【UFN95】ハニ・ヤヒーラ戦が決まった田中路教 「ブラジルでブラジル人? 逆境が力になる」
【写真】収録スタジオのマイクスタンドの付属部品、ウィンドスクリーン(風よけ)をマイクと勘違いしシャウトする田中、子供だ(C)MMAPLANET
9月24日(土・現地時間)、ブラジルはブラジリアのジナーシオ・ニルソン・ネルソンで開催されるUFC Fight Night95「Cyborg vs Lansberg」でハニ・ヤヒーラと対戦する田中路教。
鬼門といえるブラジルでのブラジル人との戦いこそ、田中にとって自己表現の場といえる。
――ハニ・ヤヒーラ戦、オファーはいつ頃だったのですか。
「いつだったかなぁ、そういうのはあんまり覚えていないんで。ユーチャク(中村優作)がフィリピンで試合をする前ぐらいだったと思います(笑)」
――まず、ハニ・ヤヒーラの名前を聞いたときはどのような気持ちになりましたか。
「まぁ良い相手だなって」
――自信有り、と。
「自信は誰と戦ってもあります、とりあえず(笑)」
――ブラジリアはハニの地元です。
「う~ん、まぁブラジルだって聞かされたときもアウェイだなぁって思ったぐらいです。アウェイは久しぶりなので。それと遠いな、と(笑)」
――ジョー・ソト戦のように、米国で米国人と戦うのはアウェイじゃない?
「まぁPXCでカイル・アグォンとグアムで、クリサント・ピットピットンゲとフィリピンで戦った時とは違いますよね。でも、そんなことより遠い方が嫌だって感じたぐらいです」
――誰もが嫌がるブラジルでのブラジル人との試合です。
「できればブラジルじゃない方が良いですよ。飛行機に20時間以上も乗っているのは苦痛でしかないし。でも、ブラジルには行ってみたかったので」
――ブラジルに行きたいというのは、ブラジルで試合がしたかったということですか。
「そうですね、試合もしてみたかったですし、ブラジルという国はあまり行く機会がないし。独特で楽しそうだから、行ってみたいと思っていました」
――自分の場合は別世界だと捉えているので、楽しめるということはありました。
「そういうのを試合でないときに味わいたいというのはありますけど、試合の時でも楽しめるんじゃないかって」
――強心臓振りが伺えます。
「遠いのもアウェイも、僕のなかではそんなに嫌なことじゃない。みんな、そういう部分に気にしすぎて気持ちが落ちるっていうのがあると思うけど、逆境は力に変えることができる。
だから、ブラジルなので嫌ってことはなくて、すぐに了承の返事をしました。
ブラジルでの試合だから断るっていうのは、僕のなかではないです。ケガがあったり、ユーチャクのサポートを受けることができない状況なら、試合を受けるかどうか考えないといけないですけど。試合を戦える状態を作れるのに、戦う場所でオファーを断ることはないです」
――なるほど。ではハニ・ヤヒーラという相手に対して、どのような印象を持っていますか。
「日本人とよく試合をしているし、テレビで見ていた選手。強い選手です。ただ、僕が目指しているのはチャンピオンなので、どんな選手とどこで戦っても負けるわけにはいかない。ましてやハニ・ヤヒーラはランキングに入っていない選手なので、今の自分なら勝てるという自信を逆に持っていないとダメだと思います」
――きれいな試合をする選手でなく、初回を徹底的に取りに来る。そして、最後はバテてもバテ切らない。
「粘り強さは相当です。ただし、僕には跳ね返す力がある。そういう相手をハニ・ヤヒーラは苦手にしています。多分、自分のペースに合わせてくれる選手は得意にしているけど、チャド・メンデスのように一発で跳ね返すことができる相手には、それほど強くない」
――バーンと跳ね返す。アレ?っと思っている間に倒され、バックに回れることはない?
「ハハハ。う~ん、そこは分からないです。でも、自信はあります」
――では1月のソト戦以来、一番伸びたと自信が持てる部分はどこですか。
「これは前から同じことを言うことが多いのですが、打撃です。打撃が伸びたことで、テイクダウンのタイミングも良くなっています」
――最近はひかりTVのUFC中継の解説をしていても、着眼点が明らかに打撃の距離、タイミング、角度になっています。
「そうですね、それもユーチャクのお陰です。ユーチャクと練習することで、自信を持つことができるようになりました。ユーチャクは大阪にいることも多いのですが、毎日のように連絡を取り合っています。
サクラメントに一緒にいたときはジムだけでなく、宿泊先に戻ってからもずっと指導を受けていたし」
――中村選手は大阪、夜叉坊選手がサクラメントにいた間は田中選手はどのようなトレーニングを東京で行っていたのですか。
「打撃に関しては、ユーチャクから与えられた宿題を自主練習でこなしていました。組み技の方はHERTS、MMAはKRAZYBEEでやらせてもらっています。今の自分に必要な練習は、この2つでできています。ただ、また大阪に行ってユーチャクに合流する予定です。僕の成長にはユーチャクが必要なので」
――なるほど。では、あのねちっこいハニ・ヤヒーラをスカッとした勝利を挙げられること期待しています。
「スカッと勝てた選手は最近、いないですよね? でも、ここを乗り越えて実力を示ししたいです」