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【UFN75】田中ノリピー、TAM JAPANを語る<03>「来るべき時に備え、今は力を蓄えるべき」

DSC_0617【写真】出場停止明けも試合がなかなか決定しないことに焦りはないという田中だが、やはり1日でも早くその雄姿をオクタゴンで見たいモノだ (C)MMAPLANET

チーム・アルファ・メール・ジャパンの田中路教インタビュー最終回。中村優作、石原夜叉坊に続き今回は自らの現状、今後について話を訊いた。
<田中路教インタビューPart.01はコチラから>
<田中路教インタビューPart.02はコチラから>

──安藤戦、ウィッキー戦を踏まえて、廣田戦に向け夜叉坊選手の調子は上向きですか。

「う~ん……、良くなってきています。スランプ気味だった打撃はどんどん良くなっています。それはウィッキーさんとの試合でも、自分には感じられていました。ハイ、本来の良さは戻ってきています」

──MMAファイターとしての完成度では廣田選手が高い。そういう意見も多いのが現状ですが、相性として本来の夜叉坊選手なら十分に勝機があるのではないかと。

「言い方はおかしいかもしれないですけど、廣田さんとの相性は良くて悪い、悪くて良い。両方なんです。相性の良い部分を上手く突くことができれば普通に勝機はあります。ただ、悪い部分にはまればやられちゃうでしょうし。どっちが得意な部分、相性の良い部分で試合が進められるのかだと思います」

──田中選手に続き、TAM JAPANからもう一人UFCというフィールドに夜叉坊選手が上がってきたことに関して、どのような気持ちでいますか。

「嬉しいです。チームの最低目標じゃないですけど、3人でUFCに出るというのが、チームを結成した時から言ってきたことなので。今年から一緒になり、この短期間でそこまで夜叉坊が辿り着いたのは、本当に凄いと思います。僕自身、うかうかしていられない立場になるわけだし。ただし、この決勝に勝ってからですけどね」

──夜叉坊選手はRTUというこれまでの日本人選手にはない特殊な環境でUFC本戦出場に辿り着いたわけですが、田中選手が仮にリアリティTVショーに出た場合、普段と比べてどれぐらいのパフォーマンスが発揮できると思いますか。

「僕は性格的にそういうのが気にならないので、あまり変わりないと思います。ただ、気になってしまう選手は大変でしょうね。普通のイベントと違い、撮影なんでスケジュールが押しちゃうんですよね。時間通りに始まらない、終わらないというのが常だったので」

──計量が時間通りに始まらなかったというのは聞きました。

「アレはやっぱり皆、イライラしていましたね。でも、そういうなかで掴むチャンスですから、それは言ってもしょうがないのですが」

──TVコンテンツとしてではなく格闘技として考えると、日本人選手のメンタルと、対戦相手と行動を共にするというのはかけ離れたところにあるかと以前は思っていました。

「格闘技としてというか、日本人の性格は理解されていないというのは多々ありました。1回戦が終わったあとに4人が集まって、『次は誰と戦いたい』とか尋ねられても、本人を前にして言えないですよね、日本人は(苦笑)」

──なるほど。

「4人一緒ですから、アイツとやりたいとかは……。ジョシュは分かっているから、『日本人はそういうのは向いていないんだ』ってスタッフにも言ってくれているんですよ。でも、それが向こうのやり方だから」

──番組を通して、日本人選手たちもそうですが、ジョシュとロイ・ネルソンの人柄が伝わってきたプログラムでもありました。

「ジョシュは本当に良いヤツでした。何か米国人っぽくないです。普段から日本人っぽい性格なんだと思います。気の遣い方、気配りが凄くて。僕らがやらかして、サクラメントから急遽LAに入った時に1週間も自宅に泊めてくれて。その間も色んな場所に連れて行ってくれたり、本当に優しくしてもらえました」

──日本人はTUFに限らず、リアリティTVショーってどこまでガチなのっていう想いを少なからず抱いていると思うのですが、ジョシュ・バーネットはガチだと。

「ジョシュはカメラがないところでも全然変わらないですし。カメラがあるところでも……カメラは選手だけを撮りたいわけじゃないですか? でも、僕らセコンドのことも凄く気遣ってくれて。『一緒に練習やろう』って誘ってくれて」

──そのジョシュがメインの日本大会ですが、残念ながら田中選手の出場はありませんでした。そろそろ次の試合が決まってほしいところです。

「僕はいつでも試合できる状態にあるのですが、試合が決まらない……です。『なんで試合しないの?』って聞かれても、それは僕の事情ではないので(苦笑)。日本大会はオファーがあるかなって思っていたし、こちらからもアプローチはかけていました。まあ、UFC側の判断なので……」

──早く試合がしたいですか。

「そこに関しては、あまり焦っていないです。やるべきことはやっていると思っているので。ケガで試合ができなくなったわけでもないですし。数年後にトップを取るために、ここで試合がないことで予定が狂うわけではないですから。だから、普段からやるべきことをやっていれば良いと思っています。

それよりも、自分が強くなることに対しては常に焦っています。強くならなきゃって。そこさえ、ちゃんとやっていれば構わないです」

──去年の今より、強くなっているかどうか。実戦でこそ実感できるということはないですか。

「それはあると思います。ただし、必ず試合の機会は巡ってくるので、そこは焦ってもしょうがないですしね。来るべきタイミングで来るという風に捉えています。日本大会がそのタイミングではなったので、来るべきタイミングで試合をして、そこで力を発揮する。そのために今は力を蓄えるべきだと思っています」

──蓄えは増えてきていますか。

「ハイ。それはあります。逆に成長できなければ終わりです。1年も期間を与えられて──与えられたわけじゃないですけど(笑)。この間に成長できなければ終わりです。さすがにあと1年試合がないとかってなると焦りますけど、すぐにまたこの機会があると思っています」

──バンタム級で日本勢が苦戦をしているので、少しでも早く田中選手に勢いを見せてほしいところです。

「復帰したら、駆け上がります!!」

■UFN75対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
ロイ・ネルソン(米国)
ジョシュ・バーネット(米国)

<ミドル級/5分3R>
ユライア・ホール(米国)
ゲガール・ムサシ(オランダ)

<フライ級/5分3R>
チコ・カムス(米国)
堀口恭司(日本)

<バンタム級/5分3R>
ジョージ・ループ(米国)
水垣偉弥(日本)

<ウェルター級/5分3R>
リー・ジンリャン(中国)
中村K太郎(日本)

<バンタム級/5分3R>
マット・ホバー(米国)
山本KID徳郁(日本)

<ROAD TO UFC JAPANフェザー級T決勝/5分3R>
廣田瑞人(日本)
石原夜叉坊(日本)

<フェザー級/5分3R>
ディエゴ・ブランダォン(ブラジル)
菊野克紀(日本)

<ライト級/5分3R>
粕谷優介(日本)
ニック・ハイン(ドイツ)

<ライト級/5分3R>
ケイジャン・ジョンソン(カナダ)
小谷直之(日本)

<ウェルター級/5分3R>
ロジャー・ザパタ(米国)
安西信昌(日本)

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