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【UFC200】シン・レスナー×マーク・ハント ラスベガスSOS

Lesnar vs Hunt【写真】まさに怪獣大決戦。MMA進化論も関係ない、砂漠の決戦で見られるモノは…… (C)MMAPLANET

9日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC200「Cormier vs Jones 2」で元UFC世界ヘビー級王者ブロック・レスナーが復帰し、マーク・ハントと戦う。


世界戦2試合より上、セミファイナルで組まれたレスナー×ハント。レスナーのMMA出場は2011年12月30日のアリスター・オーフレイム戦以来、実に5年7カ月振りとなる。この間、ハントは7勝7敗だったキャリアを12勝10敗1分まで押し上げ、3つの敗戦はスタイプ・ミオシッチ、ファブリシオ・ヴェウドゥム、ジュニオール・ドスサントスと世界王者に喫したのみ。

一見、豪快にパンチを振り回している感のあるハントだが、これ以上ないほど精度の高い打撃を繰り出している。ハントのKOはほぼ狙いすましたパンチで成立しており、それも唐突ではなく、試合開始から順序立て、組み立てられている。テイクダウン狙いの相手にはアッパーで上体を仰け反らせ、打撃系には近距離は左右のフックを振るっていく。それらのパンチの残像を脳裏に残させ、狙い通りフィニッシュブローに導くのがハント流だ。

そんな戦いが可能になったのは、テイクダウンディフェンスとスクランブル能力を高めたからに他ならない。組まれて、倒されてもスタンドに戻れば試合を決めることができる。自信と組み技御防御力が一致した時に、MMAにおけるハントの豪腕は他に比類できない次元に達した。

そんなハントと5年7カ月振りのMMAで戦う。常識的に考えて、レスナーの勝機は限りなく低い。そうでないと、この間のMMAの進化が意味を失くしてしまう。得意なはずのテイクダウンも、何度続けることができるだけのスタミナがあるのかも危惧される。

ハントが非情な真実をレスナーに教えることとなるのか。それとも、現時点での現実を超える真実をレスナーがオクタゴンのなかで見せつけることがあるのか。どれだけ戦えるのかまるで予測不能、それでも何かをするのではないかという幻想をレスナーは生み出すことができるのだろうが、果たして……。MMA復帰に関して、レスナーはUFCの公式インタビューで以下のように語っている。

「5年振りの試合だけど、前回のアリスター戦は手術から4、5カ月後でフィジカルが万全でなかった。ダナ・ホワイトからの連絡で、またMMAを戦うことにしたけど5年は長い。でも、キャンプも最高だったし、凄く充実している。

MMAで戦うことを決めた時もそうだったけど、ただ戦いたいと思ったのがその理由だ。今回もUFC200で戦いたい、NYで戦いたいって思ったんだ。マーク・ハントが重いパンチの持ち主だということは百も承知している。でも俺のパンチが当たれば、ヤツは倒れる。倒せる相手だよ。もう、100万回もイメージしてきた。全ての面で準備はできているよ。

この間、WWEで活動していたし、グッドシェイプを保てている。エクササイズを続けてきた。それにWWE、プロレスリングのシェイプから、アルティメット・ファイティングに移行するのは困難じゃないんだ。

今回、UFCで戦うことに関してビンス・マクマホンと話した。彼は契約を熟知しているし、人生も分かっている。何よりブロック・レスナーがハッピーな方が、自分も仕事が進めやすいことを理解しているんだ(笑)」(要約)

■ UFC200対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級統一王座決定戦/5分5R>
[王者] ダニエル・コーミエー(米国/正規王者)
[挑戦者] ジョン・ジョーンズ(米国/暫定王者)

<ヘビー級/5分3R>
ブロック・レスナー(米国)
マーク・ハント(ニュージーランド/8位)

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ミーシャ・テイト(米国)
[挑戦者] アマンダ・ヌネス(ブラジル/4位)

<UFC世界フェザー級暫定王座決定戦/5分5R>
ジョゼ・アルド(ブラジル/1位)
フランク・エドガー(米国/2位)

<ヘビー級/5分3R>
ケイン・ヴェラスケス(米国/2位)
トラヴィス・ブラウン(米国/7位)

<女子バンタム級/5分3R>
キャット・ジンガーノ(米国/3位)
ジュリアナ・ペニャ(米国/5位)

<ウェルター級/5分3R>
ジョニー・ヘンドリックス(米国/6位)
ケルヴィン・ガステラム(米国/12位)

<バンタム級/5分3R>
TJ・ディラショー(米国/1位)
ハファエル・アスンソン(ブラジル/3位)

<ライト級/5分3R>
セイジ・ノースカット(米国)
エンリケ・マリーン(スペイン)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・サンチェス(米国)
ジョー・ローゾン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ゲガール・ムサシ(オランダ/8位)
チアゴ・サントス(ブラジル/15位)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
五味隆典(日本)

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