【Invicta FC】悩める世界王者、浜崎朱加<01> 「UFCに行けないのなら、違う選択肢があっても……」
【写真】エスプレッソティーなる紅茶を飲み、クールに決める(笑)インヴィクタ世界アトム級チャンピオン浜崎朱加 。こんなことをしてても──悩み多き乙女(C)MMAPLANET
北米メジャーMMAイベントにおける、唯一の日本人世界王者。それが浜崎朱加だ。一昨年7月にInvicta世界アトム級王座を奪取し、昨年は3月と9月に王座防衛を果たした。
そんな彼女の目標はUFCへのステップアップ。1階級下の世界王者からストロー級へチャレンジする腹積もりだった。しかし、なかなかその機会は訪れない状況で、インヴィクタでストロー級王座奪取、2階級制覇を目標に据えた。
次の試合で、これを成し遂げUFCへ──というアジャストした将来像も、王者アンジェラ・ヒルのUFC進出でまた軌道修正が必要となった。そんな悩める世界王者の声をお届けしたい。
──昨年9月にアトム級王座、2度目の防衛に成功。その後、ストロー級に階級を上げることをSNSで明らかとしました。
「10月とか11月、わりとすぐにその方向で行く方針は決まっていました。UFCが最終目標なのですが、インヴィクタのアトム級王座を防衛しても目に留まらないようなので。なら、ストロー級でベルトを取った方がUFCへ行くのに近道なのではないかと思いました」
──アトム級で戦っていたハム・ソヒがストロー級でUFCと契約し、苦戦しています。そういうことも踏まえ、ストロー級で先に戦うことを求められているのかもしれないですね。
「そうですね、アトム級で勝ってもUFCは興味を持ってくれない。私も若くないですし、あと何試合できるか分からない。UFCの新規契約選手は若いファイターが多いですしね」
──では次の試合はストロー級で?
「ハイ。ただし、あくまでも狙いはタイトルでした。それがチャンピオンのアンジェラ・ヒルがUFCに戻ることが決まって──。それからは……ストロー級で戦っても、タイトル戦なのかどうか分からない状況になってしまったんです(※取材は1月25日)。
今はストロー級でワンマッチか、アトムの王座防衛かという状況です。う~ん、もうちょっと分からないです。アトム級を取って、王座防衛もして……それでUFCに行けると思ってやってきたことなので。じゃあ、ストロー級でワンマッチを戦い勝ったことで、UFCへの道が開かれるのか。正直、先行きが不透明で……」
──UFCはタイミング、状況次第で本当に契約できるかどうかは分からないです。特に新オーナーとなってリリースも増えている状況ですし、選手契約数などの見直しに入っているのでしょうね。
「そうですよねぇ……」
──この状況で、日本国内ではRIZINにより女子MMAの注目度が抜群に上がっています。これは語弊を恐れずにいうと、RIZINで一番化けた部分だと思います。大晦日などを顧みて、自分もあの場で──という想いはならなかったですか。
「RIZINに限らず、次にインヴィクタで試合をして、しっかりと勝ってもUFCに行けないのなら、違う選択肢があっても良いんじゃないかとは思っています。
どれだけUFCに出たいと思っていても、それが叶わないなら──ですね。なぜ、UFCに出たいのか。それは強い選手と戦いたいからで。それが叶わないのであれば、強い相手と戦わせてくれるところでやっていっても構わないという気持ちはあります。
だからRIZINが強い選手を呼んでくれたり、ONEでアンジェラ・リーを戦えるのなら、それも有りです。さっきも言いましたけど、もう何試合やれるのかも分からないので。
アトム級で防衛戦をしてもUFCで行けなかった。なら、違う団体でベルトを獲った方がアピールになるのかとか、色々と考えちゃいますね。それでUFCが拾ってくれれば良いし、拾ってくれなくても強い相手と戦えるのであれば」
──ONEだとチャンピオンになったり、契約がしっかりとしているので一回戦ってUFCというのはできないでしょうね。
「ならRIZINさんがアンジェラ・リーを呼んでくれれば(笑)。難しいかなぁ……。ただ国内で戦うとすると、なんで若い子たちは、私は世界チャンピオンなのに『浜崎を倒したい』って言ってくれないのかなっていうのもあります。
一応、アトム級では世界一だし、私に勝てば世界一になれるのに──私に勝ちたいっていう若い選手がいないのか。そういう人が出て来ても良いのにと思います。日本はアトム級が一番層が厚いいも係わらず」
──その層という話になれば、インヴィクタも層は厚くなって、世界中からポテンシャルのある選手を集めていますが、そこで勝ち続けるというのはモチベーションにはならないですか。
「UFCに出るため、そのチャンスになると思ってインヴィクタでは戦ってきたので……。だから、インヴィクタで戦い続けるよりも、環境を変えるのも良いかなって思っちゃいますよね。
とにかく、UFCで戦いたい。アマンダ・ヌネス×ロンダ・ラウジーの試合とか見ると、やはり憧れを感じざるを得ないというのもあります」
<この項、続く>