この星の格闘技を追いかける

【UFC200】正常進化あるのみのエドガー&ステップ、ベルトを失ったアルドの精神面は……

Edgar vs Aldo【写真】前回の対戦終了後の両者。今回はどのような顔で試合終了を迎えるのだろうか (C)MMAPLANET

9日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC200「Cormier vs Jones 2」はPPVカードで世界戦が3試合も組まれている。王座統一戦、王座防衛戦、暫定王座決定戦とそれぞれの状況が違うチャンピオンシップ、ここでは主役がフェイドアウトしているフェザー級暫定王座決定戦に着目したい。

正規王者コナー・マクレガーが、階級を超えたチャレンジを始めるや、引退騒動まで巻き起こしウェルター級でネイト・ディアズと2連戦。フェザー級に戻って来る兆しが見えないなか、前王者ジョゼ・アルドとフランキー・エドガーの間で暫定王座決定戦が行われることとなった。

この両者、2013年の2月に王者アルドにライト級から転向してきたエドガーが挑むという状況で一度対戦しており、その時は5Rの激闘の末にアルドが王座防衛を果たしている。徹底してエドガーのテイクダウンを警戒していたアルドは、自らが攻勢に出るためのローキックという最大の武器を捨ててまで組みつかれることと嫌った。

その結果、クリーンテイクダウンダウンを許すことなく、組まれてもバックに回られて崩されるところで攻防を打ち切ることに成功。自らはカウンターパンチ中心の受け身型ファイトでポイントアウトした。

顔面を腫らしながらも、能動的に動いていたエドガー陣営は、この敗北を受け入れがたい様子ではあったが、テイクダウンできなかったことでアルドの勝利は妥当とも思えた。あれから3年5カ月を経ての再戦──昨年末にアルドはマクレガーに13秒で敗れ王座から陥落。その3日後にエドガーはチャド・メンデスから2分28秒でKO勝ちを収めている。

小刻みなステップで相手を翻弄し、テイクダウンに結びつけるエドガーにステップ中でのKOパンチが備わったことは大きい。ただし、それはメンデスのようにエドガーのステップに付き合い、殴り&倒しに来るファイターだから可能だったのか。前回のアルドのように待ちのファイターを、ステップを踏み続けることで前に出てくるように追い込むことは可能なのか。この辺りに勝負の鍵が隠されている。

加えて気になるのは、アルドの精神面だ。無敵を誇った前チャンピオンは、10カ月の長期に渡りマクレガーのペースに巻き込まれ、オクタゴンに足を踏み入れるや我を失ったかのように前に出て敗れた。あの敗北を経験してなお、今回の対戦でアルドは自信を持って待ちの姿勢を作ることができるのか。あるいは前に出られなくなって待ちの姿勢を維持するようになるのか。同じカウンター狙いでも、この差は大きい。

アルドが以前のような自信を持ってエドガー戦を迎えていた場合、狙いは短いステップ故に両足が揃うタイミングでパンチを打ち込む。そうすれば、姿勢が崩れジャッジに好印象を与えることができる。そんな高度な動きが可能なのか、往時のアルドにはデキる。

エドガーの戦い方は、大きな変化はないだろう。正常進化バージョンが見られるのみ。対して、アルドは試合開始までどのようなファイトを見せられるのか、不安が残る。まずはファイトウィークに入ってからのアルドの言動、公開計量時の肌艶、視線などを探ってみたいものだ。


■ UFC200対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級統一王座決定戦/5分5R>
[王者] ダニエル・コーミエー(米国/正規王者)
[挑戦者] ジョン・ジョーンズ(米国/暫定王者)

<ヘビー級/5分3R>
ブロック・レスナー(米国)
マーク・ハント(ニュージーランド/8位)

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ミーシャ・テイト(米国)
[挑戦者] アマンダ・ヌネス(ブラジル/4位)

<UFC世界フェザー級暫定王座決定戦/5分5R>
ジョゼ・アルド(ブラジル/1位)
フランク・エドガー(米国/2位)

<ヘビー級/5分3R>
ケイン・ヴェラスケス(米国/2位)
トラヴィス・ブラウン(米国/7位)

<女子バンタム級/5分3R>
キャット・ジンガーノ(米国/3位)
ジュリアナ・ペニャ(米国/5位)

<ウェルター級/5分3R>
ジョニー・ヘンドリックス(米国/6位)
ケルヴィン・ガステラム(米国/12位)

<バンタム級/5分3R>
TJ・ディラショー(米国/1位)
ハファエル・アスンソン(ブラジル/3位)

<ライト級/5分3R>
セイジ・ノースカット(米国)
エンリケ・マリーン(スペイン)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・サンチェス(米国)
ジョー・ローゾン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ゲガール・ムサシ(オランダ/8位)
チアゴ・サントス(ブラジル/15位)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
五味隆典(日本)

PR
PR

関連記事

Movie