【ONE36】ビビアーノ・フェルナンデスを如何に攻め疲れさせるかが鍵、ベリンゴンの王座挑戦
【写真】野性味あふれる者同士の一戦。一発のKOパワーも持つベリンゴンは初動の見えない打撃をビビアーノに仕掛けたいところだ(C)MMAPLANET
23日(土・現地時間)に中国湖南省の長沙(チャンシャー)のSWCスタジアムで開催されるONE37「Dynasty of Champions」。
昨年12月のONE35=マニラ大会でヤン・ジェンピンの減量中の死亡事故を経て、計量のレギュレーションにメスを入れることとなったONE。7週間前から試合体重の7パーセント以内に体重を抑えないといけないということだが、発表は昨年末で同大会まで1カ月を切ったところでの発表ということもあり、このチャンシャー大会では新レギュレーションへの移行期間で暫定的な処置が取られている模様だ。
取り敢えず今大会では従来の階級より1階級上の体重で戦う模様で、試合開始の3時間前に再計量が行われるという話も伝わってくる。とにかく安全追及ための第一歩、その推移を見守りたい。
そんな今大会のメインはビビアーノ・フェルナンデスにケビン・ベリンゴンが挑戦するONE世界バンタム級選手権試合だ。2013年10月にキム・スーチョルを下しONE世界バンタム級王座を獲得したビビアーノにとって、4度目の防戦戦となる。対戦相手のベリンゴンはフィリピンMMA界のトップ=チーム・ラカイ所属のパラフルなストライカー。これまでの戦績は13勝4敗で、ONEでは4勝4敗ながらユサップ・サーデュラエフや岡崎康悦にも勝利している。
「ビビアーノと戦えるのは絶好の機会。彼がいかに優れた寝技の持ち主かは知っている。僕もテイクダウン・ディフェンスのトレーニングに取り組んでいた。打撃で勝つ」と語っているようにベリンゴンの勝機はスタンドの打撃戦、そしてカギを握るのは如何にビビアーノのテイクダウンを防ぐことができるか。
それにはビビアーノの長いリーチを生かしたパンチに真っ直ぐ下がらない、あるいは反応して重心を上げないことが大切になってくる。そして自分のパンチの当てるためには、ビビアーノが組める距離に入る必要があるだけに、ベリンゴンにとっても言うは易く行うは難しという世界戦であることは間違いない。
ベスト中のベストは寝技に持ち込まれても、そこを凌ぎスタンドに戻ること。打撃のプレッシャーの強いベリンゴンを寝技に持ち込みながら、立ち上がることを許すとビビアーノであっても精神的にもプレッシャーを感じ、体力的にも厳しくなる。テイクダウンを切る、尻餅をついてもスクランブル程度はビビアーノも覚悟の上だけに、これぐらいの展開ではスタンドで有効な打撃を入れておく必要がある。
ビビアーノが嫌がる打撃、もしくは絶対的に自信を持つ寝技の展開から逃れる。どちらかがないと、ビビアーノはテイクダウン狙いからバックコントロール、あるいは寝技に持ち込みトップゲームでベリンゴンを淡々とコントロールできるだろう。そして肝心なテイクダウン防御は思い切り踏み込んでいくダブルよりも、シングルからレッグリフトに気を付けない。ロングストレートを伸ばし、そのままシングルに入ると、そこはビビアーノの最も得意とする流れ。さらに寝技でバックを許した場合も、安易に胸を合わせに行くと18番の三角絞めが待っている。胸を合わせてもトップでなく、スタンドに戻る。そんな割り切りがベリンゴンには必要だ。
■ ONE36対戦カード
<ONE世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[挑戦者] ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
<フェザー級/5分3R>
リー・カイウェン(中国)
ヤン・セン(中国)
<バンタム級/5分3R>
ムイン・ガフロフ(タジキスタン)
トニ・タウル(フィンランド)
<フライ級/5分3R>
ロイ・ドリゲス(フィリピン)
渋谷莉孔(日本)
<バンタム級/5分3R>
ツー・ノット(インドネシア)
ソン・ミンヤン(台湾)
<バンタム級/5分3R>
マ・ハオビン(中国)
ウー・ティンシェン(中国)
<バンタム級/5分3R>
ツァイ・チャンボ(中国)
ブゥ・ホウヨーシエン(中国)
<バンタム級/5分3R>
ジョウ・ビヤオ(中国)
タン・ダーフェン(中国)