【UFC FOX21】倒し、立たせて→バック奪取=マイア・ワールドに対し、コンディットの対抗策は??
【写真】現代MMAで勝ち残る柔術を磨いてきたマイアに対し、コンディットの打開策は? (C)MMAPLANET
27日(土・現地時間)にカナダはブリティッシュコロンビア州バンクーバーのロジャース・アリーナでUFC on FOX21「Maia vs Condit」が行われる。メインは大会名にある通り、デミアン・マイアとカーロス・コンディットのウェルター級の一戦だ。
7月のUFC201でロビー・ローラーからチャンピオンがタイロン・ウッドリーに代わったウェルター級戦線。ここでランク4位のマイアと5位のコンディットが戦った結果が、タイトル戦線に影響しないわけがない。
柔術セレブ、マイアは現代MMAにおいてジャカレ・ソウザと並び、柔術の技術を使いこなすことができるファイターだ。スクランブルの攻防に持ち込んで、バックを制すると果てしないマイア・ワールド、いや対戦相手からすればマイア地獄が展開される。
倒して、立たせバックを制して背中に飛び乗る。今では前方に振り落されることを嫌い、ここまで積極果敢にスタンドで両足をフックしてくるファイターは、実は世界最高峰のUFCにあってもさほど存在しない。そんなリスクの高いポジションを取れるマイアは、5月にバックコントロール漬けからRNCでマット・ブラウンに圧勝するなど、現在5連勝中だ。コンディットを相手にしブラウンやニール・マグニー戦のように圧倒的な勝利を挙げることができれば、2010年4月にミドル級王座に挑戦して以来、階級を変えて2度目の世界王座挑戦に近づけるはずだ。
一方、元暫定世界ウェルター級王者のコンディットは今年の1月に前世界王者ローラーに挑戦し、激闘の末スプリットで惜敗。それ以来の再起戦となる。WECからUFCに戦場を移して7年、コンディットにはいわゆるチューン・ナップ的な試合は一切ない。ジェイク・エレンバーガー戦、ダン・ハーディ戦、キム・ドンヒョン戦に勝利し、ニック・ディアスに勝利して暫定王者に。GSPとの統一戦に敗れてなお、ジョニー・ヘンドリックス戦、マーチン・カンプマンへのリベンジと痺れるような勝負を繰り返してきた。
経験値というゲージが画面に表れるなら、キャリア40戦目でタフな試合しか戦っていないコンディットの数値はチャンピオンを上回るだろう。そんなコンディットだからこそ、マイアのバック地獄に対し自分のやるべきことは理解しているに違いない。
それは──決してテイクダウンを許さないことではない。もちろん、テイクダウンを取られないにこしたことはなない。ただし、余りにそこに比重を置くと、倒された時の精神的ダメージが大きくなる。倒されることはしょうがない、大切なことは胸を合わせて立つこと。だからといって立ち上がり際にバックに回れることを嫌い、ガードワークを選択すると、それこそマイアの柔術に圧倒される。
バックを許さない、それにはどうするか、倒されてもマイアでなく、ケージを背負うこと。一番の注意はマイアが動くより先に、金網に密着する。マイアが足を入れる隙間を与えない。もしくは、どれだけポジションを許しポイントを落とそうが、一本を取られないことだけを考えてディフェンスに徹底する。
序盤の2Rはもちろん、3Rすらそうやってラウンドを譲り、マイアが疲弊するのを待って逆転を狙うのも手だ。マイアのコントロールの巧さは誰も手が付けられない。と同時に、組んで倒すまでの神経と力の使いようも相当なモノで、1Rを圧倒しても2R、3Rと落とすのが彼の負けパターンだ。
なによりは、今回の試合はメインイベントで5R制だ。組んで倒す、でも極めきれない──という展開を序盤の10分耐え忍ぶことができれば、マイアのテイクダウン能力も落ちる。それでもガード+潜り、そしてシングルレッグでスイープ狙いという鉄板攻撃もあるが、ここでもすべきことは同じ。背中を譲らない。足を抜くよりも、ケンケンをしてでも金網に移動すること。
幸い、距離を取ることに関しては長けているコンディット。マイアがサウスポーの構えから、右手で左足を取りに来ることは百も承知だ。この誰も理解し、かつ防げなかった仕掛けに対し、まずはコンディットが序盤でどのような楔を打つか。そして、倒されてもバックを譲らない、あるいは許しても一本を取られなければ、コンディットの攻め時が絶対にやって来る。逆をいえばマイアサイドとしては、疲れる前に極めきれることができるか──が勝負の鍵を握って来る。
■ UFC FOX21対戦カード
<ウェルター級/5分5R>
デミアン・マイア(ブラジル/4位)
カーロス・コンディット(米国/5位)
<フェザー級/5分3R>
アンソニー・ペティス(米国/※ライト級7位)
シャーウス・オリベイラ(ブラジル/6位)
<女子ストロー級/5分3R>
ペイジ・ヴァンザント(米国/10位)
ベック・ハイアット(豪州)
<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
ジョー・ローゾン(米国)
<ミドル級/5分3R>
サム・アルヴィー(米国)
ケビン・ケイシー(米国)
<ライト級/5分3R>
チャド・ラプリーズ(カナダ)
チバウト・グーチ(フランス)
<フェザー級/5分3R>
エンリケ・バルゾラ(ペルー)
カイル・ボクニアク(米国)
<ライト級/5分3R>
シェーン・キャンベル(カナダ)
フィリッピ・ドラド(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
ギャリス・マクレラン(南アフリカ)
アレッシオ・デキリコ(イタリア)
<バンタム級/5分3R>
マルロン・ヴェラ(エクアドル)
ニン・グォンユ(中国)
<ミドル級/5分3R>
ライアン・ジェーンス
アダム・ハンター(カナダ)