【Special】「世界の頂点へ」──BRAVE内弟子プロ養成方法を宮田和幸が語る<04>
【写真】芦田崇宏、坂巻魁斗、鈴木隼人、竿本樹生らとともに世界を目指す内弟子志望者の出現、育成が宮田和幸のライフワークとなっている(C)MMAPLANET
宮田和幸が語るBRAVEの内弟子制度。今回をもっていよいよ最終回となる。これまでのインタビューで明らかになったようにBRAVEの内弟子制度は、プロとしてより良い環境からスタートを切れるようサポートが受けられる。それは五輪代表という肩書きをもって、28歳でMMAを戦うようになった宮田が自身の格闘家としてキャリアを振り返ることで、実現してきた環境創りだった。
芦田崇宏、鈴木隼人、坂巻魁斗、竿本樹生に続き、宮田は世界を目指す若い力、強い意志を持つ内弟子志望者が現れることを切望している。
<宮田和幸インタビューPart.01はコチラから>
<宮田和幸インタビューPart.02はコチラから>
<宮田和幸インタビューPart.03はコチラから>
──チケットの手売り、そしてスポンサー集めは宮田さんがされて選手は練習に励めよ、と。
「練習だけですね、彼らに求めるのは。芦田の友人でボクシングの全日本で準優勝した人間が入ってくれたんです。アマチュア・ボクシングの正確性というのは見直されていますしね。こういう風に多方面からBRAVEに人が集まってくれて、選手たちが楽しんで強くなっていると思います。
逆に僕はどちらかというと彼らとはフレンドリーにはしていないんですよ。僕がナァナァになると、グチャグチャになってしまうので。ただ、そういう風にしているからこそ、BRAVEの内弟子たちは色んなところで『しっかりと挨拶ができる』と言ってもらえて。そういう部分は嬉しいですし、僕との人間関係もナァナァになっていると、応援してもらえなくなることもあるかと思っています」
──ケジメをつけるということですね。
「それって僕らや、僕らの上の世代の人間にとって大切な部分じゃないですか。僕と一緒にそういう人たちと会う機会があれば、社会勉強にもなると思いますし。それこそ、普段の態度がしっかりとしていれば営業をしなくても応援してくれるようになりますから」
──もうBRAVEの選手たちは結果を出さなければ、周囲に申し訳が立たないですね。
「う~ん、でもそこは格闘技なので。僕はそういう部分で選手に結果を求めるというのはないですね。でも、とにかく皆が一生懸命にやっていますよ。好きでここに来てやっているので当たり前ですけど(笑)」
──BRAVE所属選手たちはパンクラス、修斗、DEEPでなくGRACHAN、GRANDSLAM、ZST、REALというイベントへの出場が多いです。
「今はイベント云々でなく、稼ぐことに主眼を置いています。格闘家って一括りにされますが、格闘技で食っている人間が格闘家です。どこまでかと言われると、家族持ちは無理かもしれないですけど、一人なら格闘技で食っていけるぐらいにはなってほしいので。まず稼げること──ですね。
彼らが狙っているのはUFCです。僕自身、格闘技が強くてデビューしたのではなくて、五輪に出ていたからHERO’Sに出られた。日本って、そういう部分があると思うんです。何か肩書きが必要で。強くても出られない、強いだけでは出られない──そういうところがあった。でも、UFCだと強ければ出ることができる。色々と大変でも、ダントツで強い人間はUFCに出ることができますよ。小細工なしで、強ければ良いので。
僕は日本の良い面も見たし、悪い面も見ました。段階を踏まずに出て、負けました。ただし、ソレで食っていけました。自分に何が足りないかも見えました。そこも含めて、今は教える方に主眼を置いています。自分が強くなるというよりも、自分がスパーをしながら指導する。それが一番だと思っています。
だから良い練習相手にはなっていると思いますよ。話を戻すと、ウチの軽量級の連中──鈴木、坂巻、竿本は今出ているところ以外で戦っても結構勝てると思います。隼人はまだ正式発表されないですが、面白い話も来ています」
──おぉ、それは楽しみです。
「かなり良い条件で戦えます。芦田はREALで勝っていけば、稼げます。REALのトーナメントで勝って、また次を狙っていけば……と思っています。そのためにも寝技とレスリングの完成度をもっと上げないといけないですね」
──今回の宮田さんの話を訊いて、『我こそは──』という強い意志を持ったプロ格闘家、内弟子志望者が現れることを期待します。
「ハイ。ありがとうございます。格闘技を選手としてやるのなら、ウチは良い環境が揃っていると思います。そのために色々な方たちに協力もしてもらっています。
まぁ、自分を振り返って言うなら若いうちから始める方が良いです。僕は28歳から始めたので、もう今は貯金でやっているようなものですけど……。まだ、やれると思います。ただし、選手を育てることが僕のすべきことだと感じています。
今の内弟子がUFCに行き、ジムとして実績を残したいですね。これからMMAも若くなっていくと思います。レスリングも実質、25、26歳で引退。格闘技もレベルが上がっていくと、一番強いのがそれくらいになってくるかもしれない。だからこそ、大学行く前とかに始めてほしいですね。そしてBRAVEで世界の頂点を一緒に目指したいです」