【Grandslam05】チェ・ヨンジュンと対戦する山田哲也<02>「僕の名前は読み上げられなかった……」
【写真】環境としては日本では考えられないのは写真でも伝わってくる。そんなタイガー・ムエタイではどのようなトライアウト、そしてトレーニングが行われているのだろうか(C)Tiger Muay Thai
11月3日(木・祝)、東京都江東区ディファ有明で行われるGrandslam05でチェ・ヨンジュンとの対戦が決まったONEファイター山田哲也インタビュー第2弾。
エドゥアルド・フォラヤン戦の敗北から立ち直るために辿り着いたタイガー・ムエタイのトライアウト。実際にプーケットの巨大ジムではどのようなオーディションが行われ、如何に山田はタイガー・ムエタイ所属ファイターとなったのかを尋ねた。
<山田哲也インタビューPart.01はコチラから>
──タイガー・ムエタイのトライアウトとはどのようなモノなのですか。
「MMAとムエタイに分かれていて、書類審査に通った者が集められました。MMAだけで40人ぐらいいて、そのうち4人ほどしか受からないということでした。
航空券は自分で買う必要があるのですが、滞在費も食事もジムが用意してくれていました。
初日に肉体的に追い込むようなフィジカルをビーチでやらされて、3時間後からグラップリング、レスリング、キックボクシング、ムエタイと3日間、1日に2つずつ審査を受けます」
──MMAに挑むタイ人はまだまだ少ないと思われるのですが、どこの国のファイターがトライアウトを受けにきているのでしょうか。
「タイ人はいなかったですね。ロシア人、オーストラリア人、イギリス人とか。ロシア人が多かったです。体重も関係なしにスパーリングをして、そこを技量や体力、精神力を見極められているようでした」
──手応えは?
「組み技の方はぶっちぎっていたし、これでダメならしょうがないと思えるぐらいやり切ってはいました」
──合否の結果も現地で伝えられるわけですか。
「ハイ。最終日に全てのメニューが終わってから全員が集められ、そこで合格した人間の名前が伝えられました」
──そして山田選手も無事、合格したと。
「それが……僕はその場で名前が呼ばれることはありませんでした」
──エッ?
「もう終わったと思いました。落胆して、肩を落としてその場を離れようとしたら、ジムの人間から『オフィスに来てくれ』って呼ばれて。テクニック的には負けてない、ただ合格の盾が4人分しかなかったから、あそこで名前を呼ばなかったんだけど、合格だって告げられました」
──何ともまぁ。逆に劇的ですが……しかし、良かったです。
「それなら、あの場で事情を話して名前を読み上げてくれよって本当に思いました(苦笑)」
──トライアウトに受かると、給料なども支給されるのでしょうか。
「いえ、ペイはないです。練習、滞在費は無料で食事も本当に安くしてもらっています。あとはウェアを支給されます。マネージメントも特にタイガー・ムエタイが全面的にするということでもなく、もともとのマネージメントと一緒にやっている感じです」
──どのように利益が出ているのでしょうね……。
「一般の練習生を採っていないですし、それでもトライアウトに合格していない海外の選手も、ジムに指導料や滞在費を支払って練習しています。やはりタイは滞在費や生活費が安いので、その分だけ練習に集中できるというメリットがあるようです」
──なるほど。山田選手もそのままプーケット在住に?
「いえ、一度帰国して3週間ほど準備し、5月から7月まで3カ月間ビザがある間に向こうにいました。一度8月に戻って、また9月からこの間まで行っていました」
──現地時ではどのような練習が行われているのでしょうか。
「MMAに関してはケージもありますし、コーチが米国人なのでそれほど日本でやってきたことと変わりないです。ただし、フィジカルは本当に重視されていますね。
ムエタイはタイ人トレーナーが40、50人といます。ムエタイとフィジカル、それにグラップリングも合宿状態で世界中から練習生が集まってきていました。
MMAではプロフェイターは20人ぐらいが常時、滞在していて。あとは試合前になるとやって来る選手もいます」
■Grandslam05対戦カード
<フライ級/5分3R>
伊藤盛一郎(日本)
内藤頌貴(日本)
<70.3キロ契約/5分2R+EXR>
竹内幸司(日本)
鈴木淑徳(日本)
<ライト級/5分3R>
山田哲也(日本)
チョ・ヨンジュン(韓国)
<ライト級/5分3R>
星野大介(日本)
クイントン・アレンサ(南アフリカ)
<ライト級/5分2R+EXR>
上田厚志(日本)
高橋了介(日本)
<バンタム級/5分2R+EXR>
論田愛空隆(日本)
平田純一(日本)
<ミドル級/5分2R+EXR>
YOSUKE(日本)
降矢浩希(日本)