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【Pancrase290】ゴメスと対戦する三浦彩佳─02─「TTMに所属する限り計量失敗は許されない」

Miura Ayaka【写真】答え難い質問にも答えてくれた三浦(C)MMAPLANET

8日(日)東京都台東区のディファ有明で開催されるPancrase290でヴィヴィアニ・ゴメスと対戦する三浦彩佳インタビュー第2弾。

ameba TVが制作する格闘家の1日を追うドキュメンタリー番組=ONE DAYが密着。MMAPLANETでは彼女がMMAに関して話した部分に特化して活字にしてお届けしたい。

プロデビューから2戦を終えた彼女を襲った未知の病。そして、復帰からパンクラス出場、7月の計量失敗について三浦が話したこととは。

<三浦彩佳インタビューPart.01はコチラから>


──メニエール病はUFCのダナ・ホワイト社長もなった病で、ストレスが原因と言われていますよね。

「もう、焦りしかなかったです。長い時は半日ぐらい眩暈、吐き気、耳鳴りがして。練習しないといけないって余計に焦ってしまって。短い時は一瞬なんですよ。でも、自分にしか分からないことだし、精神的に追い込んでしまって。

長南さんからは一切練習は止めろと言われていたのですが、焦っているから内緒でトレーニングしたりして……。それも長南さんに分かってしまってからは、本当に休み薬を飲むようにしたら回復に向かいました。で、少しずつ体を動かせるようになったんです」

──その時、またなるかもという不安はついて回りますよね。

「そうですね。なくはなかったです。でも、大丈夫だっていう気持ちでいました。今は全く出ていないです」

──その2年間で諦めようと思ったことは?

「う~ん、正直心が折れそうでした。でも『これからだ』って頑張ろうという気持ちでいました」

──昨年9月のTTF Challengeで復帰戦を戦いました。

「凄く嬉しかったです。セコンドに就いてくれたのが、メニエール病になる前に戦った藤野さんだったんです。練習も一緒にしてくれて、色々とアドバイスをくれて」

──2戦目で藤野選手と戦うのが、どうかしていると思います(苦笑)。

「本当にあの時は殺されるんじゃないかって思っていました(笑)。でも、あの試合があったから今は怖くない。試合でも変に緊張しないんです。藤野さんと戦った時なんて、心臓がバクバクしていて。あの試合以降、吹っ切れていつも通りやろうって緊張しなくなりました。あの試合は本当に良い経験になっています」

──その後、DEEP JEWELSで1勝を挙げて今年の3月からパンクラスで戦うようになりマグダレナ・ソルモバとの国際戦でした。

「私の場合はデビュー戦から中国系の英国人で、復帰戦も韓国人と外国人選手と戦う機会が多かったです。ただ、ケージが初めてでしたね。ケージの方が広いので、寝技に行くために距離を詰めることができるのかなっていう不安はあったのですが、TTMでの練習と変わりなかったです」

──首投げ+袈裟を続けての判定勝ちでした。

「映像でチェックをするとソルモバ選手は打撃が強かったので、掴みたいっていう一心でした。組んで投げて、極めるまでが作戦としてやりたかったことです。それが極めることができず、15分中13分ぐらい抑えこむことになって。凄く、ショッパイ試合にしちゃいました」

──袈裟で抑えると、ストレートアームバー系の腕関節と選択肢が少なくなります。

「そうなんですよねぇ……。投げることができたので(苦笑)。あの投げは昔から得意で、柔道の時もあの投げからグチャッと抑え込んで一本というのが私の勝ち方でした」

──言い換えればその勝ち方が、打撃有りのMMAでもできたということですね。

「あそこで極めるパターンがあったのですが……」

──会場では首投げが決まると、落胆の声が挙がっていました。

「それは分かっていました。シーンとなっていて。これじゃつまらないから最後の30秒で立ち上がると、長南さんが『跳べ』って叫んでいて。後から見たら、ほとんど跳べていませんでした(苦笑)。チョコンって感じで(笑)」

──まず勝利が第一です。良い試合をしないといけない、勝つために進歩しないといけない。あの試合を経験して、どちらを考えるようになりましたか。

「戦っている時は余りにもショッパかったので、面白い試合をしたいと思ったのですが、基本的には勝つ試合を目指しています。器用ではないので、とことん寝技に持ち込んで泥臭くても勝ちたいです」

01──5月のタニアニー・ソウザ戦はやはり体重を落とせなかったことが、常について回ると思いますが、三浦選手は計量でビキニが話題になっています。女子MMAは女子であることを武器にすべきでしょうが、ああいう風に煽られることに関してはどのように捉えていますか。

「私はもともと計量はビキニだったんです。急にそういう持ち上げ方をされて……、でも注目してもらえるなら。そこをきっかけにして試合を見てもらって、私を認識してもらえるのであれば全然構いません。試合を見てくれるなら嬉しいです」

──なるほど、MMAPLANETもその路線でいくようにします(笑)。あの勝ってもノーコンテストになる試合では、どのような気持ちでケージに入っていたのですか。

「本当に対戦相手のソウザ選手には申し訳ない気持ちでした。ただ、そういう気持ちで戦って練習でやってきたことも出さずに終わるのもソウザ選手に失礼なので、早く極めようという気持ちでした」

02──そして大内から袈裟、アームロックで勝ちました。明確な進歩が見られたフィニッシュでした。

「あれは得意パターンで、試合で出せたことは本当は自信につながるはずだったのですが……。計量で失敗したことは、ジムの人達にも本当に申し訳なくて……。日本でも最も計量に厳しい長南さんに指導してもらっていて、その顔に泥を塗ってしまったので」

03──計量失敗は絶対的に情状酌量の余地がないミスです。ただし、私は女子選手に限っていうと、男子とは違い生理があるので。その辺りのことが分かりかねるので、男とは違うという見解でいます。あの時の三浦選手の計量失敗の原因がどこにあったかは別問題ですが、少なからず生理痛で起きることもできなくなる女性を人生で見てきたことがあるので。

「いえ、プロとしてTTMに所属する限り計量失敗は絶対に許されないです。私の場合は生理をずらすことはないですが、来るなら体重を落とすのに、あの時の落とし方があります」

<この項、続く>

■Pancrase290対戦カード

<フェザー/5分3R>
日沖発(日本)
髙谷裕之(日本)

<フェザー級/5分3R>
田中半蔵(日本)
中原由真(日本)

<フライ級/5分3R>
若松祐弥(日本)
翔兵(日本)

<ライト級/5分3R>
アキラ(日本)
郷野聡寛(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
三浦彩佳(日本)
ヴィヴィアニ・ゴメス(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
山本篤(日本)
小川徹(日本)

<ウェルター級/5分3R>
手塚裕之(日本)
セルゲイ・キクリック(ウクライナ)

<ウェルター級/5分3R>
北方大地(日本)
ダニエル・バックマン(ブラジル)

<バンタム級/3分3R>
清水俊一(日本)
合島大樹(日本)

<ライト級/3分3R>
クリスMAN(日本)
井上雄策(日本)

<フェザー級/3分3R>
牛久絢太郎(日本)
稲葉聡(日本)

<ライト級/3分3R>
草・MAX(日本)
小林裕(日本)

<フライ級/3分3R>
廣中克至(日本)
渋谷和樹(日本)

<フライ級/3分3R>
三澤陽平(日本)
杉山廣平(日本)

<フライ級/3分3R>
鈴木千裕(日本)
鮎田直人(日本)

<バンタム級/3分3R>
坂野周平(日本)
萩原一貴(日本)

<フェザー級/3分3R>
齋藤拓矢(日本)
小島勝志(日本)

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