【UFN117】暫定世界ミドル級王者ロバート・ウィティカー─01─「GSPがビスピンに勝つのは困難だ」
【写真】家族連れで来日し、上野動物園なども楽しんだという暫定世界ミドル級世界王者ロバート・ウィティカー(C)MMAPLANET
23日(土)に行われたUFC Fight Night 117「Saint Preux vs Okami」のメディアデーにはアリスター・オーフレイム、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラと並んで、現UFC暫定世界ミドル級王者ロバート・ウィティカーが出席してきた。
7月にヨエル・ロメロを倒し、群雄割拠のミドル級で頂点に並び立つまでになったウィティカーは11月のNY大会で組まれたUFC世界ミドル級選手権試合=王者マイケル・ビスピン×挑戦者ジョルジュ・サンピエール戦をどのように捉えているのか──を尋ねた。(※要約)
──改めて暫定王者となったヨエル・ロメロ戦を振り返ってもらえますか。
「個人的に僕は自分に厳しいタイプだから、もっと良い戦いができたと思っている。初回にテイクダウンをされて起き上がるときに、まずい方向に立ち上がろうとしてヒザをケガしてしまった。だから、ゲームプラン通りではなかったけど、勝利することができた結果には満足しているよ」
──この勝利で、暫定世界王者になりました。
「UFCで王者になることが目標だった。まだ暫定王者だよ。常に誰とでも戦うつもりではいるけど、マイケル・ビスピンとGSPの試合がどうなるのか。最後は僕がベルトを巻くことになるだろう」
──ベルトを巻いた後、正規王者のマイケル・ビスピンがケージの中で挑発してきました。何を言ってきたのでしょうか。
「いやぁ、彼は喋り過ぎるから何を言ったかは覚えていないよ(笑)。でも、それがアイツのやり方だし。無理やり自分にスポットライトが当たるようにするんだ」
──ビスピンとGSPの世界戦はどうなると思いますか。
「僕が思うには常識的に考えても、ずっと戦い続けてきて体格も大きなビスピンの方が有利だろう。GSPは試合をやってこなかったし、どう戦うのか。そこが見てみたい。でも、どっちが勝とうが僕が勝つことになる相手だからね」
──そもそもミドル級王座にGSPが挑戦できることをどう思いますか。
「GSPはワイルドカードを与えられるだけの結果を残してきたファイターだよ。これまでの功績で好きなようにできる。このスポーツで本当に凄い結果を残してきたのが、GSPだ。そんな彼が僕の階級で王座に挑戦することが嬉しいかといえば、決してそんなことはない。でも、まぁこれがビジネスだよ。
選手は金を稼ぐために戦っているんだし。僕も長い間待たされることになるから、それだけ嬉しくなるような額の見返りが欲しいね」
──どちらが勝つ方が良いビジネスになるでしょうか。
「難しい質問だ(笑)。本音をいえば、どっちでも構わない。どちらと戦おうが、ハードファイトになる。それだけPPVの数字も良いモノになるだろう。ビスピンと戦う準備をしていたけど、GSPが勝ち上がってきても歓迎だよ」
──ここ数年間のMMAの進化は劇的です。GSPだからといって、4年も実戦から離れていて、今の戦いについてくることができると思いますか。
「GSPがカムバックして、ビスピンと戦うのは本当にハードなことだと僕は思う。この間、ビスピンは実戦を積み重ねてきた。アップデートしているんだ。GSPが勝つことは難しいだろうね」
──世界戦でなくても、トップファイターと戦っても難しく感じます。
「絶対的にね。MMAの進化を考えるとビスピンだけでなく、トップ10ファイターに勝つのは困難だろうね。ミドル級のランキングにはどれだけ危険なファイターが揃っているか」
──ルーク・ロックホールドが、デヴィッド・ブランチに完勝しました。彼と戦うことは頭にありますか。
「ノー。そんなバカな試合はやらないよ(笑)。僕が持っているのは暫定王座だ。暫定王座のベルトは誰かと戦って防衛するためでなく、正規王者と戦うために巻いているんだ。暫定王座の防衛戦なんて、全く意味がない。ビスピンは金になるファイトがあって、なんで僕がそんな試合をしないといけないのか(笑)」
──ビスピンもGSPも次の試合後に引退する可能性があるとも言われています。
「ハハハハ。引退したいのであれば、すれば良いよ。やりやすくなる。僕は最も厳しい階級で戦っている。イージーファイトなんて全く存在しない。そこでステップアップしてきたし、今度もそうありたい。そうでなくても、戦うだけだから」
──ケガからの回復具合はどうですか。年内に試合に出ることは可能でしょうか。
「ダナ・ホワイトには年末に試合はできると伝えてあるよ。でも、ビスピンとGSPが11月に戦うから年内や1月、2月に彼らが僕と戦うことはないだろう。僕の方はOKだけどね」
──UFCがもっと待てばといえば、待てますか。
「もちろん。それが暫定王者だよ。タイトルに挑戦するためにこのベルトを巻いた。本来、誰とでも戦うつもりだけど、この状況では正規王者と戦うのを待つだけだよ」
<この項、続く>