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【Arzalet FGC01】フェザー級T決勝でパルブチェンコと対戦、芦田崇宏 <02>「ベルトを獲ってRIZINへ」

Takahiro Ashida【写真】自らをヒース・ヒーリングに例える芦田、パルブチェンコとのタフファイトをどのように乗り切るのか(C)TAKUMI NAKAMURA

11日(土・現地時間)にブラジルはサンパウロのジナーシオ・マウロ・ピンヘイロにて開催されるARZALET FIGHING GLOBE CHAMPIONSHIP 01で、ウクライナのヴラディスラフ・パルブチェンコとREALフェザー級トーナメント決勝に臨む一戦に臨む芦田崇宏インタビュー後編。

一つのプロモーションに継続参戦するのではなく、多くのイベントを渡り歩く芦田にREALフェザー級王座奪取への意気込み、そして今後の目標=RIZIN出場を話してもらった。

<芦田崇宏インタビューPart.01はコチラから>

――色々な大会に出ることは芦田選手にとって糧になっている?

「例えば一つの団体に出続けていると『次の試合はこのくらいの時期だろうな』とか『そろそろあの選手とやるだろうな』って想定できるじゃないですか。でも色々な団体に出ると色々な選手と戦わせてもらえるんですよ。

僕はあまり事前に相手のことを意識するのは好きじゃないし、それだったらその時々で『この選手でどうだ?』って言われて『はい、やります!』というスタイルの方が好きですね。実際にそれで普通の選手では戦えないような相手と戦わせてもらっていますし」

――特にREALではあまり戦う機会のない国の選手と戦っていますよね。

「こんな国からこんな強い選手出てくるの?みたいなことも多いですからね。例えば旧ソ連系の選手は本当に強いです。競技者としてどうこうではなく動物的な強さを感じます。

秘めた闘争本能がすごいというか。僕は試合中に相手の表情を見るんですけど、一切、表情が変わらないんですよ。あれは実際にやってみるとちょっと不気味です(苦笑)」

――そして決勝を争うのはウクライナのヴラディスラフ・パルブチェンコです。どんな対策を練っていますか。

「同じくらいの背格好&構えの相手とスパーリングすることは当たり前ですけど、外国人選手特有のオーラ、距離感、地の力強さ…それに慣れておこうと思って、外国人選手とスパーリングすることも増やしました。

今、うちのジムにマックスっていう黒人の選手がいるんですよ。もともと僕が地元の飲み屋で知り合ったカメルーン人の友達がいて、そいつが『俺の友達でMMAをやりたいやつがいるから紹介してもいいか?』と言ってジムに連れてきた選手です。

マックスは南アフリカでレスリングとプロレスをやってそうでMMAは未経験だったんですけど、身体能力が尋常じゃないです……むしろ身体能力だけです(笑)。でもその身体能力が凄すぎるから、技術を多少知らなくても何とかしちゃうんですよ」

――それは実際に体感してみないと分からないものなんですね。

「はい。外国人と戦う時、日本人の枠内で考えていたら、間違いなく痛い目に遭います。絶対に届かないだろうと思っているところからでもパンチが届くし、絶対に返されないだろうと思っているポジションで返される。

前はそれでパニックになっていたんですけど、それをなくすためにも試合・練習含めて外国人慣れは必要ですね」

――それも踏まえてどのような攻略のイメージを持っていますか。

「最初はパルブチェンコが(中村)ジュニア選手をスコスコにして絞め落としたという情報しかなかったんで、バケモノみたいに強い相手だと思っていたんです。

でも実際に試合映像を見てみたら穴も多くて、たまたまジュニア選手が相手の得意な形にハマっちゃったんだと思います」

――それこそ穴はあってもそれを身体能力で何とかしてしまうのが外国人選手の強みです。

「だからこそしっかり対策と準備を練って戦いたいと思います。勝機がない相手ではないので」

――ずばり決勝はベルトを獲りにいくではなく獲るつもりで戦いますか。

「はい。僕はもう獲るものだと思っています。タイトルを獲るために挑戦するのではなくて、獲るのが当たり前だろうという気持ちで戦います」

――次戦が2017年の緒戦ですし、REALのタイトルをとって、どのようなな試合をしていきたいと思いますか。

「REALのチャンピオンとして試合を続けていくことになると思いますし、年末に宮田(和幸)さんがRIZINで試合をして、僕もずっと宮田さんと一緒にいたんですけど、自分としてはすごく惹かれましたね。やっぱり僕はPRIDEを見てMMAに興味を持ったし、自分の原点はここだなと思いました」

――RIZINはファイターとして強さだけでなく、それ以外に注目を集めるものを求められる舞台です。

「ファイターとしての色や個性が求められる舞台ですよね。そういう部分でも評価されて、なおかつ強い。自分が目指すのはそこです。いずれにせよ、勝てない……負けっぱなしの選手が呼ばれることはないと思うんで」

――芦田選手は自分のどんな個性を売っていきたいですか。

「どういう個性があるのかな。僕は誰が相手でもスイングした試合をする自信があるんで、名勝負製造機的な感じでいきたいですね。PRIDEで言ったら誰だろうな……」

――ヒース・ヒーリングのような選手でしょうか。

「そうです! そうです!! この選手がリングに上がったら何かやるんじゃないか?っていう期待感を持ってもらえる選手になりたいですね。

そのためにもベルトです。ベルトを持って発言を持たなければ何を言っても意味がないので、必ずREALでチャンピオンになります」

――未知の外国人選手たちを倒してチャンピオンになったというのも十分な個性になると思いますよ。

「そうですね。僕は僕にしか出来ないキャリアを積んでいると思うし、そこでベルトという称号を得られたら色々とアピールしたいと思います」

■Alzalet FGC01対戦カード

<ライトヘビー級/5分2R>
ホドウフォ・ヴィエイラ(ブラジル)
ダニヤル・ザリルベック・ウウル(キルギス)

<ウェルター級/5分2R>
マルキーニョス・ソウザ(ブラジル)
ファビアーノ・アラウージョ(ブラジル)

<フェザー級T決勝/5分2R>
芦田崇宏(日本)
ブラディスラフ・バルブチェンコ(ウクライナ)

<83キロ契約/5分2R>
マーカス・ペレス・エッシンンベルク(ブラジル)
イルデマール・アルカンタラ(ブラジル)

<70キロ契約/5分2R>
ジョルジ・パチーユ・マカコ(ブラジル)
アンドリュー・フィッシャー(英国)

<61キロ契約/5分2R>
アリ・ファリアス(ブラジル)
アーニー・ブラカ(フィリピン)

<ライト級T準決勝/5分2R>
ドミトリー・パルブチェンコ(ウクライナ)
星野大介(日本)

<ライト級T補欠戦/5分2R>
ジョナサン・メネゼス・バルバーリョ(ブラジル)
チアゴ・ナシメント(ブラジル)

<ヘビー級/5分2R>
カルロス・トヨタ(ブラジル)
サミルベック・シルガバエフ(キルギス)

<66キロ契約/5分2R>
グスタヴォ・ウーリッツァー(ブラジル)
ネマット・アブドゥライトフ(キルギス)

<グラップリングマッチ>
シャーウス・オリヴィエラ(ブラジル)
セルシーニョ・ヴィニシウス(ブラジル)

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