【on this day in】8月14日──2005年
【写真】表彰台に上った選手は全てブラジリアン・トップチームの面々、アフロなジュカォンが時代を感じさせる(C)Denis Martins
Copa Rip Doreyde Submision
@ブラジル・リオデジャネイロ ボタフォゴ、ジナーシオF&R
「米国人ファイターやカナダ人元UFCチャンピオンに取材をドタキャンされると……、これはかなり落ち込む。そして徒労感を感じる。なのにミノタウロ・ノゲイラに8時間待たされても、『まぁ、しょうがないか』となってしまう。それがブラジル人の力だ(笑)。そんなブラジリアンな習慣が大いに発揮され、トーナメントが機能しないというサブミッション大会が、10年前に多発していた。ヒップドヘイと呼ぶのか、もう発音方法も忘れてしまったファイトギア・メーカーが主宰したADCCルールのトーナメント。柔術とルタリーブリの抗争は終了しており、オーガナイザーにはルタのマーシオ・クロマドが加わっていた。そして、スーパーファイトと階級別賞金トーナメントが行われ──このトーナメントでブラジルらしさが爆発した。88キロ級、BTTから7人が参加し準決勝から決勝まで試合が行われることなく、彼らが表彰台を独占。そして賞金を山分けした。66キロ級はフアスVTのウェリントン・ディアス、ノヴァウニオンのジョゼ・アルド、そしてマルコ・ロウロが表彰台に。ノヴァ勢同士は当然として、フアスVTはノヴァのアカデミーを間借りして練習しており、レスリング・クラスにはノヴァ勢も参加することで彼らは準決勝と決勝を戦わなかった。ちなみに準決勝以前ではアルドは今や同門のジョニー・エドゥアウド、ロウロはタエジ・メンドサに勝利、ディアスはマルロン・サンドロにフレンドリーファイトでバックを譲ってもらって勝っている……。唯一勝負らしい勝負が見られた77キロ級ではペケーニョの実弟レオザーダ・ノゲイラがホドリゴ・ダムを下し優勝。3人参加の99キロ級ではアレッシャンドリ・カカレコが、ブルーノ・バストスを破り表彰台の頂点に立った。バーリトゥードな一階級集中参加はさすがに、もうブラジルでも見られなくなった。でも、10年前にこんなえげつないことができたのだから、今でもリーボック体制にも噛みつけるだろうし、涙の同門世界戦を繰り返し行うことだって可能になる。これってもう人間力を越えて、ブラジル人の国民力と称しても良いんじゃないだろうか」
on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。