【UFN117】「ホンマにありがとう」。夜叉坊が3連敗逃れ、オクタゴンに生き残る
<フェザー級/5分3R>
石原夜叉坊(日本)
Def.3-0:29-27.28-27.28-27.
ロランド・ディ(フィリピン)
夜叉坊の飛び蹴りとディのローが交錯するディの左ハイの直後に左ストレートでダウンを奪った夜叉坊は、パウンドの追撃をかける。アップキックからクローズドガードを取ったディだが、夜叉坊がエルボーを落とし、立ち際にギロチンを見せる。ディが立ち上がると、シングルレッグでテイクダウンした夜叉坊はエルボー、左のパウンドを落としていく。
ショートエルボー連打されながら、足をきかせようとするディは左腕を差していく。かまわずエルボーを打ち付ける夜叉坊は右腕をアンダーフックできかせて、左のパンチを連打する。クローズドガードの中から左の拳、ヒジを落とす夜叉坊はこのまま初回を圧倒。新レギュレーションの採用の今大会だけに10-8としただろう。
2R、右ジャブから左ミドル、左ストレートの伸ばした夜叉坊の急所にディのヒザが入る。再開後、左をヒットさせた夜叉坊にディの右ハイが襲い掛かる。テイクダウンを切られた夜叉坊はローに右を合わされ、ワンツーを被弾する。飛び込んだ夜叉坊にヒザを突き刺したディが左フックを当てる。夜叉坊も左を返すと、左ミドル。ディが右ハイ、右ストレートを繰り出す。
ディに流れが移るなか、左フックを打たれた夜叉坊が組んでケージ際へ。離れたディは右から左フック、夜叉坊がハイキックが届く位置でのガードを下げた構えは危ない。左ローを続けた夜叉坊にディは右ミドルを蹴って、左フックにつなげる。この回はディが1P挽回した。
最終回、「距離が縮まってきた。蹴りで調子づいてきているから、その距離に入らない」という中村優作のアドバイスを受けた夜叉坊が、左から前に出たがヒザを顔面に受ける。そのまま組めた夜叉坊だったが、ディが体を入れ替えながら離れる。と、ローを急所に受けた夜叉坊がマットに崩れ落ちる。
ヒザはボディに当たっていたが、スネがモロに石原の急所を直撃。リカバリータイムを置いて、試合再開に応じた夜叉坊は左フックから右ハイを当てられそうになる。夜叉坊もガードの上から左ハイを蹴り込む。しかし、ディの右ハイを受けて前方に崩れてしまう。すぐに起き上がった夜叉坊の左フックに、ディが右ロー。これがまたも急所をモロに蹴りぬいてしまう。
まるで急所の狙ったようなロー、観客が手拍子で夜叉坊をサポートする。ここでディがペナルティが与えられ、夜叉坊のリードは2Pに広がる。再開直後にシングルからダブルに移行してテイクダウンを奪った夜叉坊は、ハーフで抑える。ディはバタフライフック、蹴り上げて立ち上がる。
夜叉坊がシングル、ハイクロッチを仕掛けて離れると、直後に組みへ。ディはエルボーを入れて離れる。夜叉坊は左ローを蹴って右へ回る。ディは右を当て、ハイにも右フックを合わされる。残り10秒で右ハイを狙ったディ、試合はこのままタイムアップに。この回をリードされたとしても、ペナルティがあり9-9。
初回は10-8、2Rは9-10、最終回が9-9という見方が妥当だが、果たしてここまで不可解な裁定もあったジャッジはどのように判断しているか。
結果、3戦ぶりの勝利を手にした夜叉坊は「ホンマ、ホーム。日本最高。結果フィニッシュにつなげたかったですけど、集中力切れて。次、つなげたのは必ず倒します。日本で仕切り直しできたんで、誰でもいいです。生き残れたので、ホンマにありがとう」と話した。