【UFC205】いよいよ後2日、世界タイトル戦以外もメインイベント級の好カードがズラリ
【写真】元世界王者、タイトルコンテンダー、TUFウィナーがズラリと並んだNY大会。全部が芯的な豪華カードが揃っている(C)MMAPLANET
12日(土・現地時間)にニューヨーク州ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで開催されるUFC 205「Alvarez vs McGregor」。3階級の世界戦、ライト級=エディ・アルバレス×コナー・マクレガー、ウェルター級=タイロン・ウッドリー×スティーブン・トンプソン、女子ストロー級=ヨアナ・イェンジェチック×カロリーナ・コバケビッチ以外にもこれでもかというカードがアーリープレリミから並んでいる。
ファイトパス・プレリミではお隣ニュージャージー州在住のジム・ミラーが、チアゴ・アウベスと対戦。UFC16勝7敗、全てがライト級という息の長さを誇るミラーに対し、13勝7敗のピッチブルはキャリア42戦目で初めてライト級で戦う。
プレリミでは何といってもライト級カブビ・ヌルマゴメドフ×マイケル・ジョンソンに注目したい。今年の4月に2年振りの復帰戦を160ポンドのキャッチウエイト勝利しているヌルマゴメドフは、これまで23勝0敗のパーフェクトレコードを誇る。前世界王者ハファエル・ドスアンジョス戦の勝利も含め、UFCでも7連勝中でいつタイトルに挑戦してもおかしくない実績と実力を誇っている。
一方のジョンソンは9月にダスティン・ポイエーを僅か95秒で倒し、MSGで戦う権利を手にした。ボクシング&テイクダウン、さらに極めというコンバットサンボ的に前に出て戦うヌルマゴメドフに対し、サウスポーで回って左ストレートを打ち抜く力が秀でているジョンソンが、いかにその前進力を封じ込めることができるか。ジョンソンが右に回り続けることができれば、ロシアンに初黒星がつくことも十分にありえる。
プレリミ・メインもニュージャージーから東部代表として元ライト級世界王者フランキー・エドガーが登場。NY進出への狼煙を上げるキャンペーンの中心を担っていたフランキーは、フェザー級世界王者としてMSGの舞台に上がることはできなかったが、ジェレミー・スティーブンスというスピード&破壊力のある相手と戦う。スタイル的にも手が合い、さらにフランキーの良さが明瞭になる相手といえるだろう。
メインカードはいきなり女子戦から。前女子バンタム級王者ミーシャ・テイトはその貢献が認められたのか、現在3連勝中のラケル・ペニントンと再起戦を戦う。ペニントンは現在インヴィクタFCでバンタム級王者に君臨するトーニャ・エヴィンガーをTUF18内で下しており、ホーリー・ホルムともスプリットにもつれる勝負を展開してきた。直近の試合ではタイトル挑戦経験なるベチ・コヘイアに競り勝っており、ミーシャにとって決して楽な相手とはなるまい。
続いて今年の2月のウェルター級転向移行、3連勝中のドナルド・セラーニがケルヴィン・がガステラムと対戦。セラーニはただ3試合連続で勝利しているだけでなく、3試合連続でフィニッシュ、そしてパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを獲得している。減量幅が狭まった影響か体が大きくなり、かつスピードが落ちていないカウボーイに対し、ガステラムも7月に元世界王者ジョニー・ヘンドリックスに勝利し好調だ。
肩幅が広くて胸板が厚い、そして背が低いガステラムは急所をカバーして圧力を掛ける。その前進をセラーニがミドルやジャブ、そしてヒザで止めることができるか。天井知らずで評価が高まるセラーニにとって、ウェルター級タイトル挑戦を実現させるためには、過去3戦に匹敵する試合内容が求められる一番だ。
世界戦前のセミファイナルは元ミドル級王者クリス・ワイドマンの凱旋マッチ。6月のダイレクトリマッチ=ルーク・ロックホールド戦を負傷で棒に振ったワイドマン。この間にミドル級王座はマイケル・ビスピンの手に移っており、ヨエル・ロメロ戦はタイトル挑戦権が掛けられた一戦とみて良い。
ロメロは昨年12月にホナウド・ジャカレに判定勝ちを収めたものの、ヒト成長ホルモンの一種であるイブタモレンの使用が確認され9カ月の出場停止に。しかし、ロメロは摂取していたサプリメントの成分表にイブタモレンが表記されておらず、不可抗力であったとUSADAを提訴。結果、ロメロの主張が認められ出場停止期間は6カ月に軽減され、ジャカレ戦の白星もそのまま公式記録として認められた。
身の潔白は一応、証明できたロメロだが王者ビスピンは「ステロイド野郎」と罵倒しており、ワイドマンに勝利して何とかビスピン戦を手にしたい。テイクダウンの瞬発力、パンチのパワーではロメロがワイドマンを上回ることは間違いない。ただし、ワイドマンには正確な打撃、スキを突くインサイドワークがある。両者とスタミナに不安が残るだけに、初回からの運動量が気になる試合だ。
ファイトナイト大会であれば、メインイベントでもおかしくないカードが並ぶ、NY大会。その歴史的なホーンが打ち鳴らされるまで、あと2日を切っている。
■ UFC205対戦カード
<UFC世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] エディ・アルバレス(米国)
[挑戦者] コナー・マクレガー(アイルランド/※フェザー級王者)
<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者] タイロン・ウッドリー(米国)
[挑戦者] スティーブン・トンプソン(米国)
<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] ヨアナ・イェンジェチック(ポーランド)
[挑戦者] カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド/2位)
<ミドル級/5分3R>
クリス・ワイドマン(米国/2位)
ヨエル・ロメロ(キューバ/4位)
<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国/6位)
ケルヴィン・ガステラム(米国/5位)
<女子バンタム級/5分3R>
ミーシャ・テイト(米国/1位)
ラケル・ペニントン(米国/8位)
<フェザー級/5分3R>
フランク・エドガー(米国/2位)
ジェレミー・スティーブンス(米国/7位)
<ライト級/5分3R>
カビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア/1位)
マイケル・ジョンソン(米国/6位)
<ミドル級/5分3R>
ラシャド・エヴァンス(米国/※ライトヘビー級8位)
ティム・ケネディ(米国/12位)
<ウェルター級/5分3R>
ベラ・マハメッド(米国)
ヴィセント・ルケ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
チアゴ・アウベス(ブラジル)
ジム・ミラー(米国)
<ミドル級/5分3R>
ティム・ボッシュ(米国)
ハファエル・ナタウ(ブラジル)
<女子バンタム級/5分3R>
リズ・カモーシェ(米国/9位)
ケイトリン・チューケイギアン(米国/14位)