【UFN111】元世界ライト級王者ドスアンジョス出場、井上直樹は20歳と3日のオクタゴン初陣
【写真】ウェルター級に階級を上げるドスアンジョス (C) MMAPLANET
3日(月)にUFC JAPANより6月17日(土・現地時間)にシンガポール、カランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるUFC Fight Night 111の追加カードが発表された。
アンドレイ・オルロフスキーに続き、世界王者経験者としてハファエル・ドスアンジョスがシンガポール大会に出場、ウェルター級に階級を上げてタレック・サジフィーヌと戦うことが決まった。
2014年8月にベンソン・ヘンダーソンを破り、UFCライト級の頂点に立ったドスアンジョスはアンソニー・ペティス、ドナルド・セラーニを破り2度の王座防衛に成功。この間に体重オーバーのネイト・ディアズをノンタイトル戦で倒している。昨年はコナー・マクレガーとの世紀の一戦を負傷欠場し、7月にエディ・アルバレスにベルトを奪われると、11月にはトニー・ファーガソンに完敗を喫し天国から地獄を地に行った
今回、ウェルター級に上げて復活を賭すドスアンジョスにとって、シンガポールは所属するイヴォルブMMAの本拠地とあって準ホームといえる開催地だ。これまでは純粋にMMAの一つのパーツとしてムエタイのトレーニングに重点を置いていたイヴォルブ滞在。試合前にはKINGS MMAのハファエル・コルデイロの下でキャンプを張っていたが、サフィジーヌ戦はどのように調整するのかも注目される。
一方、対戦相手のサジフィーヌも実はイヴォルブMMAでトレーニングを積んでいた時期もあり、2014年1月のシンガポール大会ではイム・ヒョンギュ戦でファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得するなど、当地に縁のあるファイターだ。とにかく、ドスアンジョスの173センチという上背を考えると、ウェルター級にどこまで適応できるのか。得意の中間距離に持ち込めるか否かが、同階級でのドスアンジョスのキャリアアップの鍵を握るだろう。
また今大会では既に日本から五味隆典、そして佐々木憂流迦の参戦が決まっているが、ここに井上直樹の名前が加わることとなった。1997年6月14日生まれ、同大会の3日前に20歳になる井上は幼少期より姉、魅津希に続き天才格闘少年として注目されてきた。ストライキング・チャレンジで立ち技、ブラジリアン柔術、JMLでアマMMAを経験し2014年にはDEEPフィーチャーキングトーナメントで優勝。
ここまでのプロ戦績10勝0敗で、現DEEPストロー級王者カン・サトー、フライ級タイトルコンテンダーの柴田モンキー有哉に一本勝ちし、彼に判定前を喫したGladiatorフライ級王者でPXCでも活躍中の南出剛をして、「フライ級で一番強い」と言わしめる若い強豪だ。
それでも日本国内でタイトル獲得経験のない10代(契約時)のUFCとの契約は異例中の異例といえる。対戦相手は戦績では井上より少ない8勝0敗、フィリピンはURCCのフライ級王者カールス・ジョン・デ・トーマスで、彼もまた今年の8月で21歳となる若いファイター。
日本MMA界の未来が、国内でも最も混戦状態にあるフライ級でトップと対戦することなく迎えるオクタゴン初陣――Leap before you look、井上のオクタゴン進出は新たなステップアップ方法としてUFCがどのようなマッチメイクを組んでいくのかも注目される。