【ONE68】二階級王者ウェンの挑戦を受けるビビアーノ「僕の拳が当たった時、考えを改めるだろう」
【写真】これだけ対戦相手のことをよく言わないというのは、ビビアーノのインタビューでは非常に珍しいことだ (C)ONE
本日24日(土・現地時間)、タイ・バンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE68「Iron Will」。そのメインでONE世界バンタム級王座7度目の防衛戦に臨むビビアーノ・フェルナンデス。
挑戦者はONE世界フェザー&ライト級王者マーチン・ウェンだ。世界同時3階級制覇を狙うウェン、ONEもその背中を押しているように感じられる今回のチャレンジ。そんな空気を察しているのか、国際電話インタビューに応じてくれたビビアーノはウェンに対して、かなり辛辣な言葉を続けた。
──いよいよマーチン・ウェンとの試合が迫ってきました。
「心身共に素晴らしい状態だよ。ベストのビビアーノ・フェルナンデスの試合を見せることができる。この試合のためにしっかりと練習してきた。必ず、マーチンを倒すよ」
──マーチンは3階級同時制覇という偉業を達成しようとしていますが、ビビアーノの使命はそれを許さないことです。
「彼は僕を倒しに来る。ただし、3階級制覇はならない。マーチンが僕より優っているのはパワーだけだ。なぜなら、僕より大きいからね。申し訳ないけど、僕はマラット・ガフロフやエドゥアルド・フォラヤンと違うから、彼にKOされることはない。
MMAを24試合戦ってきて、誰も僕からノックダウンを奪ったことはない。いくらマーチンが、これまで数々のKO勝ちをしてきたとしても、それはこの試合には当てはまらない。まさか、簡単な試合になるなんて思っていないだろうけど、地獄を見ることになるだろうね」
──キャリア11戦で2階級制覇、マーチンに対しどのような印象を持っていますか。
「それを可能にしたのが、パワー溢れる右のパンチだ。大切なところで右が当たっている。ただ、そのパンチが僕に当たるのかなってことだよ」
──パワーのあるパンチも当たらなければ空砲です。ただし、あれだけ当てることができるのは距離の取り方、タイミングの掴み方に優れているからではないでしょうか。
「その通りだ。自分の空間に相手を誘いこみ、右のパンチで倒す。でも、彼がそこまで偉大なチャンピオンだとは僕は到底思えないんだ。なぜか、僕だって距離間を掴んで戦っているし、パワーだってある。まぁ、試合で明らかになるよ。マーチンが僕を殴ることができる距離は、僕も彼を殴ることができる距離なんだ」
──一つ明らかなことはマーチンは、これまでビビアーノのようなMMAを戦うことができる柔術の強豪と対戦経験はないということです。
「ありがとう。ただし、僕は柔術家としてケージで戦っているわけじゃない。打撃もレスリングも、柔術のように使いこなすことができる。どの局面でも戦える、コンプリートファイターだ。そうやってMMAで戦ってきた。柔術だけでも、打撃だけでも、レスリングだけでもない。全てを融合させて戦ってきた。だから、僕はチャンピオンなんだ。経験に戻づいた戦いをしてきた」
──マーチンにインタビューした時、彼は自身のアドバンテージは若さ、体力やスタミナだと言っていました。
「そんな戯言には同意できない。なぜか、彼は一度として本当の意味でのトップファイターと戦っていないからだ。そして、37歳の肉体を知らない。何より、僕は精神状態も若い頃と変わりない。何よりも、試合でノックダウンを一度も経験していない。
対して彼は4度もダウンを経験している。どちらの肉体がフレッシュだろうか? マーチンはケージに入った時の僕の圧力を知らない。そして、僕の拳が当たった時、彼は自分の考えを改めるだろう。
5Rの戦い方を教えてやるよ。よくそういう態度で、僕と戦う気になったものだ」
──かなり厳しい言葉が続きますが、マーチンがガフロフやフォラヤンをKOした勢いをどのように解析していますか。
「ガフロフは強いけど、スピードとスタミナがない。エドゥアルドは大きいけど、KO負けが多くてアゴが弱い。そういうことだよ。僕はダメージも蓄積していないし、スピードもある。そしてパンチ力だって、マーチンが思っているより強い。このパンチで試合を終わらせることができる。そして、僕には柔術があるんだ」
──それだけビビアーノも自信があるということですね。ところでONEで戦うようになって5年が過ぎ、フィリピン、シンガポール、ミャンマー、中国、マカオで戦い、今回はタイです。アジア、特に東南アジアのMMAファイターの成長をどのように感じていますか。
「ONEは本当に良い仕事をしているよね。UFCが停滞気味なのをよそにONEは東南アジアにMMAを広め、成長し続けている。当然、選手だって同じように成長しているよ。あくまでもファイターである僕が見て感じていることだけどね。
今回、タイに初めてやって来たけどホームのようで、居心地が良い。ムエタイの国の人々はMMAの理解も進んでいるようだ。ストリートを歩いてもサインや写真撮影を求められる。それにこれは僕の仕事、大会の開催地が変わっても、僕自身は何も影響ない。それがプロフェッショナルってもんだろう?」
──もうアジアがホームのようですね。
「気候も時差も関係ないよ。どの土地でもトップパフォーマンスを見せるだけ。ただし、僕が本当に恋しいのは日本だ。今の僕があるのはHERO’SとDREAMで戦い、日本のファンが育ててくれたからだ。ヒロユキ・タカヤやKIDヤマモトと戦い、皆が背中を押してくれた。だから今、僕はここでチャンピオンとして戦うことができている。
MMAを引退したら、必ず日本を訪れ友人たちと時間を共にしたいと思っている。それに日本の柔術トーナメントに出てみるのも良いだろう。いつだって日本のファンのことを愛しているよ」
■ONE68対戦カード
<ONE世界バンタム級 (※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[挑戦者]マーチン・ウェン(豪州)
<ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)
<ライト級(※77.1キロ)/3分5R>
シャノン・ウィラチャイ(タイ)
ラフール・ラジュ(インド)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)
山田哲也(日本)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ワカー・ウマー(パキスタン)
チャオ・チーカン(中国)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
リカルド・コーミナル(フィリピン)
<ストロー級(※56・7キロ)/5分3R>
クリッサダ・コンスリチャイ(タイ)
ロビン・カタラン(フィリピン)
<ライトヘビー級(※120.2キロ)/5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
アリウンボルド・トロチェル(モンゴル)
<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
ジェイク・バトラー(米国)
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)
<バンタム級(※65.81キロ)/5分3R>
ヒシャム・サムス(マレーシア)
ツー・ノット(インドネシア)