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【UFC310】1年振りのファイト、クレイ・グイダ「まだここでやれるということを世界中の皆に見てもらう」

【写真】 喋りもハイペース、10分のインタビューで文字量は20分に匹敵するグイダ(笑)(C)MMAPLANET

7日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイルアリーナで開催されるUFC 310「Pantoja vs Asakura」にクレイ・グイダが1年振りにファイトを戦う。
Text Manabu Takashima

42歳、MMA戦績は38勝24敗。オクタゴンでは18勝18敗とイーブンの戦績でこのところは2連敗だ。ところが驚いたことにグイダの戦意、勢いは全く衰えることを知れない。41歳で拳を折り、練習再開まで半年を要した。それでいて、引退を考えることは全くなかったというグイダの元気の源は、チーム・アルファメールの若い選手たちとのトレーニングにある。

チーム全体が底上げされることで、今も強くなり続けている豪語するグイダ。2年前にグラップリング・マッチで敗れているチェイス・フーパーとの戦いで、パンチが許された組みの展開がグラップリング戦とは別モノであること──そして今も上を目指す力を持ち続けていることを世に証明するためにオクタゴンに上がる。


ケガは、人生の一部

──クレイ、練習は終わりましたか。

「終わったよ。すまない、トレーニングでインタビューの時間をずらしてしまって」

──当然のことです。

「ありがとう。こうやって汗をかくと、気持ちも盛り上がって来る。いつだって、ベガスで戦うのは最高さ」

──去年の12月にジョアキン・シウバ戦で敗れて以来、1年間のブランクがありました。これだけ試合をしていないと、本当にクレイは引退してしまうのではないかとファンも心配していました。

「ノー、引退の噂なんて嘘っぱちだよ。あの試合の1Rに右の拳を骨折して、結構酷い状態だったんだ。手術をして、半年間は回復に努めていた。手術の影響でフルでトレーニングをするまで、時間が掛った。でも、もう今は大丈夫だ。レッツ・ロックンロール!! こうやって戻って来ることができた。なんといっても、ヘルシーでいることが一番だ」

──42歳を迎え、それだけ練習ができない期間があると、それこそリタイアを考えることはなかったですか。

「ノー。そんなことは心配しないでくれ。俺にとってケガは、人生の一部だ。常にケガと付き合って来たキャリアだ。もっと最悪なケガも経験しているし、もう過ぎたことだよ。それで20年間もプロフェッショナル・ミックスマーシャルアーチストを続けて来られたんだ。悪いことじゃないだろう」

──どうしても昨年4月のラファ・ガルシア戦で、グローブを外して引退を匂わせたトリックが頭に残ってしまって。あれはダナ・ホワイトもオカンムリでしたし(苦笑)。

「ハハハハハ。契約期間中だったし、ダナもカットすることなんてないよ。引退なんて全く考えない。気持ちの強さもキープしているし、大志を抱いて毎日トレーニングに向かうことができている。チーム・アルファメールでレスリング時代に戻ったようにトレーニングしている。凄くハングリーだ。土曜日の夜は、まだここでやれるということを世界中の皆に見てもらう」

──逆にこの1年間で、MMAファイターとして成長できる要素を見つけることができたということは?

「あったよ。賢くなった。MMAを戦ううえで賢くなり、技術力も上がった。トレーニングキャンプの1日、1日と強くなり成長できた。チームの皆の技術があがり、動くが良くなる。その事実が俺をプッシュしてくれるんだ。若いヤツらは、瞬く間に強くなっている。ただタフに。ただ強く。ただ速くなりたくて懸命に汗を流している。

そんな連中と練習を続けているから、肉体ではなく判断力や反応という部分でも全く衰えを感じることはない。シャープだし、スタミナに関しては今もキングだ。それは誰もが知っていること。日々のトレーニングの成果を土曜日には見せる。ワイルドで、タフで、ナスティに」

──クレイがデビューをした21年前は、40歳を過ぎてここまでMMAを戦える選手がいるとは想像もできなかったです。

「確かに、その通りだ(笑)」

──フィジカルやコンディショニング、ダイエット等あらゆる部分で進化したこともあると思います。20年前に40代でバリバリに戦っていたのは鉄人と呼ばれたランディ・クートゥアーだけでした。実は昨夜、元修斗世界フェザー級王者で55歳で最後のMMAを戦った大石真丈選手のインタビューをしました。彼はフィジカル的には戦える。でも、目の問題でMMAを続けられくなったと。

「その55歳まで戦っていたという修斗のチャンピオンだった選手の話は、凄いね。本当に素晴らしいよ。そしてランディ・クートゥアーは俺のヒーローだ。ファイターの鏡だよ。最高のMMAファイターだ。40代になって戦い続けていただけでなく、成功を収めていた。あの頃に40代で活躍できたってのはすさまじいこと。俺らの世代はやはり医学やトレーニングの進歩に助けられている部分があるからね。俺もライト級のランディ・クートゥアーを目指している。実績でランディに肩を並べられるなんて思っていないけど、ずっとトップレベルで戦い続けたい」

よりテクニカルに、よりハイペースで、よりアグレッシブに

──ところでチェイス・フーパーとは2年前にFury Pro Grapplingで対戦して、カーフスライサーで敗れています。

(C)Zuffa/UFC

「そうグラップリングマッチでね」

──カーフスライサーの前にバック、トラックポジションを譲ったことは少し気になっています。

「だから、グラップリングマッチだよ。彼は柔術家で、素晴らしいグラウンド・ファイターだ。でも素手で組みあうのではなく、グローブをつけて殴ることができると何もかも変わって来る。ぶっ倒すためのポジショニング、ぶん殴るためのスクランブルがMMAだ。しっかりとパウンドを落とす」

──グラップリングとMMAでは、考え方も違いが出てきますか。

「グラップリングでもMMAでも、いつもドミネイトしたいと思って戦っている。よりテクニカルに、よりハイペースで、よりアグレッシブに。それが戦ううえでの気構えだ。パンチをミックスしたハイペースのグラップリング、レスリングと同じような勢いで戦う。ヤツはついてこれないよ」

──土曜日の試合、クレイ・グイダのMMAを期待しています。

「年齢はただの数字に過ぎない。何もその数字で変わることはない。俺はUFCで戦い続ける。そして今もUFCのトップを目指していることをファイトで証明する」

──その言葉を日本のファンに伝えることができて光栄です。では日本のファンに一言お願いします。

「2006年に修斗で戦って以来、ずっと日本のファンに応援してもらっている。また日本を訪れたい。さいたまスーパーアリーナで試合をして、その後はしっかりと日本を観光で回りたい。アリガトー!!」

■視聴方法(予定)
12月8日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前12時~PPV
午前7時 30分~U-NEXT


■UFC310対戦カード

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
[挑戦者] 朝倉海(日本)

<ウェルター級/5分5R>
シャクハト・ラクモノフ(カザフスタン)
イアン・ギャリー(アイルランド)

<ヘビー級/5分3R>
シリル・ガンヌ(フランス)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
クロン・グレイシー(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ネイト・ランドヴェール(米国)
チェ・ドゥホ(韓国)

<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・スミス(米国)
ドミニク・レイエス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
テンバ・ゴリンボ(ジンバブエ)

<フェザー級/5分3R>
モフサル・エフロエフ(ロシア)
アルジャメイン・ステーリング(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ランディ・ブラウン(ジャマイカ)
ブライアン・バトル(米国)

<195ポンド契約/5分3R>
クリス・ワイドマン(米国)
エリク・アンダース(米国)

<フライ級/5分3R>
コディ・ダーデン(米国)
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)

<ウェルター級/5分3R>
マイケル・キエーサ(米国)
マックス・グリフィン(米国)

<ライト級/5分3R>
クレイ・グイダ(米国)
チェイス・フーパー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)
ウーカシュ・プジェスキ(ポーランド)

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