【Interview】9月21日、引退試合を行うヒカルド・デラヒーバ(02)
【写真】明朗な性格でも、どこかシャイなブラジリアンは、英語のインタビューで質問は理解しても、返答はポルトガル語で行うという選手が少なくない。デラヒーバもその一人だった(C)MMAPLANET
21日(土)、新宿FACEで開催されるプロ柔術大会「Ground Impact Revival」で中井祐樹と引退試合を行うこととなったヒカルド・デラヒーバのインタビュー第2弾。
競技柔術界の生き字引が、柔術の世界的発展と中井祐樹の印象を語る。
<ヒカルド・デラヒーバ インビューPart.01はコチラから>
――引退試合の相手となる中井祐樹選手には、どのような印象を持っていますか。
「ナカイはつねに私が来日することを歓迎してくれました。デラヒーバ・カップにも常に顔を出してくれます。ナカイのアカデミーでセミナーを開いたこともあるし、彼もまたリオにやってくると私のアカデミーに稽古にやってきていました。人としても素晴らしいし、対戦するからといって、彼に対して極度の競争心など持ちえない。それはナカイも同じだと思います。一緒に夕食を摂る時はフレンドだし、試合の時は対戦相手。それだけのことです」
――柔術家として、中井選手の長所、弱点を挙げてもらえますか。
「ナカイは元は柔道家だったから、最初はトップから攻めようとしますが、相手をガードの中に入れることも苦も無くできます。弱点というわけじゃないのですが、ナカイが得意にしているヒールフックは、ブラジリアン柔術では禁じられています。まぁ、私がやるべきことは、彼をガードの中に入れることです」
――デラヒーバ先生は1980年代から柔術競技に出場してきていますが、実際にその目で柔術の変化を見てきて、柔術がどのように変わったという印象を持たれていますか。
「1980年代、柔術トーナメントのレフェリーは最後の攻防しか覚えていなかった。アドバンテージがなく、ポイントが同点だったら、最後に優勢だった柔術家が必ず勝つ(笑)。前半戦にどれだけ攻めていても、覚えていない。今はアドバンテージがあることで、そういうこともなくなりました」
――ポイントゲーム化が進んだと非難されることもあるアドバンテージですが、誕生の背景にはそんなことがあったのですね(笑)。
「私がホイラーと戦って、レフェリー判定で敗れた時、カーウソン・グレイシーは大声でレフェリーに文句を言っていたんです(笑)。エリオ・グレイシー、カーロス・グレイシー、ホブソン、皆がホイラー側で、私につくのはカーウソンだけだ。ヒクソンは腕を組んで仁王立ちして、レフェリーにプレッシャーを与えていました。ホイラーからは2勝したけど、最後の試合で負けてしまったんです」
――リオの南だけで行われていた柔術が世界的なスポーツに発展したことは、本当に感慨深いモノがあるのではないですか。
「コンフェデラッソンができてから、ルールが整備され、メチャな抗議やタタミを叩き続ける行為でレフェリーにプレッシャーを与えるなどなくなり、柔術は良くなりました。世界に広まったことで、フランスの柔道家が35歳で体の衰えを感じ引退し、柔術の練習を始めたなどいう話を聞くと、本当に世界に広まってよかったと思います。柔術は民主的なスポーツになったんです」
■ Ground Impact Revival 対戦カード
<ヒカルド・デラヒーバ引退記念試合/BJJルール 20分1本勝負(判定無し)>
ヒカルド・デラヒーバ(デラヒーバ柔術)
中井祐樹(パラエストラ東京)
<68kg契約/ADCC特別ルール 8分(前半ポイント有り・後半ポイント無し)>
佐々木憂流迦(WK SURUGA)
植松直哉(ネクサセンス)
<黒帯ライト級/BJJルール 6分>
杉江アマゾン大輔(SAD)
柿澤剛之(PUREBRED大宮)
<66kg契約/ADCC特別ルール 8分(前半ポイント有り・後半ポイント無し)>
羽田徹ィ郎(和術慧舟會東京道場)
松本義彦(GRABAKA柔術クラブ)
<黒帯無差別級/BJJルール 6分>
時任拓磨(PUREBRED大宮)
八隅孝平(ロータス世田谷)
<黒帯無差別級/BJJルール 6分>
小澤幸康(TEAM KAZE)
塚田市太郎(Damm Fight Japan)
<黒帯無差別級/BJJルール 6分>
小野瀬龍也(reversal gym kawaguchi redips)
岡本裕士(RJJ)
<黒帯無差別級/BJJルール 6分>
新明祐介(トライフォース柔術アカデミー)
鶴屋浩(パラエストラ千葉)
<黒帯ライトフェザー級/BJJルール 6分>
山田秀之(デラヒーバジャパン柔術アカデミー)
江崎壽(パラエストラ札幌)
<茶帯フェザー級/BJJルール 6分>
鍵山士門(デラヒーバジャパン柔術アカデミー)
世羅智茂(GROUND CORE)