【TUF9】ディエゴが僅差で勝利、メインは超絶ベストバウト
■第10試合 ライト級/5分3R
ディエゴ・サンチェス(米国)
Def.3R終了/判定
クレイ・グイダ(米国)
【写真】ライト級転向後、スティーブンソン、グイダを相手に2連勝を挙げた“ナイトメア”サンチェス (C) ZUFFA
ものすごい勢いでにらみ合う両者。ディエゴのその表情は、入れ込みすぎと感じられるほど。そのディエゴに対して、「マイ・ハウス」と叫ぶグイダ。試合は、いきなりノーガードの打ち合いで幕を開けた。打ち勝ったのはディエゴ、アッパーの連打で動きが止まったグイダが、テイクダウンを狙ってきたところにヒザを突き上げる。
一度距離を取ったディエゴが、再びフライングニーからアッパーを連打する。テイクダウンに成功したグイダだが、ディエゴはハイガードから、腰を切って仕掛けを見せる。右パウンド、左エルボーを落とすグイダの攻撃に鼻血を滲ませるディエゴは、なかなか立ち上がることができなかったが、アームロックからラバーを見せ、嫌がったグイダが距離をとるとすかさず立ち上がることに成功した。
ここでマウスピースをはめるように指導を受けたグイダは、再開直後、ディエゴの左ハイキックで後方にもんどり打ってダウンを喫する。必死に立ち上がったグイダに、ディエゴはアッパーをボディ&顔面にヒットさせる。勝負をあきらめないグイダがシングルレッグを仕掛けるが、ディエゴはかまわず胸を合わせ、アッパーを放っていく。
逆にシングルレッグからクォーター、そしてテイクダウンを奪ったディエゴが、ハーフからエルボーを落としてくと、両者が立ち上がったところで1Rが終了した。
2R、左ハイを再び見せたディエゴが、左右のフックを見せながら前進する。シングルレッグを仕掛けたグイダは、ディエゴのギロチンを切り抜けトップを奪う。ガードからエルボーを連打するディエゴは、ハイガードでグイダのバランスを崩そうとすると、グイダのパウンド&エルボーを可能な限りディフェンスし、アームロックへ。腕を振り払ったグイダはトップをキープするが動きは少ない。
ケージにディエゴを押し込むグイダは、その顔面にヒジを落とす。グイダの左腕をキャッチし、右手でガードからエルボーを連打するディエゴ。そのままラバーガードを仕掛ける。右目の下をカットしたディエゴに対し、強烈な勢いでグイダがパウンドを見せるが、ディエゴは腕十字で対抗する。
トップキープでポイントが挽回したグイダ。白熱の好勝負は最終ラウンドへ。両者、試合開始前と同じ厳しい表情だが、ここでは無暗に距離を詰めない。と、一気にディエゴが距離を詰めるが、グイダがパンチを打ち返す。バランスを崩したディエゴは、直後にハイキックを見せる。
前に出るグイダに、左で迎え撃つディエゴはテイクダウン狙いを切る。ディエゴの左にグイダも右を合わせ、1Rのように後退することはない。残り時間2分、グイダのテイクダウン狙いを切ってバックへ回るディエゴは、チョークを見せたがグイダが胸を合わせてトップを奪う。
エルボーを落とすグイダは、ディエゴのアームロックにクラッチを切るところまでいったが、ディエゴはそのまま十字へ。腕を引き抜いたグイダがパウンドを落とし、スタンドでバックを取ろうとしたところで試合終了となった。
1Rは明確にディエゴ、2Rはグィダ、3Rは微妙だがトップキープがガードからの仕掛けや、チョークの失敗により評価されるUFCだけにグイダがやや有利か。また、ディエゴの1Rが10-8と付くようならドローもあり得るが、10-8というポイントは、UFCではほぼ見られないにも事実だ。
果たして注目の裁定結果は――。
29-28でグイダ。残りの二人が29-27、29-28でディエゴを支持。この判定勝ちに、「彼はマシーン、アニマルだ」とディエゴは試合を振り返ったが、我慢が必要な試合で気持ちが折れることがなかった評価すべき勝利といえるだろう。
一方、「ディエゴはタフだった。凄い接近だった。テイクダウンして、カットした。気持ちはいいよ」というグイダ。残念ながら“敗戦時にベストバウトを見せる”という過去に倣うファイトとなった。