者] 久井大夢(日本)

<KNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級(※70.0キロ)選手権試合/3分3R>
[王者] 海人(日本)
[挑戦者] シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<KNOCK OUT-BLACKウェルター級(※67.5キロ)選手権試合/3分3R>
[王者] 中島玲(日本)
[挑戦者] ユリアン・ポズドニアコフ(ウクライナ)

<KNOCK OUT-BLACK女子アトム級(※46.0キロ)選手権試合/3分3R>
[王者] Kiho(日本)
[挑戦者] 山田真子(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITEDフェザー級(※57.5キロ)王座決定戦/3分3R>
カルロス・モタ(ブラジル)
有川直毅(日本)

<KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級(※60キロ)/3分3R>
ゲーオガンワーン・ソー.アムヌワイデッー(タイ)
軍司泰斗(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITED68キロ契約/3分3R>
松嶋こよみ(日本)
漁鬼(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITED60キロトーナメント決勝/3分3R>
TBA(――)
TBA(――)

<KNOCK OUT-BLACK59.0キロ契約/3分3R>
龍聖(日本)
玖村修平(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITED77キロ契約/3分3R>
スパイク・カーライル(米国)
宮原穣(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITED61.5キロ契約/3分3R>
大雅(日本)
プンルアン・バーンランバー(タイ)

<KNOCK OUT-REDバンタム級(※53.5キロ)/3分3R>
乙津陸(日本)
星拓海(タイ)

<KNOCK OUT-RED61.5キロ契約/3分3R>
重森陽太(日本)
ロム・イーサン・タイガーレオン(タイ)

<KNOCK OUT-BLACK48キロ契約/3分3R>
ぱんちゃん璃奈(日本)
サネーガーム・サックチャムニ(タイ)

<KNOCK OUT-UNLIMITED63キロ契約/3分3R>
中村悠磨(日本)
ふくやーまん(日本)

<KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級(※55キロ)/3分3R>
前田大尊(日本)
川野龍輝(日本)

<KNOCK OUT-REDフェザー級(※57.5キロ)/3分3R>
“狂拳”迅(日本)
皆川裕哉(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITED60キロトーナメント準決勝/3分3R>
平川蓮斗(日本)
タン・フォン(中国)

<KNOCK OUT-UNLIMITED60キロトーナメント準決勝/3分3R>
町田光(日本)
新田宗一朗(日本)

<KNOCK OUT-UNLIMITED60キロトーナメント・リザーブ戦/3分3R>
宇山京介(日本)
オルベン・キンジ(日本)

<KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級(※60キロ)/3分3R>
荒井幸太郎(日本)
滝澤直樹(日本)

<KNOCK OUT-BLACKライト級(※62.5キロ)/3分3R>
隼大(日本)
栗野耕作(日本)

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