【DEEP JEWELS51】大島沙緒里戦に勝利からの――浜崎朱加戦。イ・イェジ「MMAで浜崎選手に勝ちます」
【写真】大きな瞳は、大きな希望に満ち満ちていたイ・イェジ(C)LEE YE JI
23日(日)に港区ニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS51でイ・イェジが浜崎朱加と戦う。
Text by Manabu Takashima
JKファイターとしてデビューして以来、話題が先行しキャリアの違いが考慮されないマッチメイクが続き、戦績は黒星先行のイ・イェジ。しかしながら着実に成長し、5月には大島沙緒里から判定勝ちを収めている。
フィジカルで優位に立ち、下にならない戦いを念頭に力強いパウンドで大島を破った試合は、イ・イェジの力が戦績通りではないことを顕著に表していた。
そして迎える浜崎戦。まだ6勝7敗と負け越しているイ・イェジだが、数字に左右されない戦果を期待できる過去最強の相手と対峙することにワクワクを抑えられない様子だった。
大島選手がRIZINでタイトルに挑戦できた。なら、私だってできる
――イ・イェジ選手は日本語が、なり分かっているように見受けられるのですが。
「日本で試合をすることが多いので、ご飯を食べるときに日本語が分かると楽なので、少し勉強しました。もともと日本のアニメが好きだったので、日本語は身近に感じていたので。今では聞き取りはある程度できますが、早口の人の言葉は難しいです(笑)」
――聞き取れるだけでも素晴らしいです。ところで5月に大島戦は結果もそうですが、試合内容が堂々たるモノでした。
「前の試合で須田萌里選手に腕十字で負けて、柔術の練習に凄く力を入れていました。そのさなかに大島選手とのオファーを貰って、彼女に勝てばファイターとして上に行けると思い、絶対に勝つという気持ちで試合をしました。
最近はガムシャラなファイトができなくなっていたので、以前の自分を想いだして……Road FCで戦っていた時のように積極的に戦おうと。その結果、勝利できたので凄く良かったです」
――勝利後、その後のキャリアの積み方をどのように考えていましたか。
「ここ最近はDEEPで戦ってきたので、韓国国内で試合をすることは考えていなかったです。可能なら、このままDEEPかDEEP JEWELSでタイトルを手にして、RIZINに行きたいと思っています」
――この間に9月に大島選手が須田選手に勝利し、11月にRIZINで伊澤星花選手のベルトに挑戦しました。
「もっと良い試合をしていれば、大島選手が与えられた機会を得ることができたかもしれない。あの場に自分が立つことができたかもしれない。そういう想いがあったことは、否定できないです。ただ、現実は受け入れないといけないので。大島選手がRIZINでタイトルに挑戦できた。なら、私だってできる。そういうなかで浜崎選手との試合が決まったので、一生懸命準備してきました」
――このオファーを貰った時、率直にどのように思いましたか。
「RIZINでの試合をずっと見てきましたし、ビッグネームが相手になると聞かされてドキドキしました。浜崎選手は本当に格好良くて、憧れの存在だったので」
――もう1つ勝てば、レコードがイーブンになります。浜崎選手との試合は勝てばゲインは大きいですが、リスクも高い。戦績を五分から白星先行にしたいと思うことはなかったでしょうか。
「私は若い時にデビューし、試合を断ることはできなかったです。決められた相手と戦う。そうやってキャリアを積んできました。デビュー戦の相手からして、しなしさとこ選手です。体重も当時は46キロで、アトム級でも減量は必要がなかったです。女子選手は少ないし、体重差もキャリアの違いも関係なく戦ってきました。戦績を気にしていると、試合機会がなくなってしまうので」
――それにしても……デビュー戦もそうですし、3勝5敗で黒部三奈選手と戦う。どういうマッチアップかと正直、感じていました。
「本音を言えば、黒部選手の試合なんかは勝てると思ってオファーを受けていたわけではないです。ただ良い試合をしたい。なんとか頑張りたいと思って戦いました。そういう強い選手と戦うことで、成長できたことも絶対です。
でも今、記者さんが言われてようにここで一つ勝てば戦績が五分になる……。2つ勝てば、初めて白星先行にもなります。もちろん、それは良いことです。同時に大島選手に勝ったことでRIZINに近づけた。浜崎選手に勝てば、絶対です。だから、浜崎選手と戦うことの方が私のキャリアにとっても重要だと思っています」
――大島選手との試合を見る限り、負け越している選手のパフォーマンスではなかったです。
「ありがとうございます」
――大島選手はアトム級でも小さな部類に入るファイターです。それもあって、イ・イェジ選手のフィジカルの強さが際立っていました。デビュー当初は46キロだといわれていましたが、今は通常体重は何キロありますか。
「2年ぐらい前までは52キロぐらいでした。それが週に1度、フィジカルトレーニングをするようになって体が大きくなりました。今は55キロほどになっています」
――では6キロほど減量をしていると。
「そうですね。ただ水抜きはせずに、体重を落としているので試合の時も55キロまで戻ることはなくて。だいたい2、3キロ戻る程度ですね。韓国では男子選手が、凄く水抜きをしていて。フラフラになっているのを見てきたので、ああなるのは怖いです。
DEEPで試合をするときは計量の前日に日本にやってくるのですが、ジョギングで1キロほど落としてリミットまでもっていっています。水抜きの経験がないので直接比較はできないですが、試合の時のコンディションもパフォーマンスも、今の減量方法で問題ないと感じています」
――アトム級は48キロ。今回は49キロ契約ですが、1キロの違いは何か試合に影響を与えると感じますか。
「48キロでも49キロでも、私自身それほど違いはないかと思います。ただ過去に48キロと49キロを経験して、対戦相手が49キロの時の方がパワフルに感じました。そこもしっかりと頭に入れて、準備をしています」
打撃、レスリング、柔術をMMAに落とし込めるように教えてもらっている
――大島選手との試合を見て、イ・イェジ選手は何か突出して強い武器があるわけではない。でも、MMAが強い。そういうファイターに成長したと感じました。
「それはイ・ユンジュン・コーチのおかげです。コーチは口癖のように『何か一つでなく、どの局面でも強くならないといけない』と言って指導してくれます。打撃、レスリング、柔術をMMAに落とし込めるように教えてもらっているので、そこがMMAとして強くなれた。そう思います」
――これは私見なのですが、日本では女子同士の練習が多い選手は、自身のベースで勝ち抜くことが多いかと。対して、男子との練習もある程度以上している選手の方は、MMA的な戦いをしているかと。
「そうですね……日本以上に韓国は女子選手が少ないです。私もチーム内で女子同士の練習はほとんどないのが現実です。そのなかで男子でも小さな体格のフライ級の選手と思い切りぶつかるスパーリングをしています。それでも男の選手との練習では、使える技術が限定されてきます。
だから女子選手とスパーをしたいときは、他のチームに行くようにしています。女子の選手が練習相手だと、仕掛けが増えるので」
――男子との練習、女子との練習で違いを意識している?
「ハイ。どちらも長短があるので。特に打撃練習は絶対的に違います。男子選手と打撃や打撃有りのスパーをするときは、距離を取ってタイミングを大切にするようにしています。対して女子選手とのスパーリングでは、おかしな話パンチを貰うこともできます。だから接近して、打ち合いもするようにしています」
――凄く興味深いです。では改めて、浜崎選手の印象を教えてください。
「浜崎選手は強くて、固い。そんなイメージを持っています。だからこそMMAで勝負したいです。MMAで浜崎選手に勝ちます。そのうえで初心に返り、攻撃的なMMAをしたいと思っています。楽しく、激しい試合をするので期待してください。勝ってRIZINで戦えるように頑張ります」
ケイト・ロータス選手と戦いたいです。ケイト・ロータス選手と私が戦えば、良い画になる
――RIZINで戦ってみたい相手はいますか。
「もちろん最終目標は伊澤選手です。ただRIZINで戦えるなら、用意してくれた誰とでも戦うつもりです。同時に個人的には、まずケイト・ロータス選手と戦いたいです。ケイト・ロータス選手と私が戦えば、良い画になると思うので(笑)」
――そのために乗り越える壁が浜崎選手。高い壁かと思いますが、最後に意気込みをお願いします。
「私の戦績は浜崎選手に遠く及ばないです。でも、そういう数字を超越した攻撃的なイ・イェジをお見せするの、で見守ってください」
■DEEP JEWELS51視聴方法(予定)
11月23日(日)
午後5時15分~U-NEXT、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ
■DEEP JEWELS51 対戦カード
<49キロ契約/5分3R>
浜崎朱加(日本)
イ・イェジ(韓国)
<49キロ契約/5分3R>
パク・シウ(韓国)
彩綺(日本)
<ストロー級/5分3R>
重田ホノカ(日本)
ののか(日本)
<49キロ契約/5分2R>
竹林エル(日本)
サラ(日本)
<ストロー級/5分2R>
月井隼南(日本)
成本優良(日本)
<ストロー級/2分3R>
堀井かりん(日本)
岡美紀(日本)
<ミクロ級/5分2R>
大井すず(日本)
小雪(日本)
<アマチュア ストロー級/3分2R>
山吹マリン(日本)
松村美直(日本)
<アマチュア ストロー級/3分2R>
あきぴ(日本)
谷山心優(日本)
<アマチュア49キロ契約/3分2R>
横江明日香(日本)
五十嵐莉子(日本)
<アマチュア49キロ契約/3分2R>
せりな(日本)
和智美音(日本)




















