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【TTF Challenge07】川那子祐輔と対戦、門脇英基─01─「このままで終わったら、本当に死ねない」

Hideki Kadowaki【写真】純真と狂気が共存する。そんな門脇だ (C)MMAPLANET

10月9日(月)に東京都練馬区ココネリ・ホールで開かれるTribe Tokyo Fight Challenge 07のメインで、川那子祐輔と対戦する門脇英基。

2000年にアマ修斗全日本大会でウェルター級(※70キロ)準優勝、決勝の相手は杉江アマゾン大輔だった。その年の11月にプロ修斗デビュー、大内敬に勝利する。

腹固め&RNC=カドワキ・スペシャルで一世を風靡し、MMAでは山本KID徳郁、アレッシャンドリ・フランサ・ノゲイラ、日沖発、佐藤ルミナ、ナム・ファン、横田一則、長倉立尚、田中半蔵、クレベル・コイケ──グラップリングで矢野卓見、所英男、今成正和、植松直哉、石川祐樹、佐々幸範ら時代を反映する相手と鎬を削り合ってきた。

41歳となり、一部で教祖と称される門脇の話をTTM URUSHI DOJOでのプロ練習後に訊いた。そこでは、目くるめく門脇ワールドが展開された。


──門脇選手とこうやって話をするのは、もう本当に久方振りです。元気でしたか。

「元気でやっていましたよ。練習だけですけど(笑)」

──あと2週間弱で川那子選手との試合がやってきます。現在の体調は?

「良いと思います。体調は良いです」

──かなり頬がこけていますね。

「これは……そういう顔です」

──以前より、痩せていませんか。

「ちょっと痩せましたね。食べる量が減ってしまうので」

──もう減量の影響が?

「いや年を食うと飯の量が減ってしまって。前と比べると食が細くなって、少し痩せましたね。運動量は変っていないのに食べる量が少なくなっているから」

──なるほど、そういうことですか。ところでTTFにはどのような印象を持っていましたか。

「DEEP、修斗、パンクラスが中心だったのが、GrandslamとかTTFとか選手をやっていた人間が、コツコツと大会を開いてくれるのは嬉しいですね。リングやケージの中に入ってしまえば同じですけど、選手目線というか選手の気持ちが分かる長南とかが大会を開いてくれるのは何となく嬉しいです。

もちろん、僕は修斗とDEEPに凄くお世話になったという気持ちしかなくて。そのうえで選手出身の人が大会を開き、僕のような戦績も良くない人間にオファーをくれて。こんな動けるかどうか分からん人間に長南が声をかけてくれたから、まだいけるんだっていうところを見せたいです」

──1年前にDEEPでオーロラ☆ユーキ戦に勝利、それ以前も2年ほどブランクがあった。こういうペースで試合に出ることに関して、どのように捉えているのですか。

「試合間隔が空くのはしょうがないです。自分にオファーが来ないのは仕方のないことだと思っています。当然です。自分で強くなっているという実感があれば、すぐに試合に出たいと思うのでしょうけど、何かガチっと掴めたわけでもないので僕的にはちょうど良いスパンだと思っています」

──今日はTTM URUSHI DOJOでプロ練習でしたが、現在の練習状況はどのような形なのでしょうか。

Kadowaki「今日はここのプロ練習で。火曜日は中村謙作さんやD-PLUSの人たちが光岡映二のグッドスキルでやっているので、そこに行ける時は行っています。あとはトイカツ道場ですね」

──現在の所属先はどこに?

「ここですよ(笑)。URUSHI DOJOです。今回の試合もウルシ(漆谷康宏)経由で長南からもらって。その時に所属先をウルシ道場にしました。いつまでも慧舟會の東京道場を所属先にしていてもも……もう東京道場もなくてマネージメントしてくれる人もいないので。タイミングといえば、タイミングです。

まぁ東京道場所属だって言っていても、試合もなかったから関係ないんですけど……(苦笑)」

──門脇選手は今、どのように生計を立てているのですか。

「こことトイカツ道場の指導、それと自営業でマット工事をやっています。工事の方はそれほど頻繁に仕事があるわけじゃないですが、指導とマット工事で食っています。それとたまにお掃除のバイトをして。

だから……20年前から変わっていないですよ(笑)。なんも変わっていない。ウルシなんかもっと指導しろって言ってくれるし、そうすればもう少しリッチな生活ができるかもしれないですけど、そうすると練習ができなくなるから」

──こういうと失礼ですが、ここからUFCファイターになって世界の頂点を目指すとか、そういうファイター人生ではないわけです。それでも指導より、練習を優先するというのは?

「あぁ、なるほど。そうですね、まぁ……こんだけやってきたからこそ、ですよ。トップの人たちと試合でも、練習でも良いのでやり合えるように。僕が20年やっている競技で、トップの人たちとやり合える。そういうことを味わいたいんですよ。

そういう域に達したいんです。20年やってきても、強さというモノが頭の中で有耶無耶で。コンディション的なモノもまだ有耶無耶。前回の試合も全く動けず、アレも僕なりも考えて……10年、20年やってきた食事、コンディショニングをやって、でも、動けないと。このままで終わったら、本当に死ねないんですよ。ただ、それだけですよ」

──将来はどのように考えているのですか。ずっと昔に門脇選手と将来は……と話していた時からすれば、今がその将来で。そして、さらに人生には先があるわけです。

「ちょっと違うと思いますけど、今は一応は選手でやっていると。練習メインでやっている……試合がなくても(笑)。将来に関しては、僕は家族もいないので……結婚をしていないから、今の仕事量を半分にしても、自分一人ぐらい食っていけます。逆に今、貰い過ぎぐらいで。だから、何も心配もしていないです」

──格闘家としてではなく、格闘技がどれだけ好きでも家庭を持つなど一般的な幸せというモノが世の中に存在するわけではないですか。

「子供が全く可愛いと思わないんです。思わないから、結婚願望がない。子供と比べたら、そこら辺を飛んでいるスズメの方がよほど可愛い。だから、結婚願望がない。家族と暮らしたいとか、全然ないんです。でも、それは女性が嫌いとかじゃないですよ。それは全くない。全く別の話です」

<この項、続く>

■TTF Challenge07対戦カード

<フェザー級/5分3R>
川那子祐輔(日本)
門脇英基(日本)

<グラップリング70キロ以下/10分1R>
今成正和(日本)
世羅智茂(日本)

<女子フライ級/5分2R+Ex>
ライカ(日本)
ソ・ジヨン(韓国)

<バンタム級/5分2R+Ex>
小蒼卓也(日本)
上久保周哉(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex>
宇宙人(日本)
葛島浩之(日本)

<フェザー級/5分2R+Ex>
渡辺謙明(日本)
工藤諒司(日本)

<フェザー級/5分2R+Ex>
大門達也(日本)
御代川敏志(日本)

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