【Bellator108】フェザー級Tファイナル、フレイレに隙無し??
【写真】まさに闘犬のような戦闘意欲を見せるパトリシオ・フレイレ・ピッチブゥと、ザッツ・アメリカン・レスラーなジャスティン・ウィルコックスの間でシーズン9フェザー級Tファイナルが行われる (C)MMAPLANET
15日(金・現地時間)、ニュージャージー州アトランティックシティでBellator108が開かれる。メインでランペイジ・ジャクソンが、ジョーイ・ベルトランと対戦する同大会ではロシア人同朋対決となった世界ヘビー級戦アレキサンダー・ヴォルコフ×ヴィタリー・ミナコフ、さらにシーズン9フェザー級T決勝パトリシオ・フレイレ×ジャスティン・ウィルコックスという注目のカードも用意されている。
シーズン2、シーズン4に引き続きベラトール史上初となる同一階級で3度目のトーナメントファイナル進出となったフレイレ。過去2度の決勝戦は、ジョー・ウォーレンにスプリット判定負け、ダニエル・ストラウスに3-0の判定勝ちとなっている。つまり元&現世界王者に1勝1敗という結果で、かつ敗れたウォーレン戦も初回を圧倒的に取り、2Rはジャッジが分かれ、3Rをウォーレンという現代MMA的スコアリングで敗れたに過ぎない。スタンドで肩固めを極めかけ、パンチで倒してからマウントを奪取した戦いは、彼を敗者に見せなかった。
そして11月2日にパット・カーランを破って世界王者となったストラウス戦では、ウォーレン戦の敗北からの学習か、オフェンシブ・ディフェンダーのストラウスに対し、手数と仕掛けで勝負。レフェリーから印象点を稼ぎゲームメイキング合戦を制している。強さと巧さを併せ持つようになったフレイレは、パット・カーランとの世界戦こそ再びスピリットの判定で落したが、ここでもボクシングに長足の進歩を見せていた。
【写真】元UFCファイターのディエゴ・ヌネスとの負けられない戦いでは、下がりながらの左ショートフックでダウンを奪い、追撃のパウンドで僅か79秒でTKO勝ちした(C)MMAPLANET
今、まさにピークに登り詰めようというフレイレは、シーズン9でもあらゆる局面で強さを発揮している。初戦のディエゴ・ヌネス戦では下がりながらショートの左フックで一発KO勝ち。下がりながら前の手で元UFCファイターを葬る、そのタイミングの見極めと瞬発力の強さを披露した。続く準決勝ではファブリシオ・グェレーロを相手に際の強さ発揮。特にテイクダウンを取られそうになった直後のスイープの仕掛けからスクランブルを制する動きは見事だった。
まさに隙がなくなったフレイレに対し、ウィルコックスの強さはやはりフィジカルとテイクダウンになるだろう。急遽代役で出場が決まった彼は、初のフェザー級戦でアコップ・ステパーニャンから大逆転のRNCで一本勝ちし、準決勝のジョー・タイマングロ戦は徹底したテイクダウンとトップキープで判定勝ちを掴んでいる。驚くほど発達した広背筋を持つウィルコックスにとって生命線はやはりテイクダウン。ただし、立ち技のステップワークと細かいパンチの駆け引きではフレイレが上回るので体力のある間、加えてフレイレの目がウィルコックスの動きに慣れていなく、さらに汗をかく前にテイクダウンを奪って削っていきたい。
【写真】ローのディフェンスに難のあるウィルコックス、彼のスタイルと現代MMAの相性の良さから勝機を見出したい(C)MMAPLANET
つまりウィルコックスが流れを掴むには、序盤にテイクダウンを奪取し初回を取ることが不可欠だ。それでもフレイレは巧みなヘッドスリップ、ヒザ蹴り、スクランブルのためのリバーサルと武器を揃えおり、ウィルコックスがペースを掴むことは生半可ではない。ステパーリャン戦でローの受けに難点があることも露呈しているウィルコックス、もちろんフレイレには彼が初戦で対戦したロシア人のようなリーチやコンパスはないが、踏み込みと引き出しの多さは体格面でのディスアドバンテージを補って余りある。シーズン9フェザー級決勝、事前の予想ではフレイレが圧倒的に有利――ということになる。
■ Bellator MMA 108 対戦カード
<ライトヘビー級/5分3R>
ランペイジ・ジャクソン(米国)
ジョーイ・ベルトラン(米国)
<Bellator世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)
ヴィタリー・ミナコフ(ロシア)
<シーズン9フェザー級T決勝/5分3R>
パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
ジャスティン・ウィルコックス(米国)
<バンタム級/5分3R>
マルコ・ロウロ・ガルバォン(ブラジル)
トム・マッケンナ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
チップ・モラザ・ポーラ(米国)
サム・オロピーザ(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
トム・デブラス(米国)
ジェイソン・ランバート(米国)
<180ポンド契約/5分3R>
ナフション・バレル(米国)
ジーザス・マルチネス(米国)
<ライト級/5分3R>
ケニー・フォスター(米国)
アンソニー・モリソン(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
リアム・マッゲーリー(英国)
ナジム・ワリ(米国)
<フェザー級/5分3R>
ウィル・マルチネス(米国)
ケビン・ロッディ(米国)
<フェザー級/5分3R>
ライアン・カファロ(米国)
ダン・マタラ(米国)
<バンタム級/5分3R>
セルジオ・ダシウバ(ブラジル)
ロバート・サリヴァン(米国)