【HEAT53】ユン・テスンと王座決定戦、堀友彦「おっさんが逃げ回る試合なんて見ている人も面白くない」
【写真】タイトルマッチは3団体目、Grachanに続く2本目のベルト獲得なるか(C)MMAPLANET
27日(土)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールでHEAT53「Evolution」が開催され、HEAT総合ルール・バンタム級王座決定戦で堀友彦がユン・テスンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura
2022年11月に約4年ぶりの復帰を果たし、昨年8月には「HEAT vs AFC 対抗戦」に出場し、ソン・ヒョンジョンに一本勝ちした堀。この勝利をきっかけに今大会ではHEAT総合ルール・バンタム級王座決定戦のチャンスが舞い込んできた。試合に向かう姿勢もファイトスタイルも自然体。そんな堀が3団体目となるタイトルマッチに臨む心境を語った。
――昨年8月に続いてHEAT参戦が決まりました。この時期に試合をしたいという希望があったのですか。
「いえ、特には。話をもらってタイミングがよく決まった感じです」
――いつもの堀選手らしい自然体バージョンですね。前回のソン・ヒョンジョン戦は一本勝ちでしたが、あの試合を振り返っていただけますか。
「頑張りましたね(笑)。相手がすごい強そうだったんで、しっかり仕上げないとまた壊されちゃうと思って、気合いが入っていました」
――実際にヒョンジョン選手と戦ってみていかがでしたか。
「予想通りガツガツ来て、強いというか力もあって。僕のパンチが当たっても全く全く効いてなかったなと思いました」
――パンチが当たった感触、これは効いたなというものはあったんですか。
「一発だけあったんですけど、なんてことない感じでした(苦笑)。何事もなかったかのようにしていて、逆に殴られましたね。ただ僕としてはガツガツ来てくれてよかったです」
――堀選手はファイトスタイル的にガツガツ来る相手をコントロールするのも得意ですか。
「そうですね。僕自身そんなに踏み込みやスピードがある方じゃないのですが、自分からプレッシャーをかけたり、相手が来るところに合わせたり。前回はもともと相手がガンガン来てくれるタイプだったんで、そういう試合になりました」
――試合中にどこかで相手が失速する・コントロールできるという感触はありましたか。
「首(ギロチン系)は何回かいけそうでした。それこそ練習だと割と取れる感じに入っていて、得意と言えば得意なんですよ。でも相手がしっかり技を知ってる感じで対処されました」
――でも結果的にあの首へのプレッシャーがあったからこそm、最後はRNCで一本勝ちできた流れだったかなと思います。試合前には「KO勝ちしたい」と話していて、結果的に一本勝ちでした。
「もちろん一本勝ちもうれしいはうれしいですよ。でもやっぱり…KOしたいはしたいですよね(笑)」
――堀選手自身、前回の一本勝ちで自信になった部分はありますか。
「そうですね。ああいう体が強い選手にも勝てたわけですし、自分のやっていることも間違っていないなと。トータル的には分からないですけど、強くなってる部分はまだあるなと思いました」
――ヒョンジョン選手は堀選手に負けた後も2連勝していて、戦績的にも堀選手に負けた試合が唯一の敗戦(7勝1敗)なので実力のある選手です。
「僕もネットでヒョンジョン選手の戦績を見たときに『うわ、あれから勝ってる!』と思って、なんかちょっとうれしいです」
――試合の振り返りにもつながりますが、堀選手のように相手に合わせて戦うスタイルは年齢・キャリアを重ねても、しっかり強くなれるスタイルだと思います。
「そうかもしれないですね、僕は若い頃からフィジカルが強いわけでもないし、スピードがあるわけでもないし、一発があるわけでもない。でも色んな技術を全部ごちゃごちゃさせながら、最終的に勝つみたいな感じだったんで、それでこの年齢になってもできているのかなと思います」
――練習では若い選手たちに揉まれて、そういう環境もプラスになっているようです。
「かもしれないですね。20代中盤ぐらいの子たちと練習していて、やられちゃうこともあるんですけど、そういう時にもまだ悔しいなとか思うんで、それで頑張れている感じもありますね」
――今回の対戦相手=ユン・テスン選手にはどんな印象を持っていますか。
「結構、シャープ打撃を打つなという感じのストライカーですね。成績を見たらデビュー戦だけ負けて、それ以外はずっと勝ってるみたいなので、間違いなく強いだろうし、ああいうシャープの打撃はもらっちゃうと危ないなと」
――前回対戦したヒョンジョン選手と同じ打撃系ですが、パンチの質が違いますね。
「そう思います。前回の選手はパンチがキレるというかガツガツきて、相手に嫌な感じを与えて倒すタイプですけど、今回の相手は失神はさせられないけど、パッとフラッシュ(ダウン)を取るようなタイプだなと思っています」
――なぎ倒すよりも切れるタイプですね。
「もしクリーンヒットがあっても失神はしないと思うんですよ。でも膝をついちゃうとか、そういうことが起こりそうなので、そこを気をつけながらもらわないように。ただおっさんが逃げ回る試合なんて見ている人も面白くないと思うので、どこかで真正面から行ってみたいなと思ってます」
――しかも今回の試合はHEAT総合ルール・バンタム級王座決定戦です。こういうチャンスが巡ってきたことをどう思いますか。
「ありがたいですよね。前回HEATに出させてもらって、そこで勝って、今回こういう話をもらって。本当にありがたいです」
――堀選手の今の年齢やキャリアにおいて、ベルトはどういう意味があるものですか。
「どうだろう…」
――前回の試合前のインタビューはお子さんをセコンドに入れたり、家族のために自分が戦う姿やベルトを巻く姿を見せたいのかなと。
「今言われて思ったんすけど、それはあるかもしれないですね。Grachanのベルトを持っていたときは次男がまだ赤ちゃんだったんで、よく分かっていなかったと思うんですよ。だから今回ベルトを獲れたら、次男にベルトを見せてあげたり、持たせてあげたいなと思います」
――またあのインタビューでは「(格闘技を続けているのは)依存症みたいなもの」「自分自身が満足したい」と話していて、そういう姿勢の堀選手にタイトルマッチのチャンスが巡ってくるのも、不思議なものだなと思います。
「本当にそう思いますよね。タイトルマッチをやりたい・ベルトが欲しいと言っていても、一回もベルトに絡めないまま辞める人も多いので。そういう意味では恵まれてますよね。DEEP、Grachan、HEAT。3団体でタイトルマッチをやらせてもらっているので」
――今回はどんなファイトを見せて勝ちたいですか。
「攻めていきたいって感じですね。相手がシャープな打撃を持っているんで、それにびびって引いちゃうと、多分何もないままズルズルいっちゃうと思うので。何にせよ、とにかくはっきりした形で終わるように行かないとって感じですね」
■視聴方法(予定)
4月29日
午後3時00分~ HEAT オフィシャルYouTubeチャンネル