【PXC40】田中×水垣 「強くなる速さ尋常でなかった」(水垣)
【写真】共通点は『強心臓』。日本バンタム級を支える2人の対談は、笑いの絶えないモノとなった(C)MMAPLANET
25日(金・現地時間)にグアムのUOGフィールドハウスで開催されるPXC40。同大会には日本から4選手が出場し、メインで田中路教が地元のカイル・アグオンの挑戦を受け、PXCバンタム級の王座防衛戦に臨む。
若いケージファイティング王者は、先週の土曜日に追い込み練習を切り上げた。そんな田中をアマチュア時代から知るUFCバンタム級10位・水垣偉弥。12月7日(土・同)の豪州大会でナム・ファンとの対戦が決定している水垣と田中が、プロ練習で汗を流すようになって4年が過ぎた。日本を代表するバンタム級ファイターに互いの強さ、そして次戦について語ってもらった。
──今週金曜日にPXCバンタム級王座初防衛戦が控える田中路教選手と12月7日にUFCでナム・ファン戦が控える水垣偉弥選手です。田中選手、現在の体調は如何ですか。
田中 いつも通りバッチリです。体調に関しては、特に何も変わりないです。先週の土曜日まで追い込みをやって、火曜日まで練習して終ろうかと思っています。
──追い込みの間、二人で練習することはありましたか。
水垣 最後の方にチョロっとやりました。
田中 水垣選手は試合後だったので、あまりグランドスラムの方の練習には来ていなかったので。
水垣 いいね。そのフォロー、いいからね(笑)。
──前の試合……8月28日ですよね(笑)。
水垣 ちょっと、1カ月ほど自転車を漕いでいました(笑)。だから、2~3週間ほどですけど一緒に練習したのは。でも、何も問題ないと思います。本当にノリが言っているようにいつも通りだし、むしろ前回よりもランニングとか調子も良さそうですしね。ノリとはランニングやフィジカルも一緒にやることが多いので。同じような練習をしているから、顔を合わせる機会も少なくないんです。
まぁ、ノリの調子が良いということは、僕は寝技ではやられてしまう場面が多いということなんですけど(苦笑)。試合後に休んでいたから、その変化に気付きやすいんですけど、爆発力のレベルが一歩上がっていました。テイクダウンの決定力も上がっています。また、さらに強くなっています。
──田中選手は随分と余裕で今の水垣選手の言葉を聞いているような感じがしますね(笑)。
田中 いやいやいや、なんでそんなこと言うんですか(笑)。
水垣 それぐらい言わせてね。こっちにも立場というものがあるから(笑)。
──という感じのUFCバンタム級10位の水垣選手と、普段から練習できることを田中選手はどのように捉えているのですか。
田中 僕のなかで水垣さんは、日本人で一番結果を残しているんで、水垣さんと同じような練習をしようというのはいつも頭にあります。だから、レスリングも法政大学に連れて行ってもらっていますし。う~ん、……。
水垣 何、その間は? あんまり褒めるところが無いってこと?(笑)。
田中 いや、ほんと勘弁してください。そんなこと思っていないですから。でも、本当に練習メニューが同じなんですよね。
水垣 そうだよね。追い込みの時期が重なると、1日に2回ぐらい会っているんで。ただ、今回は八景で会うことはなかったんだよね。
田中 ハイ、相手がサウスポーなんで。グランドスラムで打撃もやってきました。
──今回の試合はカイル・アグオンがサウスポー、そして水垣選手が試合後ということもあり、打撃の練習を八景ジムで行わなかったということですが、そもそも八景ジムで練習しようと思ったのは、やはり水垣選手の存在があったからなのですしょうか。
田中 もう、グランドスラムの朝練(MMAスパー)のときの水垣さんとは全然違っていて(笑)。
水垣 そんなことは無いけどなぁ。朝練は朝練で必死にやって、打撃は打撃で一生懸命やっているから。
田中 打撃スパーは水垣さん、怖いっす(苦笑)。
水垣 打撃スパーは……、『は』がつくからね。僕も寝技のスパーのノリさん、怖いです(笑)。でもね、ノリと練習やっていたから、エリック・ペレスに詰められても大丈夫だった。ノリなら抑え込まれるからね。
田中 ありがとうございますっ!!
──ところで二人が一緒に練習するようになったのは、いつぐらいからなのですか。
水垣 グランドスラムが出来て、すぐ。朝練が始まった時には、アマチュアなのにもう出ていたんじゃないですかね。だから、2009年の始めぐらいからやっています。最初は力があって、柔道の地もあるし、そのうち強くなるだろうなって思っていました。そうしたら、強くなるスピードが尋常じゃなく速かったです。
ビックリしました。『アッ、俺、ここで抑えられなくなったか』というのが、次から次へと出てきて。あっという間に、寝技は抜かれちゃいましたね。
──水垣選手にギャフンといわされたことなんて、なかったのですか。
田中 いや、あります。ありますよ。アハハハ。でも、水垣さんは朝練のときメチャクチャ、優しくて。それはアマチュアの間では有名だったんです。打撃を思い切り打ってくることもなかったですし。凄くやさしくやってもらっていました。
水垣 それは見くびりすぎ。優しいんじゃなくて、MMAグローブだと拳が心配だから、思い切り打たないだけで。ただ、打てなかっただけだよ。
田中 仏の水垣さんって呼ばれていたんですけど、そういうことだったんですね。
水垣 仏の水垣さんも、組技ではもう2、3年前に追い抜かれてしまいましたからね。ハハハハ。でも、組技なんだし、ノリには僕なんか抜いて、強くなって貰わないと。ノリが強くなると、僕にも強い練習相手ができるということなんで。
田中 そうは言ってもらえますけど、八景でスパーをしたことのある人間なら、僕の『水垣さんが一番』という言葉、絶対に納得できると思います。結局、MMAの組技はガチの打撃のプレッシャー有きで考えないといけないので、MMAスパーの水垣さんと試合の水垣さんは絶対に違うはずです。練習では入れても、試合では入れないと思います。
──では、逆に水垣選手とすれば練習では取られても、試合では違うよという気持ちを持っているということでしょうか。
水垣 もちろん。いや、多分……(笑)。アハハハ。
──それにしても水垣選手は、最近、言動に余裕が感じられます。
水垣 去年の今頃とは違いますね。クリス・カリアソに負けたままだったので、塞ぎこんでいましたからね。
田中 今は3連勝の余裕が感じられます(笑)。
水垣 そう? あんまり余裕こいていると、すぐに痛い目にあうから気を付けようとは思っています。それに、本当にここからだと思っているので。
■ PXC40 対戦カード
<PXCバンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]田中路教(日本)
[挑戦者]カイル・アグオン(グアム/米国)
<フェザー級/5分3R>
タクミ(日本)
ウィル・チョープ(フィリピン)
<女子ストロー級/5分3R>
VV Mei(日本)
パトリシア・ヴィドニック(米国)
<フライ級/5分3R>
ジョシュ・ドゥエナス(北マリアナ諸島/米国)
マクレーン・アルフレッド(グアム/米国)
<ライト級/5分3R>
加藤忠治(日本)
タイロン・ジョーンズ(グアム/米国)
<フェザー級/5分3R>
カイル・レイジェス(グアム/米国)
キム・テギュン(韓国)
<バンタム級/5分3R>
シェーン・アルバレス(北マリアナ諸島/米国)
パク・ハンビン(韓国)
<バンタム級/5分3R>
トレヴィン・ジョーンズ(グアム/米国)
アルヴィン・カクダック(米国)
<バンタム級/5分3R>
ジェイ・タイロン(グアム/米国)
ロマン・アルバレス(グアム/米国)