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【KBJJA BJJ PRO】KBJJA イ・ジョンウ代表に聞く。「堀江航選手に感動しました」

lee-horie【写真】イ代表が感銘を受けたという義足柔術家・堀江航は、マスター2青帯ライト級と同オープンクラスで準優勝を果たした(C)TSUBASA ITO

30日(日)、東京・墨田区総合体育館で開催されたKBJJA BJJ PRO JAPAN。優勝賞金やスポンサードの権利がかけられるなど、斬新な試みが話題を呼んだ今大会。主催したKBJJA(=韓国柔術連盟)のイ・ジョンウ代表に、総評や大会の意義、印象に残った選手などを聞いた。
Text by Tsubasa Ito


――大会の総評をお願いします。

「日本は試合のレベルが高いなと感じました。それに、大会運営もすごくいいですね。今回、主催はKBJJAでしたが、IF-PROJECT主管、JBJJF協力のもと大会が行われました。IF-PROJECTの安井祐太代表をはじめ、みなさんのサポートのおかげです。本当にありがたく思っています」

――日本の大会運営やシステムは、韓国に帰っても参考にしたいですか。

「韓国と日本、双方のいい点と悪い点を比較しながら修正していきたいです。大会を効率的に、より良いシステムで運営したいというのがKBJJAの理念ですから」

――韓国ではなく、日本で開催したのはなぜだったのでしょうか。

「日本は韓国より10年以上早くブラジリアン柔術が始まっているので、たくさんの時間を共有して仲良くしていければと思います。これからも韓国の選手が日本に来て試合をしたり、逆に日本の選手たちが韓国に行って試合をしたり、積極的に交流をして切磋琢磨していきたいです」

――両国のレベルアップにもつながりそうですね。

「今はブラジルやヨーロッパが強いので、同じアジアの国として、日本と韓国が一緒に試合をしながら、ブラジルにも負けないくらい強くなっていきたいという気持ちです」

――賞金トーナメントであることや、活躍した選手をスポンサードするという発想はどこから生まれたものですか。

「賞金があるメタモリス、ポラリスなどの大会を参考にして、私たちもそういった大会が開けたらいいなと思いました。安井代表と会議をしながら、大会をどう運営すればいいか、どうしたらもっといい大会を開けるのかを話し合って決めました」

――スポンサードする選手はいつ頃決まるのですか。

「相手方の事情もあるので、時期はわかりません。今日の試合を見て何人か候補がいるので、その選手たちに話を持ちかけて、契約が成立すればという形ですね」

――アダルト黒帯で唯一試合が成立したライトオープンクラスは、チアーゴ・フェリペ・ハタダ選手が優勝しました。

「決勝で戦った川嶋和哉選手もいい試合をしましたけど、チアーゴ選手のほうがテクニックもスキルも少し上回っているなと感じました」

――オープンクラスでは、マルキーニョスことマルコス・ソウザ選手の出場が注目を集めましたが、対戦相手の欠場により戦わずしてボンサイ勢のクローズアウトという結果に終わりました。

「私もそうですが、試合に出られなかったブルテリアボンサイの選手や、試合を見に来た関係者の人たちも残念だったと思います」

――その他で印象に残った選手は?

堀江は車いすバスケットボールやアイススレッジホッケーの選手としても、輝かしい実績を残している(C)TSUBASA ITO

堀江は車いすバスケットボールやアイススレッジホッケーの選手としても、輝かしい実績を残している(C)TSUBASA ITO

「マスター2青帯ライト級と同オープンクラスでともに準優勝したカルペディエムの堀江航選手です。

堀江選手は左足が義足の選手なのですが、本当にすごかったです。感動しました。最初に見た試合は、勝ちはしましたけど正直、運がよかったのかなと思ったんです。でも、次の試合も勝って、強いなと思いました。韓国でもハンデキャップを持った人たちが柔術を楽しめるようにしていきたいですし、日本のように大会にも出てほしいですね」

――身体的なハンデを抱えながら柔術をやっている人は、韓国は少ないのですか。

「そこまでの人はいません。でも、そういう人たちもできるのが柔術のすばらしいところです。打撃の場合は、手がなければ、目が見えなければできません。柔術はハンデがあっても楽しむことができると思います」

――今後の目標や展望を教えてください。

「来年またこういった大会を開催したいと思っています。今回は思ったよりも参加者が少なく、残念な面もありました。次回はたくさんの選手に出場してもらいたいですし、もっといい大会を開きたいです」

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