【Arzalet FGC01】フェザー級T決勝でパルブチェンコと対戦、芦田崇宏 <01>「ベルトがあると反応も違う」
【写真】仮想パルブチェンコ? サンドバックにパウンドを打ち込む芦田 (C)TAKUMI NAKAMURA
11日(土・現地時間)にブラジルはサンパウロのジナーシオ・マウロ・ピンヘイロにて開催される「REAL06」改め「ARZALET FIGHING GLOBE CHAMPIONSHIP」(※REALの海外興行がARZALETに名称変更)。今大会では昨年スタートしたフェザー級トーナメントの決勝戦が行われ、日本の芦田崇宏がウクライナのヴラディスラフ・パルブチェンコとの一戦に臨む。
国内外の様々な団体で試合を重ね、他の選手には出来ないキャリアを積んでいる芦田。その中で培った独自の外国人選手攻略法を身につけ、今回のフェザー級王座奪取、その先に見えているモノは?
――11日にブラジルのサンパウロで行われる「ARZALET FIGHING GLOBE CHAMPIONSHIP」でフェザー級トーナメント決勝に臨む芦田選手です。まず決勝戦がブラジル開催になりました。
「僕は決勝も日本でやると思っていたので、最初は驚きました。でも僕が年末にアウトサイダーに出る前の時点で、REALサイドから『決勝戦は1月に日本もしくはブラジル開催になる』という話があったんで、そのつもりではいました。
なので2月にスライドして試合間隔が長くなった分、調整はやりやすいですね」
――6月のトーナメント準決勝=ヌルベルゲン・シャリポフとの一戦は、ポイント上はイーブン、マスト裁定という薄氷を踏むような勝利でした。
「本当にギリギリの勝利でしたね。タフな試合展開は予想していたんですけど、その通りでした。シャリポフはレスリングが強いのは分かっていたので、それに付き合わないで早い段階で、打撃で仕掛けていたら展開は変わっていたと思います。あと身体がデカかったです」
――向かい合った時、想像以上にサイズの大きさを感じたのですか。
「身長が高いだけで、そんなに力はなかったんですけど…デカかったですね。あとかなり僕の動きを研究して対策しているのが分かりました」
――芦田選手がやろうとすることを潰されたのですか。
「潰され“かけた”感じですね。まだ向こうは経験が浅かったんで、そういうところでは自分が勝っていたと思います。グラウンドで下になる時間も多かったですけど、焦りはなかったし、下からサブミッションを極める気でやっていました」
――芦田選手はあまりガードから仕掛ける印象がなかったのですが、今はガードからの攻めにも自信があるのですか。
「はい。自分自身、下からの極めも増えてきましたし、シャリポフ戦に関しては、シンガポールの試合経験(2014年8月、REBEL FCでミゲール・トーレスに判定負け)が活きました。もしあそこで僕がミゲール戦と同じように下から仕掛けないでディフェンスに徹していたら、シャリポフに勝てなかったと思うんです。
だからあの時はパウンドを打たせないようにしつつ、自分から攻めようというつもりで動いていました。トップキープされても相手に余裕を持たせないというか。どんな状況でも自分が攻め続けて、相手を守勢に回らせて試合をコントロールするつもりでやりました」
――ポジションに関わらず攻め続ける試合は体力的にしんどいですよね。
「めちゃくちゃ疲れましたよ(苦笑)。でもこれで諦めてチャンスをふいにしたらやばいだろと思って必死にやりました」
――それだけREALのトーナメントにかける想いが強いのですか。
「はい。チャンスは何回も来るわけじゃないんで。僕は幸い色んなチャンスをもらっている方ですけど、だからといってこれからもずっとチャンスがあるかどうかは分からない。だから絶対に今回のチャンスはモノにします。もう自分も27歳ですからね」
――芦田選手は自分の年齢やキャリアを気にすることもあるのですか。
「最初は別にタイトルには興味なかったんですよ。僕はPRIDEやエンターテイメント性が強いものに憧れてMMAを始めたんで。でも(鈴木)隼人さんがグラチャンのベルトを獲って『俺もベルト獲りたいな』と思うようになりました。
やっぱりベルトあると周りの反応も違うし、チャンピオンという肩書きがあると選手の評価も変わるじゃないですか。それは団体と交渉することも含めて。これからの格闘技人生を考えたら、自分もベルトを巻きたいと思いました」
――現在はREALでタイトルを目指しつつ、その一方でアウトサイダーにも出場するという他の選手が真似できないキャリアを積んでいますよね。
「こんな選手は他にいないでしょう(笑)。僕は一つの団体に腰を据えてやるよりも、オファーがあったら色んな団体に出たいと思います。それもプロとしての評価だと思うので」
――アウトサイダーではパンクラスで試合をしている渡慶次幸平選手が相手で、もっと不良色が強い選手と戦ってみたかったですか(笑)。
「そうですね(笑)。どうせやるならアウトサイダー出身でリングスのプロ選手とやってみたかったです。でもアウトサイダーに出て大会の雰囲気を味わったのはいい経験でした」
<この項、続く>
■Arzalet FGC01対戦カード
<ライトヘビー級/5分2R>
ホドウフォ・ヴィエイラ(ブラジル)
ダニヤル・ザリルベック・ウウル(キルギス)
<ウェルター級/5分2R>
マルキーニョス・ソウザ(ブラジル)
ファビアーノ・アラウージョ(ブラジル)
<フェザー級T決勝/5分2R>
芦田崇宏(日本)
ブラディスラフ・バルブチェンコ(ウクライナ)
<83キロ契約/5分2R>
マーカス・ペレス・エッシンンベルク(ブラジル)
イルデマール・アルカンタラ(ブラジル)
<70キロ契約/5分2R>
ジョルジ・パチーユ・マカコ(ブラジル)
アンドリュー・フィッシャー(英国)
<61キロ契約/5分2R>
アリ・ファリアス(ブラジル)
アーニー・ブラカ(フィリピン)
<ライト級T準決勝/5分2R>
ドミトリー・パルブチェンコ(ウクライナ)
星野大介(日本)
<ライト級T補欠戦/5分2R>
ジョナサン・メネゼス・バルバーリョ(ブラジル)
チアゴ・ナシメント(ブラジル)
<ヘビー級/5分2R>
カルロス・トヨタ(ブラジル)
サミルベック・シルガバエフ(キルギス)
<66キロ契約/5分2R>
グスタヴォ・ウーリッツァー(ブラジル)
ネマット・アブドゥライトフ(キルギス)
<グラップリングマッチ>
シャーウス・オリヴィエラ(ブラジル)
セルシーニョ・ヴィニシウス(ブラジル)