【UFC】カブ・スワンソンが語るUFCフェザー級戦線<01> 「勝ち続けていればタイトル挑戦権は……」
【写真】キャリア29戦22勝7敗。UFCで6勝3敗、WECでは5勝3敗。あらゆるトップファイターと拳を交えてきたカブ・スワンソン (C)MMAPLANET
5月21日&22日(土・日)の両日、静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイで、ハーレーダビッドソンが主催するBULE SKY HEAVENが開催され、そのゲストとしてUFCファイターのカブ・スワンソンが来日していた。
長きに渡り、UFCフェザー級戦線のトップで戦い続けてき、6連勝を記録しながら、タイトル挑戦が未だ実現しない実力者。そんなスワンソンにこれまでのUFCの戦いを振り返り、今後のフェザー級戦線の有り様と自らのファイトスタイルの変化とともに語ってもらった。
──去年の9月、UFC日本大会にゲストファイターとして来日して以来の日本になります。今回の来日目的は?
「ハーレーダビッドソンのイベントが日本であるからなんだ。UFCのPRもあって、中国から日本にやってきた。こうやって世界を回ることで色々なファンに出会うことができて楽しいよ。MMAが世界に広まったから、こんな風に色んな人々に世界中で出会うことができた。凄く幸運だよ。
スタッフにはこういう機会があるなら、いつだって協力するって申し出ているんだ」
──前回も来日時とはスワンソン選手の属するフェザー級は大いに戦局が変りました。当時はジョゼ・アルドが王者、コナー・マクレガーが暫定王者。現在は今後の動向が不透明な正規王者マクレガーがいて、ジョゼ・アルドとフランキー・エドガーが暫定王座決定戦を戦います。
「コナー・マクレガーはもうフェザー級で戦うことはないだろう。ジョゼ・アルドとフランキーの勝者が、世界チャンピオンに認定されるはずだ。前の試合でウェルター級で戦ったんだよ。もう、食事を摂ることが楽しくてしょうがないに違ない。減量は大変だから、あんな想いをしてまでフェザー級で戦うことはないだろう。コナーはウェルター級やライト級で戦っていくことになると思うよ」
──タイミングと精度に優れたコナーでも、あのリーチやフィジカルの強さはフェザー級で戦う限り、最大の武器でした。ただし、彼がフェザー級で戦わないとなると、スーパースターをフェザー級は失ってしまいます。
「そこはあまり気にしていないよ。確かに彼のような存在がいて注目度は上がるだろう。同時に、格闘家として尊敬に値しない言動も目立っていたからね。僕らはオクタゴンのなかで殴り合っている。でも、試合が終われば握手をして気持ち良く別れる。それがスポーツだ。彼はそういうタイプじゃないから、あまりコナー云々ということは気にならないんだよ」
──事実として、コナーがいなくなればスワンソン選手のタイトル挑戦は早まるのではないでしょうか。
「そうだね。僕がデニス・シヴァーに勝っても何も起こらなかったけど、コナーは色々なアクションで注目を浴びて、デニス・シヴァーに勝ってタイトル挑戦権を手にした。僕はシヴァーだけでなく、色んな選手に勝ってきたんだけどね……。そのコナーがいなくなれば、チャンスも広がるだろう」
──スワンソン選手はジョゼ・アルド政権時代、フランキー、リカルド・ラマス、チャド・メンデスと並び、ずっと下のランカーの跳ねのけてきたトップランカーでしたが、彼らと違いタイトル挑戦権が回ってこなかったです。
「誰も僕のようにこの階級で、トップで戦い続けてきたファイターはいないと思っている。あらゆる選手と戦い、勝利を手にしてきた。でもタイトル挑戦権を手にできなかった。気持ちも高揚したり、落ち込んだりしてハードだったよ」
──ラマス戦の敗北から、2年で6連勝しました。
「確かにね。フラストレーションが溜まっていたけど、とにかく与えられた試合に勝ち続ける。そうしたら、タイトル挑戦権を手にできると信じていた。だけど、フランキーとマックス・ホロウェイに負けてしまったからね……。マックスに負けた時はさすがに落ち込んだよ。
で、コーチ陣も練習を休んで家にいるよう言ってくれてね。親指とアゴの骨を折って──試合もすぐに決まることはないからって。それもしょうがないことだよ。ベスト尽くして戦って負けた。マックスはトップファイターであることを実力で示したんだ。
で、僕にはタイムオフが必要だった。マックスに負けて、暫く休んで、気持ちも体もリフレッシュできた。そして、またMMAに対する情念を取り戻すことができたんだ。マックスだろうが、また戦えば僕は絶対に勝てるってね」