【JBJJF】中井祐樹が語る、ジャパニーズナショナルからのアジア選手権<01>「韓国の活躍はアジアの勝利」
【写真】ジャパニーズ・ナショナルを経て、アジアへ。中井祐樹JBJJF会長が日本で行われる二大トーナメントについて語る (C)ISAO KANDA
15日(土)、東京都墨田区の墨田区総合体育館でジャパニーズ・ナショナル2017が開催された。大会を観戦した日本ブラジリアン柔術連盟の中井祐樹会長に、2回目の開催となった同大会の手応えと、9月に行なわれるアジア選手権への展望、今後のブラジリアン柔術について語ってもらった。
Text by Takao Matsui
――2回目となるジャパニーズ・ナショナルが盛況のうちに終わりましたが、手応えはいかがだったでしょうか。
「土曜日のみの開催というのは日本では珍しいケースだと思いますが、忙しい中、よくメンバーが揃ってくれたと感謝しています。海外からキーナン・コーネリアス選手も出場しましたし、出場国も多かったと思います」
――各階級は、ライト級が細川顕選手、フェザー級が杉江アマゾン大輔選手、ライトフェザー級は鍵山士門選手、ルースター級は吉岡崇人選手がそれぞれ制しています。
「勝つべき選手が勝ったなという印象ですね。世界選手権もありますので、いい弾みになったのではないでしょうか。本来は、この大会に勝てば世界選手権への出場権が獲得できればいいのでしょうが、もう少し大きな規模に育てていきたいですね」
――出場選手数が予想よりも伸びなかったというのは、土曜日開催というのがネックかもしれませんね。
「その影響はあるかもしれませんが、大丈夫です。今後も広く周知するように心がけ、大きくしていきますよ。もしかしたらジャパニーズ・ナショナルという名称が、全日本選手権と混同してしまうのかもしれませんが、位置付けとしては日本国際になると思います。ナショナルなので国際とは訳せませんが、アジアでポイントを獲得できる貴重な国際大会ですから、さらに大きくしていくべきでしょうね」
――たしかに貴重な大会ですね。
「キーナン選手とか、なかなか生で見られない選手の試合が実現できたのは、ジャパニーズ・ナショナルならではですから」
――韓国選手の健闘も目立ちました。
「はい、はい、そうですね。先日、韓国でセミナーを開催してきましたが、柔術に対しての熱がとても高いです。MMAは韓国でも人気スポーツですし、日本を超えた熱すら感じます。柔術のレベルはまだ日本ほどではありませんが、世界選手権で上位へ入る選手が出てくる日はそんなに遠くないと思います」
――韓国の指導者は、たくさんいるのですか。
「たくさんいます。まだ試合に出る選手が少ないとは言っていましたが、年数を考えたら、そんなこともないですね。大会を重ねていけば、自然と増えていくと思います」
――アダルト黒帯ライト級では、ジュン・ヨンホ選手が世羅智茂選手を破り、決勝へ勝ち上がっています。
「彼もそうですが、ミドル級を制したノ・ヨンアン選手も強かったですね。韓国はもともとフィジカルが強い選手も多いので、経験を積んでいけば怖い存在になりそうですね」
――今後は、日本のライバルになりそうですか。
「ブラジリアン柔術は国と国ではなく個人の対戦だと思っていますので、そういう捉え方はしていませんが、韓国の選手が活躍した時はアジアの勝利と受け止めています。日本だけにフォーカスするのではなく、アジアという大きな枠で見た方がよりブラジリアン柔術がグローバルに発展していくのではないかと信じています。
アジア選手権は9月にありますが、海外に流出している階級もあります。本来はアジアの選手が活躍すべき大会だと思っていますので、韓国も含めて上位独占を期待しています」
――アジア選手権は、9月8日から10日までの3日間開催になりますね。
「回を重ねるごとに参加人数が増えていますので、ひとまず三日間の開催になっていますが、会場の都合もあると思いますので二日間になる可能性もあります。日程については予定ということですね」
――アジア最大の大会ですから、注目度が高いですね。
「年々、激化していますので、今年もどんな試合が見られるのか楽しみです。日本全国に限らず、それこそ韓国、中国、モンゴルからも参加がありますからアジア選手の活躍に期待したいと思います。ブラジルの強豪選手も出てくるでしょうし、グアムからも参戦してくるでしょうね」
――日本のレベルは高くなっていると思いますが、総体的にどのような評価をしていますか。
「もちろん強くなっているのは間違いありませんが、若い選手にもっと出てきてほしいです。マスターはすごくレベルが高いと思いますので、あとは若い選手の台頭に期待しています」
<この項、続く>