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【KSW43】世界遺産で一撃必倒の左を持つ王者ソルディッチが、南アの二冠王デュプレシーの挑戦受ける

KSW43【写真】長身、鋭いニーもある挑戦者ドリキュス・デュプレシー(左)と、強烈な左の持ち主=王者ロベルト・ソルディッチ (C)KSW

14日(土・現地時間)、ポーランドはワルシャワの世界遺産=ハラ・ストゥレチャで開催されるKSW43 「Soldic vs du Plessis」。メインはイベント名にあるようにロベルト・ソルディッチの持つKSWウェルター級王座にドリキュス・デュプレシーが挑戦するタイトル戦が組まれている。


昨年12月にボリス・マンコフスキーを破り、同王座に就いたソルディッチの初防衛戦の相手はKSW初出場となる南アフリカのEFCウェルター級&ミドル級王者デュプレシーだ。元々デュプレシーは12月にマンコフスキーの王座に挑戦予定だったが、負傷欠場となり代替出場したソルディッチが王座に就いたという背景がある。しかも、チャンピオンとなったソルディッチは、ケージサイドで試合を観戦していたデュプレシーに詰め寄り、乱闘寸前という事態を引き起こしていた。

王者ソルディッチはキャリア13勝2敗の23歳、ユーゴスラビア紛争中にボスニアヘルツェゴビナで生まれたクロアチア人だ。内戦終了後に柔道を始め、MMAに転じると2014年のデビューから僅か3年でセルビア、スイス、クロアチア、ドイツのローカルプロモーションでウェルター級王者となり、KSW王者に昇りつめた。

2015年からはドイツのナンバーワンMMAジムの誉れ高いUFD GYMデュセルドルフに所属するようになり、18カ月も住み込みで練習をしてきた。サウスポーのソルディッチはその成果でもあり──持って生まれた才能ともいえる、強烈な左フックや左ストレートを主武器としている。そして一連の攻撃で倒れた相手には、えげつないほどの勢いでヒジを振り下ろすのが彼の勝利のパターンだ。

そんなソルディッチの特徴は、重心を落としたワイドスタンスながら、上半身を巧みに動かして、相手のパンチを見切ったうえで足を止めての打ち合いに応じるというものだ。重心が低いゆえに、思い切りパンチを振るいながらもテイクダウンを切ることに長けている。そんなソルディッチに挑戦するデュプレシーは、公称185センチという数字が低く見積もっているようにも感じられるほど背が高く見える選手。上背だけでなく乱闘寸前になった時は負傷中ということもあり、とてもソルディッチと同じ階級とは思えないほどの体の厚味が感じられた。

それだけ体重を落としているのだろう──試合時のデュプレシーは細身で193センチを誇る腕の長さが際立っている。長いリーチを武器にスピードのある伸びるパンチ、突き上げるようなヒザ、スクランブルでもハイエルボーギロチンという極め技をデュプレシーは持っている。

気になるのは11勝1敗という戦績を持つデュプレシーだが、今回のタイトルマッチが初めて母国を離れてのファイトとなる点だ。初海外がKSWというビッグプロモーションのタイトル戦、その辺りがデュプレシーの精神面に何か影響を与えることがあるのか。

スタイルマッチアップ的にはリーチのあるデュプレシーに対し、ロボコップの異名を取るソルディッチがいつものように足を止めての打ち合いも辞さないという戦いを繰り広げるのであれば、前述したように上半身の動きでパンチを見切ることができるのかが勝負の鍵を握ってくる。

またソルディッチが最も注意しないといけないのは、打撃戦のなかでのデュプレシーのヒザ蹴りだ。打点が高いだけでなく、ソルディッチの重心の低いスタンスと相まってデュプレシーのヒザ蹴りは一発で試合を終わらせる威力を持っている。同様にデュプレシーの遠い距離でのジャブの間隙をついて、鋭い踏み込みからソルディッチが左ストレートを当てることができれば、この一撃も即KOにつながる力を秘めている。

メインでクロアチア人と南アフリカ人のタイトル戦を持ってくることができるKSW、イベントとしての勢いにも注目だ。

■ KSW43対戦カード

<KSWウェルター級選手権試合級/5分5R>
[王者] ロベルト・ソルディッチ(クロアチア)
[挑戦者] ドリキュス・デュプレシー(南アフリカ)

<ミドル級/5分3R>
ダミアン・ヤニコフスキ(ポーランド)
ヤニック・バハティ(英国)

<KSWヘビー級王座決定戦/5分5R>
ミハウ・アンドレシャク(ポーランド)
フィル・デフリーズ(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ミハウ・ミハウスキ(ポーランド)
ダービッド・ザワダ(ドイツ)

<フェザー級/5分3R>
アルトゥル・ソウィンスキ(ポーランド)
サラディーヌ・パルナス(フランス)

<ライト級/5分3R>
ウーカス・レウツキ(ポーランド)
ノーマン・パーク(ポーランド)

<バンタム級/5分3R>
カミル・セルバ(ポーランド)
アントゥン・ラチッチ(クロアチア)

<ライト級/5分3R>
マチェイ・カジェスコ(ポーランド)
マチェイ・カリチンスキ(ポーランド)

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