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【RIZIN46】大学院生になっていたキム・スーチョル「今年はRIZINに集中したい。しっかりケリをつける」

【写真】なんだが学者風に見えてきた? キム・スーチョル (C)MMAPLANET

29日(月・祝)、東京都江東区の有明アリーナで開催されるRIZIN46で、キム・スーチョルが1年4カ月振りの来日を果たし、中島太一と対戦する。
Text by Manabu Takashima

フアン・アルチュレタとの激闘に惜敗を喫したスーチョルは、2023年はRoad FCのグローバル・トーナメントに集中し日本で戦うことなかった。そのトーナメントを完全制覇したスーチョルが、再びRIZINをターゲットとする──だけでなく、本格的に継続参戦を決意、バンタム級のベルトを狙う。

RIZINバンタム級戦線で既に大関級の位置にあるといっても過言でないスーチョルは、なんと32歳にして大学院生になっていた!!


――2週間後に中島太一選手との試合が迫ってきました。今の調子はいかがですか(※取材は18日に行われた)。

「コンディション的には良いところも、悪いところもあります。できるだけ問題にならないよう調整をしています」

──昨年10月のRoad FCグローバル・トーナメント決勝以来、5カ月振りの試合となります。4カ月で3試合あったトーナメント戦の疲れも十分に取れましたか。

「ハイ。自分にとって良い時間となりました。技術を見直すことができ、自分の体について学習することもできました。実はこの間に大きな変化があったんです」

──と言いますと?

「実は大学院に通い始めました。大学の時は心理学を専攻していたのですが、院では体育学を学んでいます」

──大学時代に心理学を専攻していたことに、まずは驚かされました。

「もともとは自動車学科だったのですが、途中から心理学を学習するようになり卒業したのは心理学科です。健康心理学者としてカウンセリングの勉強をしていました」

──なるほどぉ。なのでジョン・ムンホン代表の下で、やってくることができたのですね。

「アハハハハ。その通りです。代表は簡単な人ではないので(笑)」

──今回、大学院に通うようになったのは?

「妻の勧めです。彼女は看護学科を卒業後に大学院で勉強を続ける予定でしたが、子供ができたので断念したんです。自分自身が大学院に進めなかったので、彼女の分も自分に勉強して欲しいと。妻の後押しと、自分の意欲が相まって再び勉強をすることにしたんです。院で学んだことを今後の人生、ビジネスに生かそうと思っています。格闘技を修得している人間が、大学院を卒業していると必ずメリットになるはずです」

──韓国では30歳を過ぎて、大学院で勉強をするというのは普通にあることなのですか。

「韓国では珍しいことです。周囲からも大学院で勉強していることに対して、『仕事をして稼ぐ年齢じゃないのか』という風に見られることも多々あります。ただ、勉強や読者が好きな人間なので、ここで勉強をすることは凄く合っていると感じています。

火曜日の夜と水曜日に大学院に通っているのですが、場所がプサンなので片道4時間ほどかかるのが大変です(笑)」

──えっ、大学院はプサンにあるのですか!!

「そうなんです(笑)。火曜日の午前中にプロ練習に出て、そこから車で通っています。水曜日の授業を終えて、ウォンジュに戻ります」

──プサンに週一で通う。どれぐらいの期間、続けることになるのですか。

「論文を書かないといけないので2年は、通うことになります」

──気がつけばチームMADの所属になっているかもしれないですね(笑)。

「アハハハハ。実は火曜日にはチームMADで練習をしたいという気持ちもないことはないです。でも、勉強しないといけないのでチームMADに行く時間が取れないです(笑)」

──しかし、練習と勉強と試合前の調整も大変ではないですか。

「正直、慣れるまでは大変でした。戻りが夜中なので、どうしても飛ばしてしまうんですよね。気を付けるようにします。それとジムでの練習中に頭がフラフラして、ちゃんと練習できない日もありました。ただ、今ではもう慣れて問題はないです」

──とにかく車の運転だけは、気を付けて下さい。

「ハイ。ありがとうございます」

──ところで日本での試合は2022年の大晦日以来、1年4カ月振りとなります。13日にはRoad FCの2024年第一弾がソウルでありましたが、そこでなくRIZINに出場。どのような気持ちで、この試合を選択したのでしょうか。

「RIZINで戦うのは、本当に久しぶりです。日本で戦うといつもファンの皆さんが、懸命に応援をしてくれて凄く嬉しいです。だから少しでも早く、RIZINで戦いと思っていたので今回、再び契約ができて嬉しい限りです」

──今年もRoad FCでグローバル・トーナメントが開催されると聞いています。スーチョル選手としては母国か日本、どちらで戦っていく意向で?

「Road FCのトーナメントに出たい気持ちもありますが、今回RIZINと契約できたのもRoad FCの許可があったからです。なので今年はRIZINに集中したい……RIZINでの戦いにしっかりとケリをつけたいという気持ちがあります」

──つまりはRIZINのバンタム級王座を目指すという理解で良いですか。

「タイトルは狙いたいですが、中島選手と戦う前に大口は叩けないです。今は中島選手に勝つことに集中しています」

──その中島選手について、印象を教えてください。

「中島選手のことは以前から知っていました。パンクラスではフェザー級で戦っていたこともあり、体も大きくて強い選手だと思います。そして──固い試合をします。ただ体にバネがあります。スクランブルの攻防になると、本当に反応が良くて。しっかりと試合全体で戦えるペースを考えていながら、その一瞬は爆発力があります」

──そんな中島選手に対して、スーチョル選手の強味は?

「自分のテクニックが中島選手より上だとは思っていないです。ただし、技のバリエーションは自分の方がある。寝技でも立ち技でも、彼が嫌がるパターンを構築して繰り返し練習をしてきました」

──試合の見どころとして中島選手はテイクダウンからコントロールを狙うなかで、スーチョル選手のギロチンをどのように避けるのか。ここ一番でしか、下への組みはないかもしれないです。

「パターンとして、テイクダウンまでいかずにクリンチで削って来ると思います。当然、打撃でくることもあるので準備はしています」

──クリンチの攻防になると、スーチョル選手の首相撲という打と組みの融合が期待できます。

「自分自身、クリンチの攻防ができることが楽しみです。中島選手はしっかりとクリンチができる選手なので」

──そこに関しては、マニア垂涎の攻防になりそうです(笑)。

「そうですね……ただ自分としてはKO勝ちを終着点としようと思っています。こう見えても一本勝ちよりKO勝ちの方が多いんですよ(笑)(※21勝中、KO勝ちが7度。一本勝ちが6度)。だから、チョット楽しみにしてください」

──では最後に日本のメッセージをお願いします。

「前回、日本で戦ったフアン・アルチュレタ戦では悔しい気持ちをしたのですが、その分色々と考えることができました。精神的にも肉体的にも自分を知り、変えることができました。日本のファンの皆さんに、そんなキム・スーチョルを楽しみにしてほしいです」

■視聴方法(予定)
4月29日(月・祝)
午後4時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

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