【WSOF30】終わってみれば圧勝、ジョン・フィッチが新WSOF世界ウェルター級王座に就く
<WSOF世界ウェルター級王座決定戦/5分5R>
ジョン・フィッチ(米国)
Def.3-0:50-45.50-45.50-45
ジョアォン・セフェリーノ(ブラジル)
左ジャブを入れるセフェリーノ。フィッチも右を当てるが、セフェリーノが右フックを返す。体格的に遜色ないセフェリーノは、続くパンチの応酬からケージに押し込まれるが、体を逃がして間合いを取り直す。低い姿勢のセフェリーノにフィッチは右アッパー。直後に右から左を被弾したフィッチは、一瞬動きが止まりながら組みにいく。ケージに押し込まれたセフェリーノは、体を入れ替えフィッチも押し込み返すが、左腕を差して離れた。
フィッチの左ジャブにも左を返すセフェリーノは、簡単に下がることはない。逆に左をヒットさせたセフェリーノにフィッチが組んでいくが、これはスプロールされる。懸命にケージにドライブしながら体を入れ替えられたフィッチは、セフェリーノの小外掛けは耐えて両者が離れる。右を見せてからダブルという鉄板パターンが決まらないフィッチは、パンチを受ける数も多く、残り30秒でシングルからケージにセフェリーノを押し込み尻餅まで持ち込むと、ここからバックを取ったところで初回が終わった。
2R、左からワンツーをヒットさせたセフェリーノ、打撃では初回から完全にフィッチをリードしている。フィッチはシングルを仕掛けたが、どうにも力がない。案の定、セフェリーノが逆にフィッチをケージに押し込み、ヒザを入れてから離れる。右を当てたフィッチは、5Rを考えた体力温存作戦なのか、本当に動きが悪いのは。続く組みも右腕を差されてテイクダウンを奪えなかったフィッチは、右ストレートからのドライブ、左足を両足で挟み込んで腰を取るところまで行きながら、胸を合わされテイクダウンに結び付けられない。
それでも続く局面で、フィッチはセフェリーノの右ストレートでダブルレッグを合わせ、テイクダウンに成功する。セフェリーノはバタフライフックから足関を狙う仕種を見せたが、これをフィッチが潰してエルボーをボディに入れる。最後はパウンドを落として、フィッチが2Rを締めくくった。
3R、右ローから左ジャブを伸ばすフィッチ。セフェリーノのダブルレッグを受け止めるように逆にケージに押し込む。ついに引き込みを見せたセフェリーノは足関節狙いに手間取り、ハーフからキムラクラッチへ。頭を刈れず、ガードに戻ったセフェリーノにフィッチが左のパウンドを連続で落とす。潜ろうとするセフェリーノに強烈なパウンドをフィッチが落とす。セフェリーノは左腕を差してスタンドへ。フィッチはここで右ストレートを打ち込み、ダブルレッグをスプロール。
逆に低い姿勢で飛び込んでセフェリーノをケージに押し込む。一旦離れたフィッチは直後にダブルレッグを決める。動きが完全に落ちたセフェリーノはケージに詰まった状態で顔面とボディにパンチを受ける。ホールド目的のガードワークで耐える展開が続いたセフェリーノが、この会も失った。
4R、間合いを測ってジャブを伸ばす両者。セフェリーノの左ハイがフィッチの顔面を掠める。セフェリーノはワンツーで前に出ると、フィッチが組んでヒザにボディを入れダブルレッグを仕掛ける。ここは切ったセフェリーノは続くテイクダウン狙いも切ったが、またもケージに押し込まれ引っこ抜くように倒されてしまう。
セフェリーノはヒザ十字狙いにパンチを落とされ、ガードに戻す──負のスパイラルに突入。こうなるとフィッチは抜群のトップコントロールでセフェリーノを立たせず、細かいパンチを落とし続ける。セフェリーノはキムラも潰され、いよいよ後がなくなった。
最終回、セフェリーノの後ろ回し蹴りをかわしたフィッチは、距離を取って戦う。そして、右ストレートからテイクダウンに移行。セフェリーノが前転しながらヒザ十字。さらにヒールフックへ。自らの足首を蹴るように足を引き抜いたフィッチは、スクランブルからスタンドへ。ケージを背にするが、これで十分。体を入れ替え、離れたセフェリーノがもう力が残っておらず、簡単にテイクダウンを許す。潜るセフェリーノにエルボーからパンチを入れたフィッチは、起き上がってパンチを落とす。
続くヒザ十字狙いも潰され、パンチを受けたセフェリーノはパンチ&エルボーを受けながらも懸命に立ち上がろうとしたが、最後は背中をマットにつけた状態で蹴り上げも、またも足関狙いを切られ、ハーフからパンチを被弾しつつ試合終了を迎えた。
終わってみれば、圧倒的なスタミナ勝ちを見せたフィッチがフルマークで判定勝ちを収め、WSOF世界ウェルター級のベルトをその腰に巻いた。