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【Shooto】田丸匠と年の差20歳対決に臨む、漆谷康宏<01>「良い選手ですね(微笑)」

urushi【写真】Urushi DOJOキッズクラスの生徒たちと。「ちゃんと挨拶しろ」という先生らしい漆谷の言葉には感慨深いモノがあった (C)MMAPLANET

12日(土)、東京都文京区の後楽園ホールでケージ使用のプロ修斗公式戦「環太平洋ダブルチャンピオンシップ」が開催される。来年度よりエルボー全面解禁、そして階級の名称もユニファイドに合わせることが発表されたプロ修斗公式戦。

今大会は7月に続きケージが使用されイベント名にあるようにメインとセミで環太平洋王座決定戦が、フェザー級(61.2キロ)=岡田遼×石橋佳大、ライト級(65.8キロ)が平川智也と高橋遼伍の間で組まれている。

そんな同大会に2014年3月のONE14におけるアドリアーノ・モライシュ戦以来、2年8カ月振りの実戦復帰──国内のファイトはTTF以来3年1カ月振り、何より実に5年4カ月振りプロ修斗公式戦となる漆谷康宏が出場する。対するは昨年の新人王である田丸匠、年の差20歳マッチを戦うこととなったウルシを大田区蒲田に構えるTTM URUSHI DOJOに訪ねた。


──2年8カ月振り、プロ修斗に至っては5年4カ月振りの出場となります。この間、引退を考えたことはありませんでしたか。

「全然、ありました(笑)。う~ん、いつかはやろうと思ってはいたのですが、去年の3月にジムをオープンしてからは、忙しすぎて全く試合ができる状況ではなかったです。初めはやっぱり、そんなに上手くはいかないじゃないですか。思っていた通りにはいかなくて、指導があるので練習もできなかったです。

いざ体を作ろうかと思って練習をするとケガをする。その繰り返しで、なかなか試合ができる状態に持ってくる準備すらできていなかったです。でも、会員さんからは『先生、いつ試合をするのですか』って聞かれるので……自分のケジメじゃないですけど、もう1試合は……という気持ちはありました」

──ここに来て、修斗で試合をすることを決めた真意はどこにあるのでしょうか。

「ハッキリ言って、話をくれたのが坂本(一弘※サステイン代表)さんだったからです。それが9月だったかと……」

──では現在は試合に向けて練習できる環境が整ったということですか。

「今年の3月から7月ぐらいまでに60人ぐらい会員さんが増えて、そこがあったのでボーダーラインといって良い会員の数も100人を超えました。そこで経営的にも目途がついたというのもあります」

──復帰に関して奥様の反応はいかがでしたか。

「『はっ? やるの? やる必要なくない?』って感じでしたね(笑)。確かにそうなんだけど、ケジメもあるし。でも、ウチの嫁は試合に出ることに関しては、そこまで口を挟むことはないです」

──漆谷選手が、そこまでケジメをつけないといけないのはどういう部分に関してなのでしょうか。

「ジムをやっているからです。ジムをやっていなければ、試合をすることもなかったです。でも、VTJをジムの子や親御さんも見に行っていて、自分がケージの中で話したからか、もう次の週から僕を見る目が違っていました(笑)。『先生!!』みたいな感じになって」

──最後の雄姿を皆に見せたいということですか。

「それは試合が終わってみないと分からないです……。やっぱり、今回は不安が大きいですし。ピーク時と比較すると万全ではないのは確かです。来年だったらもう少し良い状態で試合ができるかなっていうのもありますけど、それこそそんなこと言ってもどうなるか分からないですから。

だから、今のタイミングなのかって。ここで先延ばししても、またケガをするかもしれない。正直、他からもオファーが貰えたなかで坂本さんが声を掛けてくれたのは、やっぱり何かの縁だと思います。自分は修斗に育ててもらったし、チャンピオンだったというのはありますし。

何より後楽園ホールでケージというのは大きいです。後楽園はデビュー戦を戦った特別な場所です」

──最後は後楽園ホールでという気持ちも?

「最終章ですから、残り何試合できるか。体が持たないです。体のことはやはり不安はあります。UFC後はケガが増えました。気が抜けたのかもしれないですけど、ONEに出ていた時は本当に体調的にはダメでした」

──では今回の試合に向けて、練習環境の方は?

「Tribe Tokyo MMAとRIKIX、ウチのプロ練習とフィジカルですね。スタミナは問題ないです。不安というのは試合勘、やっぱり2年半もブランクがあるので。そこがどう影響するのかは、ホント戦ってみないと分からない。

この間、練習していたらまた別だったんですけど、ほとんど指導に徹してきたので、まるまる1年以上は空白期間になっています。ほぼほぼ練習していない1年が、自分にどのような影響を与えているのか。これはスパーリングをしてどうこうではないので」

──そのような状況で40歳を迎えた漆谷選手が戦う田丸匠選手。20歳、まさにピチピチのヤングです(笑)。

「自分の子供でおかしくない年齢差ですよ(笑)。坂本さんから『話がしたいんだけど』といわれた時には、それはオファーだろうと予測はつくので、その時点で対戦相手は誰になるのかと考えたんです。

で、今はインフィニティをやっているし、ならベテランになるのか。ランボー(宏輔)かな、いやあの新人王の子は動きが良かったから、そこもあるなとは──すぐに考えました」

──では田丸選手の試合を直接見たことはあったのですね。

「3月に後楽園ホールで腕十字を極めた試合は見ました(※大里洋志戦)。あとは動画でVJTの試合なんかはチェックしています」

──どのような印象を持たれましたか。

「良い選手ですね(微笑)」

──何となく余裕が感じられるのですが(笑)。

「いや、それが分からないんですよ。自分がどこまでできるのか」

──UFCで戦っている頃の動きができれば?

「まぁ……そうですね。自分が一番良い状態の時だったら、『えっ、こんなカードを組んじゃって良いんですか?』ってことになりますよね」

<この項、続く>

■プロ修斗対戦カード

<環太平洋フェザー級(61.2キロ)王座決定戦/5分3R>
岡田遼(日本)
石橋佳大(日本)

<環太平洋ライト級(65.8キロ)王座決定戦/5分3R>
平川智也(日本)
高橋遼伍(日本)

<57.6キロ契約/5分3R>
漆谷康宏(日本)
田丸匠(日本)

<フェザー級/5分2R>
藤原敬典(日本)
じゅん(日本)

<フェザー級/5分3R>
猿丸ジュンジ(日本)
小堀貴広(日本)

<フェザー級/5分3R>
安藤達也(日本)
ケビン・クルーム(米国)

<ウェルター級/5分3R>
岡野裕城(日本)
児玉京大(日本)

<ライト級/5分2R>
齋藤翼(日本)
ハンセン玲雄(日本)国)

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