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【UFC212】世界フェザー級統一戦の焦点は、暫定王者ホロウェイが正規王者アルドに組みの圧を掛けられるか

Max Holloway【写真】組みの圧力を見せることができるかマックス・ホロウェイ (C)Zuffa LLC/Getty Images

6月3日(土・現地時間)にブラジル・リオデジャネイロのジュネス・アリーナで開催されるUFC212「Aldo vs Holloway」。イベント名にあるようにメインイベントは正規王者ジョゼ・アルドと暫定王者マックス・ホロウェイの間で争われるUFC世界フェザー級統一戦だ。


ご存じアルドは2009年11月にマイク・ブラウンに勝利してWEC世界フェザー級王者に輝くと、2010年12月にWECがUFCに併合されそのまま初代フェザー級チャンピオンのベルトを巻いた。以降、7度の王座防衛に成功し、2015年12月にコナー・マクレガーに敗れベルトを失った。

マクレガー戦後もウェルター級で戦う王者をヨソに昨年7月にはフランキー・エドガーを返り討ちにして、暫定王者となった。そして、ライト級との二冠となったマクレガーの王座剥奪によって、正規王者に返り咲くことに。

マクレガー戦の敗北によるイメージダウンは今も拭えていないが、強烈無比なローで対戦相手を削り、絶対的なテイクダウンディフェンスの強さを誇ったアルド。バックを取っていたチャド・メンデスのクラッチをはがした直後のヒザ蹴りでのKOなど、キャリア26勝2敗の攻守ともに高い能力を、例え歴史的大敗があったとしても軽んじてはならない。

一方、ホロウェイはここまでキャリア17勝3敗で、UFC初陣となった2012年2月のダスティン・ポイエー戦、2013年5月のデニス・ベルムデスと8月のマクレガー戦の3試合で敗北を経験している。ただし、このマクレガー戦以降は10連勝で昨年12月に体重を落とせなかったアンソニー・ペティスをTKOで下し暫定王座に就いた。

リーチで優るホロウェイに対して、ノヴァウニオンの総帥デデ・ペデネイラスは「スペースを与えない」ことを重視している。つまりはリーチ差を埋める打撃戦だ。ただ、ホロウェイは近距離も強い。特にサウスポー基本のスイッチヒッターということもあって、蹴り技とのコンビン―ションを両方の構えから行く通りも繰り出すことができる。

何より接近戦も弱くない。特にパンチの届く距離でも左ミドルは、数々の対戦相手の勢いを消してきた。さらにいえば、より近づくと首相撲&ヒザ攻撃もホロウェイの大きな武器だ。それでも名参謀がスペースを無くして戦えということは、アルドの方がその距離でより強いという確信があるからだろう。

その自信の根拠はやはり、ローキックの存在に違ない。アルドの素早く重いローキックでホロウェイの足を削ることができれば、拳の威力が落ちるのは自明の理だ。ホロウェイとしてはローを蹴らせないためにも、打撃だけでなく組み&テイクダウンの圧力を掛けたい。アルドにテイクダウンがあることをインプットさせると、キャッチされ倒されることを警戒して、ローの数は絶対的に減ることになる。

そうすればアルドより遠いレンジを持ち、中間&接近戦も強いホロウェイにとって──より戦いやすい状況が揃うこととなる。

■ UFC 212対戦カード

<UFC世界フェザー級王座統一戦/5分5R>
[王者]ジョゼ・アルド(ブラジル)
[暫定王者]マックス・ホロウェイ(米国)

<ストロー級/5分3R>
クラウジア・ガデーリャ(ブラジル)
カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド)

<ミドル級/5分3R>
ヴィトー・ベウフォート(ブラジル)
ネイト・マーコート(米国)

<ミドル級/5分3R>
パウロ・ボハンチーニャ(ブラジル)
オルワレ・バンボゼ(ナイジェリア)

<ウェルター級/5分3R>
ヤンシー・メデイロス(米国)
エリック・シウバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
マルロン・モラエス(ブラジル)
ハファエル・アスンソン(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
アントニオ・カーロス・ジュニオール(ブラジル)
エリック・スパイスリー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジョニー・エドゥアルド(ブラジル)
マット・ロペス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ビビアン・ペレイラ(ブラジル)
ジェイミー・モーイル(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ルーアン・シャガス(ブラジル)
ジム・ウォルヘッド(英国)

<フライ級/5分3R>
マルコ・ベルトラン(メキシコ)
デイヴィソン・アルカントラ(ブラジル)

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