【Pancrase277】注目のクレベル戦を控えた矢地祐介に訊く<01>「嫌な相手ですね」
【写真】クレベル・コイケと海外で戦ってきた者同士の生き残り戦に臨む矢地祐介 (C)MMAPLANET
24日(日)に東京都江東区のディファ有明で開催されるPANCRASE 277。同大会でパンクラス2戦目を迎える矢地祐介が、クレベル・コイケと非常に興味深い一戦に臨む。
昨年12月にPXCフェザー級王座を失ったが、修斗環太平洋とPXCを制した矢地とREBEL FCフェザー級トーナメントを制し、KSWフェザー級に挑んだクレベルの対戦は、海外で成功と挫折を味わってきた国内フェザー級生き残り合戦――サラッと対戦が決まったのが不思議なほど期待値は高い顔合わせだ。
とはいっても両者にとっては、この先に進むために絶対に譲ることはできない戦いでしかない。そんな緊張感溢れる試合になることが間違いないクレベル戦を前に矢地の心境を訊いた。
――パンクラス2戦目を控える矢地選手ですが、MMAPLANETとしての取材は昨年12月のPXCフェザー級防衛戦、アレックス・ヴォルカノフスキー戦前以来です。まずは思い出したくないかもしれないですが、あの試合から振り返ってもらえますか。
「ハイ、分かりました。試合中は自分では1Rからずっとやられているイメージだったんです。映像を後から見てみると、2Rは自分のラウンドになっていたにも関わらず」
――ペースを握っていた2R終盤の後方からパンチを被弾、嫌な流れになってしまいました。
「パンチでカットし、血が目に入って視界が遮られてしまったんです。初めての経験だったのでテンパってしまって。あとは単にヒジとかで削られてしまいました。そこで動きもミスが増えて、スタミナが切れたというか……削られて。心肺よりも……気持ちなのか。目が見えなくなった時点で追い込まれていましたね」
――最後は三角絞めで一本負けでした。
「試合直後は三角で負けたことも分かっていなかったです。その前のラウンドのパウンドやヒジが効いていて」
――予想以上にヴォルカノフスキーは圧力がありました。
「強かったです。ただ、もうあの経験をプラスに捉えるしかないので」
――そして、王座を失った直後にパンクラス出場を決めました。早急に白星が欲しいということだったのでしょうが、2カ月に満たないインターバルでのロドルフォ・ルビオ戦。実はこういう流れは負のスパイラルに陥ってしまうかと心配でした。
「焦っちゃっているという感じですか? それは周囲からも言ってくれる人がいました。ただ、脳みそのことは分からないですけど、口を切っただけでケガもなかったので」
――脳みそが一番問題ですよ(苦笑)。
「ハハハ、ただ勝ってやろうっていうモチベーションは高かったです。きっと、誰とだろうが飛びついて試合をしていたと思います……。取りあえず試合がしたくて。負けて、ジッとしていらないなって。PXCにスケジュールを確認したら、1月16日でそこは急過ぎだし、その次は3月か4月だったので、日本で戦えないかと聞いてもらったらパンクラスが1月31日で。これはちょうど良いなって思って試合をさせてもらいました。でも、負のスパイラルに入りかけていたんだったら、勝って立ち切れて良かったです」
――試合後は不満げなマイクがあったのですが。
「前の試合で負けたことがあって、やっぱり動きが硬かったですね。ここで行こうという瞬間に出ることができない。それが何度もあって安全な選択をして守りに入っていました」
――ルビオもフィニッシュはさせないという戦い方になっていました。
「ガードからの打撃もしっかりと打ってきて、嫌でしたね。そういう嫌らしいことが上手かったです」
――それでもルビオに完勝した1月引き続き、4月24日にクレベル・コイケ戦が決まりました。今後PXCでのファイトは?
「出ないとか全くありません。今回はパンクラスからオファーが先にあって試合が決まり、PXCからも3月とか6月って話があったのですが、タイミング的にこうなりました」
――クレベル戦、見ている側としては非常に楽しみな試合です。
「いやぁ、久しぶりに嫌な相手ですね。ああいう風に下からガチッと一本が取れるのは。怖さがあります。緊張感のある試合になるでしょうね」