【ONE63】ベルトを失った内藤のび太─02─「しっかりと準備をして負ければ諦めがつく」
【写真】のび太キャラはONEでも定着。ドラえもん人気の高いバンコクでは、入場時も大きな声援に迎えられた(C)MMAPLANET
9日にタイのバンコクで開催されたONE63でアレックス・シウバに判定負けを喫し、ONE世界ストロー級王座を失った内藤のび太インタビュー後編。
どこに真意があるのか──その言葉から読み取ることは非常に難しいのび太だが、もう一度アレックス・シウバと戦いたいという意志は絶対のようだ。
<内藤のび太インタビューPart.01はコチラから>
──ONEストロー級には欧米人の相手がいないなかで、前王者でタイ人のデェダムロンや、フィリピン人チャレンジャーのパシオと違い、シウバはテイクダウンディフェンスも強かったです。今後ストロー級が世界に広まるのであればフライ級から落としてくる米国人も出て来るでしょうし、今後に向けて試金石になる試合でもあったかと思われます。
「そうですね。何とかなっていた部分が、シウバを相手にはならなかった。シウバにしても柔術の選手で打撃は完璧じゃない。そこでやられていまってショックですけど、フルスイングで5Rを戦い抜く相手と戦ったことはなかったので、良い経験になりました。スタミナも切れるかと思ったのですが、最後のところでもっていましたし」
──あの体つきで、あそこまで力いっぱい打撃を使ってくるともっとバテるのではないかと思っていました。
「ハイ。僕もです。スタミナは落ちてはきていたのに、要所で強いパンチを振ってきたし、組みの防御も堅かったのできつかったです。でも、なんていうのかな……当たるな、とは思いました。僕のパンチも当たっていたので」
──当たるという部分では、確かにのび太選手のパンチも当たっていました。ただし、ダメージ云々ではなくインパクトとしてアレックス・シウバの打撃の方が強く見えました。
「ハイ。戦っている時は今言ったように『当たるな』って思っていたんです。でも、あとで映像を確認したら僕は当たっていないパンチでも吹っ飛んでいるように見えました。逆に僕のパンチが当たっていても、アレックス・シウバは下がらない。
そこはもう後から見て、違いは明白でした。その差は明らかで、印象は僕の方が全然悪かったです」
──見た目ではアレックス・シウバが強く見えた?
「その通りですね。本当にそうです」
──試合直後から再戦という声が聞かれましたが、さらに成長が必要な部分はどこだと感じましたか。
「再戦に関してはマッチメイカーのマット・ヒュームさんやビクター・クイ代表がそんな風に言ってくれていたのですが……。成長が必要な部分……当たり前なのですが、全部足りないと思っています。打撃も足りないですし、レスリングも足りない。寝技もバテている相手を制し切ることができなかった。結局、全部足りないんです。
でも、良かったです。こういう試合ができたということは良かったです。自分もわりと先端の方にいられていることは嬉しいです。へへへへ。この後、どんな人が出てくるのか分からないですけど、そのチョットした流れの一つになれたと思います」
──もちろん契約のこともありますが、今後もONEで戦っていくという気持ちに変化はないですか。
「ハイ、そのつもりでいます」
──ただ今回のように1年2カ月も試合間隔が空くのは選手として辛いと思います。今後、これだけ空いてしまうようであれば日本でも戦うようなことを交渉事項にいれていきたいなどありますか。
「それは……少し前まで思っていましたけど、今はそういう気持ちはないです。ただ、一つだけ……僕が言ったわけじゃないのですが、こっちから仕掛けたことなので砂辺光久選手に関しては責任があるかと思います。
あの件に関しては、申し訳ない気持ちです。こっちから仕掛けておいて……戦わないのはおかしいです。そういう気持ちはあります」
──ただ今はONEでベルトの奪回が最優先事項だと?
「ベルトもそうなのですが……アレックス・シウバとはしっかりと準備をして戦ってみたいです」
──今回が1カ月前に急遽決まった試合だったので!!
「まぁ、それを言うと言い訳になってしまうのですが、言い訳でなくて……今回は本当に負けなので。今回、アレックス・シウバと戦ってみて、次はしっかりと準備をして負ければ諦めがつくかと……」
──えぇ、諦めの話なのですかッ。
「あっ、いえ負けたらの話で」
──では戦意は消えていない?
「そうですね、もう1回だけはやるかもしれないです」
──『かも』だと一一段階、落ちてしまっているではないですか(笑)。
「いやいや、もう1回はやります」
──タイでは入場もサビの部分で『ドラえ~もん』の大合唱、試合中も『のび太ぁ』という声援が本当に多く聞かれましたし、お願いします。
「いやぁ、あの応援は嬉しかったです。入場に関しては……触れないようにさせください(苦笑)」